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敗戦の中の希望 第三節 岐阜対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。勝ち点4を得てはいますが好調とは言い難い鹿児島とこちらも好調とは言えない岐阜とのアウェーゲームを振り返ります。

まずは先週の試合からのスタメン変更は4人でした。広瀬、山口、端戸、鈴木が外れ、戸根、木村、ロメロ、山本が先発します。戸根、木村選手は今シーズン初めてのプレーになります。でも広瀬、端戸選手はベンチ外でした。練習も体のコンディションもわからないので、なんともいえませんが、不思議に思ったのは私だけではないでしょう。

岐阜対鹿児島戦スターティングメンバー

第2節の試合は両方ともいいプレーができていなかったので、きっちりつないで崩すというより、両チームともにボールロストからのトランジションから攻撃のチャンスを作れていました。

前半の鹿児島は五領、木村選手からのロングパスから山本選手が左サイドで1対1作れていて、前半のチャンスはほとんどこのパターンでした。ただ山本選手はドリブルで抜くタイプではなく、ほとんど中に切れ込んでシュートの選択肢が多かったですし、最初から中へ行くのを決めているようなプレーが多く、相手の重心を見て逆をつくプレーは皆無でした。ドリブルで抜ける選手がいれば、もう少し岐阜を苦しめることができていたと思います。

開幕戦でもサイドチェンジのパスから左サイドの鈴木選手が1対1になる場面が見られましたが、彼も1対1で仕掛けて抜くタイプではないのでボールは進むのですが、決定的なチャンスを作れませんでした。昨年であれば、このポジションには米澤選手が入るのですが彼はまだ治療中で出られないので、ここを何とかしないとこれからも得点が苦労するかもしれません。

あと山本選手は淡々とプレーしていて、感情が表に出てこないのがちょっと残念ですね。このあとで説明する有田選手がシュートする場面でも、彼のほうがいいポジションにいるので、俺にボールを寄こせぐらいアピールしてほしいですし、パスが出てこなければ有田選手に文句言うくらいでないと厳しいプロの世界でやっていくのは難しいと思います。ぜひ頑張ってほしい!

前半は鹿児島がシュート数も上回りますが、共に得点はならず0-0で後半に入ります。後半開始からは岐阜の攻撃が活性化します。左サイドの村田選手が度々突破して鹿児島ディフェンスを翻弄します。

前半は岐阜もいい形を作れていないので、セットプレーかミスで勝負が決まると思いましたが、後半52分岐阜が先制点を入れます。

鹿児島のGKからのプレー再開でしたが、この時岐阜二人が前プレス掛ける気満々のかまえだったのでロングボール蹴る選択肢もありました。そしてその後、いくつかのミスが重なり失点しました。

失点の場面、中原選手が受けるボールを岐阜の選手が狙っていたので、外にいる薩川選手にワンタッチで出せればプレスは回避できた。これW杯で日本代表がスペイン代表から得点したシーンと酷似していますね。ショートパスでGKからビルドアップする時は、CBが深い位置を取られないといけないので(岡本選手はゴールラインに近い位置にいる)、ボールロストしたときにプレスが掛かりにくいんですよね。鹿児島の選手はマンツーマンでマークされているので、ロングキックを蹴るのも選択肢の一つでした。

まず最初のミスは大内選手のパススピードです。彼のパススピードが遅く、岡本選手がトラップした時はもう相手選手が寄せて来て判断する余裕がなく、マークが付いている中原選手に出してしまいました。ゴール前でのビルドアップではGKやCBに大きなプレッシャーが掛かり、判断ミスが多くなるので、あそこは速いパスを出して岡本選手に時間的余裕を与えてほしかった。岡本選手なら強いパスでも止められる技術があります。

さらに岡本選手のパスを受けた中原選手がワンタッチでサイドの薩川選手に出すべきだったのですが、ここでボールをキープしてファールをもらいにいきました。ボールロストが少ない中原選手らしい判断でしたが、ファールは取られず失点してしまいました

中原選手が倒されたのがファール気味でしたが、手で押しているわけではないのでファールにするのは難しいですね。主審のポジショニングも後ろからアタックした岐阜の選手の後ろから見ているので、多分見えてなかったと思います。線審は見得る位置にいましたが、過度なチャージではなくファールではないと判断したのでしょうね。

ただ鹿児島の選手は自分たちでファールと判断したか、一瞬プレーが途切れてしまいボールの寄せるのが遅くなりました。ただシュート自体はゴラッソなので、大内選手は責められませんよね。

