見出し画像

昇格への道は続く 第32節 鹿児島対岩手

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。

先週連勝が止まった鹿児島ユナイテッドFC。今週はホームで岩手を迎え撃ち、本当に苦しい試合となった試合を振り返ります。

鹿児島は先週の八戸戦からのスタメンを1人変更。警告累積で出場停止の中原選手が外れ、山口選手がが入りました。

鹿児島対岩手 スターティングメンバー

鹿児島ユナイテッドFC
前半は岩手の高いDFラインの裏を狙い、ロングホールで前進図るも、岩手に跳ね返されて、しかもクリアボールを拾えませんでした。

WBとMFがボールを受けた五領選手に素早くプレスを掛ける。このように岩手の守備が厳しかったので、前半の鹿児島はかなり苦戦を強いられました

これにはショートパスで前進するか、ロングホールで前進するか意図が明確ではないという問題がありました。

ショートパスで前進を図ると自陣PA近くに選手を多く配置します。ただそうなるとロングホール蹴った先には選手が少ないわけで、それではこぼれ球を拾えません。つまりロングボールを蹴るなら、それに合わせた選手の配置や動きを設計しなければならないのですが、そうではなかったので岩手にボールを持たれる時間も多くなります。

またボールを少し前進させてセンターサークル周辺から蹴ることも合ったのですが、そうすると当然相手DFライン裏のスペースは小さいので、ゴールラインを割ることが多くなります。そのため一度ボールをGKまで戻して、相手を前に引っ張り出してロングボールを蹴る方が良かったと思います。

後半49分 鹿児島の決定的場面。米澤選手が相手CBからボールを奪ってGKと1対1になるがもう一人のCBが猛然と迫ってきて米澤選手にプレッシャーを掛けていて、それが結果的に米澤選手の余裕をなくし、GKに防がれた。GK丹野選手のポジションと準備もほぼ完璧で素晴らしいゴールキーピングでした

岩手のプレス強度が強く、鹿児島は八戸戦に続きパスミスが多く見られました。ただ後半、点を取りに来た岩手は前線とDFライン間が広がったので、スペースできて鹿児島もボールを前進させ攻撃できるようになり、そしてそれが81分の先制点につながります。

この試合は両チームとも点が取れない我慢比べのようなゲームとなりました。だから先制点をどちらが取るかは非常に重要でした。特に鹿児島は後半押し込まれる場面も多く、決定的な場面も度々作られていました。

後半54分、浮き球で鹿児島DFライン裏を狙われている場面。岡本選手が裏を取られたが、戸根選手が自分のマークを放して、裏を抜けようとする岩手の選手へ急行して、クリア

ただこの日CBの二人は素晴らしいプレーを見せてくれました。
戸根選手と岡本選手はライン裏へのボールを飛び出してクリアもできていましたし、オタボーケネス選手への対応でできていました。
また泉森選手のスーパーセーブもあり、先制点を与えなかったのが、この日の最大の勝因です。

岡本選手はいつものようにドリブルで前進。
鹿児島の前進は左サイドが中心で、そこから右へのサイドチェンジも良かったです。オタボーケネス選手との1対1も負けいませんでした。

戸根選手は何度もロングホールで相手DFラインの裏を狙っていて、最後にそのチャレンジが実って先制点となりました。

あの得点の半分は戸根選手の得点と言っていいでしょう。
逆回転のボールを蹴って、ボールが止まりそうだったので、武選手がダイレクトでセンタリングできました。あれがもし武選手がトラップしたり、ドリブルするようなボールだったら得点はなかったでしょう。

守備面での貢献が大きかったのは言うまでもありません。
先週、オリオラ・サンデー選手にやられた反省を活かせました。

後半81分の先制点の場面。戸根選手からの見事なロングパスを追う武選手。この時、岩手のDFの後ろにいたが、驚異的なスピードで抜き去り、センタリング。中で合わせた鈴木選手も相手CBの後ろにいたが、全速力で抜き去りゴールした。戸根選手のパス共々素晴らしいランニングでした
鈴木選手が相手CBを抜き去り大きなスペースにフリーで走り込んでいる。武選手のパスは少しだけ足下に入ったが、鈴木選手が調整して見事なゴールにつながった

いわてグルージャ盛岡
岩手の攻撃は前半ロングホール主体で、これは予想内でした。
しかし後半選手交代から、一気に戦術変更。
ショートパス主体の攻撃に切り替えてきました。
これには鹿児島は最初少し戸惑い、修正するまでに時間がかかりました。

左WBの新保選手からの見事なセンタリング。鹿児島の弱点であるSBの高さがないところを付かれ決定的な場面を作られた。もしこれが決まっていれば勝負はわからなかった

この日の岩手DFはラインコントロール秀逸でした。
なので鹿児島が裏のスペースを狙いましたが、ほとんどクリアされてました。
MFの戻りも早くヘディングのクリアボールなどを拾えていて、前半は岩手のペースでした。CBの前へのプレス早く何度もインターセプトされていて、鹿児島は苦戦していました。

左WB新保選手のセンタリングは精度も高く、素晴らしいクオリティの選手でした。

後半83分 鹿児島の追加点の起点。パスを受けた鈴木選手がドリブルするが、前掛かりの岩手には後ろに残っている選手が多く、大きなスペースがある。
この時は鹿児島の選手の押し上げも遅かったので、鈴木選手は一度スローダウンして、味方の上がりを待つ判断をする。この判断がこのゴールの大きな要因となりました。この時山本選手は縦に走り抜けているが(赤点線矢印)、斜め左に抜けると(黄色点線矢印)をフリーでパスを受けられた
パスを受けて米澤選手がセンタリングを上げるシーン。鈴木選手は相手CBの裏に走り込んでマークが外れているのでゴールできた。その後ろにいる山本選手はマークされているので、できればその裏に走ればマークが外れる(黄色点線矢印)

ただ勝たないと昇格争い残れない岩手は、後半攻撃的に前に人数を掛けて来て、前線とDF間の距離が開き、鹿児島がボールを奪うとスペースがあり前進でき、得点に繋がりました。それがなければ鹿児島は勝つことが難しかったでしょう。

まとめ
試合前半は両者共に相手の出方を見ながらジャブの打ち合いという様相でした。
後半勝つ必要のある岩手が前掛かりで攻めて、鹿児島を徳俵いっぱいまで押し込んだのですが、鹿児島がギリギリで持ちこたえ、カウンター一発で逆転した試合でした。
勝負は紙一重で、スコアとは関係なく、どちらが勝ってもおかしくない試合でした。
鹿児島も先制点が取られていたら勝てたかどうかわからない試合でした。

後半89分 鹿児島三点目の場面。このフリーキックの前に千布選手と米澤選手がコソコソと打ち合わせしていた。米澤選手がニアに走り込むのでそこに蹴ってくれと言っていたと思われます。米澤選手のマークを外すタイミング、それに合わせたパスを蹴った千布選手。二人の素晴らしい判断と技術が生み出したゴールでした

先制点与えたら、岩手が後半前掛かりで攻めることもなかったですし、勝たないと昇格できない状況がなければ、もっとじっくり攻めて来たかもしれません。

だから最後の最後、得点を許さなかった守備陣のこの勝利への貢献はとても大きいと思います。

80分まで我慢比べで、根負けした方が負けのような試合展開。
しびれたし、厳しかったですが、今後もこのような試合が毎試合続きます。

次はアウェイで福島と対戦します。
私も現地で応援する予定です。

八戸、岩手と同様、守備が堅いので難しい試合になりますが、強い気持ちで応援しましょう。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?