昨年から鹿児島のビルドアップ時の各選手のポジショニングが決まっておらず、ボールを止めてから出す選手を探しているのでプレスからボール奪われるケースが多くなります。ある程度はポジショニングを決めていて、相手の出方次第で選択肢を選ぶ方式にしないと、今回のように時間的余裕がないときにボールをロストする機会が増えてきます。

失点後も岐阜の攻勢は続きましたが、選手交代から流れが変わりました。まず鹿児島が15分に河辺選手を投入。度々右サイドからチャンスを作ります。そしてなぜか岐阜が21分に村田選手を交代させます。鹿児島は彼を止めるのに苦労していたので、これは助かりました。ここから流れが鹿児島に傾きかけます。そして決定打が36分の山口選手の交代でした。彼からは度々絶妙なスルーパスが出てきました。

後半89分、武選手の決定的なチャンスの場面。岐阜のGK松本選手が前に出ているのでシュートコースはない。一方ゴール前に岐阜の選手はだれもいなくて、河辺選手がスペースにフリーランニングしている。武選手からパスが出ればGKはゴール前に戻れず決定的な場面を迎えられた。

そして後半の89分、山口選手の超絶スルーパスから武選手が裏に抜け出しGKと1対1になりシュートしますが、GKにセーブされ決定的なチャンスを逃します。ただ武選手のこのプレー選択は疑問が残ります。GKがかなり前のポジションなので、GKに隠れてシュートコースはないはずです。しかもGKのポジションが前ということは、中にパスすればGKは長距離を移動しなければ行けないので止めるのは難しくなります。

にも関わらずここでシュート打つ選択には疑問が残ります。おそらくこのシュートはGKの股を抜く以外100回打っても、ほとんど入らないと思われます。では中の河辺選手見えていたか?テレビ画像を見る限り武選手は見てなかったと思います。裏に抜けた時点でシュートを打つと決めていたんでしょうね。多少の余裕あったので、あそこで中見られないと厳しいと思います。

ボール持っている選手が王様なので、プレー選択の権限は武選手にあります。だけど何でも自由にプレーしていいわけではありません。サッカーはチームスポーツです。あくまでもチームのためにプレー選択する必要があります。プロは結果責任ですから、あそこでゴールすれば武選手は英雄ですが、外せば責任者です。このプレーは責められてれて然るべきです。まだ若いのかもしれませんが、ピッチに出たら年齢は関係ありません。

鹿児島は前半GKからショートパスをつなぐビルドアップ試みますが、あまりうまくいかなかったですね。数回前進したことはありましたが、最終的に大内選手のロングキックになるケースが多くなりました。ただこれはこれで、なかなか有効なビルドアップ手法でした。

これは本格的にビルドアップの戦術に組み込んだほうがいいと思います。CB二人で横パスをつないで相手FWに前プレスに来させて、大内選手にバックパスして、そこからFWが出てきできたスペースに浮き球のパスを出す。相手がそこにもプレスを掛けてくると、その裏が空いてくるので、そこへパスを通せれば一気にボールは前進できます。

戸根選手は今季初先発でしたがいいプレーを見せていたと思います。ボール持てますし、ビルドアップでも何回かいいパスを出せていました。広瀬選手不在の穴を埋めていましたね。昨年、広瀬選手不在時のビルドアップが問題になりましたが、今シーズンは大丈夫そうですね。

前半のチャンスシーン。山本選手からのパスを受けた有田選手がドリブルで持ち上がりシュートする場面。ドリブルで引きつけたので岐阜の選手が中央に三人いて山本選手と五領選手がフリーになっている。黄色点線にパスを出せれば山本選手はGKと1対1になっていた。

有田選手は三試合無得点の焦りが見られるプレーがありました。強引なシュートが多い 気がします。昨年までの彼は状況により味方も使えるし、自分でもゴールを狙える的確な判断が良かったのですが、まだ三試合だけですが、味方を使うプレーが少ないように見えます。後半60分の有田選手のシュートですが、後ろから詰めてきていたロメロ・フランク選手が体の向きは良かったのに、強引にシュートしてブロックされていました。PA外から強引なシュートも多いように見られます(ただシュートを打つのが悪いわけではありません)。

広瀬選手がベンチ外だったのですが 怪我なのでしょうか。もし怪我でないのであれば正直ローテーションしている余裕はないと思います。ローテーションはもう少しシーズンが進んでから考えてもいいと思います。主力選手を休ませて勝てるならいいのですが、それで負けたら選手の士気も下がります。なにしろ彼はキャプテンですからね。

負けはしましたが試合と通じて相手の前プレスをかわしていい形を作れてはいました。ここは昨年までとは違うところです。あとは最後のフィニッシュのみです。なので下を向かずに次の試合に向けて準備していただきたいと思います。

それでは次の週末はホームでの相模原戦になります。
「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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