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失望の引き分け 第24節 北九州対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。3連敗して大嶽監督解任で迎えた負けられない戦いのアウェイ北九州戦を振り返ります。

https://youtu.be/cfVuPQo3pMs?si=G9W7lQWp3M8J7owR

両チーム先発メンバー
鹿児島の予想フォーメーションは4-2-3-1。直近のリーグ戦からのスタメン変更は3人で、薩川、千布、鈴木選手が外れ、星、木村、藤本選手が先発します。薩川選手を外したのは、まず守備優先という判断だったかもしれません。

北九州は5−3−2で直近のリーグ戦からのスタメン変更は2人。井澤、池高選手が外れ、前川、岡田が入ります。

北九州の直近5試合は1勝1分け3敗。鹿児島の直近5試合は1勝0分け4敗。両方とも好調とはいえない同士の試合となります。両者の過去対戦成績は6勝1分け0敗と鹿児島にはかなり相性のいい相手となります。

そして鹿児島は大嶽監督交代後、初の試合になります。

鹿児島対北九州 先発メンバー


北九州の狙いと鹿児島の戦術
北九州は5バックで守りを固めながらも前からプレスを掛け、そこでボール奪取できればショートカウンター、後ろで奪取できればロングカウンターというのが基本的な狙いになります。

前半1分の鹿児島攻撃。山口選手のボール奪取から木村選手がDFライン裏へ浮き球のパスを出す。これは藤本選手が難易度高いトラップを強いられたので得点にはならなかったが、先週までとは違う攻撃。序盤は何回か見られたが試合が進むにつれて先週までと同じショートパスをつなぐ攻撃になってしまった

北九州は5−4−1から前プレの人数を可変にして、中盤のラインの人数が変化します。2人で前プレスして5−3−2になるのが一番多かったですかね。ただ正直この前プレスはそれほど強くなく、ボールをとられることは少なかったです。

北九州が2人以上で前プレスに来るときには、中盤の守備の人数が足りなくなりスライドが間に合わなくなるので、鹿児島は5−3−2の3の横のスペース間でボールを循環したいところでした。

前半15分の鹿児島のビルドアップ。利根選手から星選手にパスが出るシーン。この時、星選手が利根選手にパスを戻してしまったが、前には大きなスペースがあったので、ターンしてドリブルして前進したかった。戻したパスに相手のFWがプレスを掛けに来たので、利根選手は焦って中央にいる山口選手へ難易度の高いパスをして、ボールを失いシュートされるも枠を外してくれたので失点にはならず

ただ今回も両SBが中に入ってくるので、サイドには大きなスペースがあるのですが、うまく使うことができません。サイドにスペースあるので、こういう時はSBをサイドにはらせて、サイドで数的有利を作りたい。そうすると左のSBはMFの野嶽選手ではなくて、サイドに貼れて単独突破ができる薩川選手が欲しかった(あくまでもこの試合に関してはということなので、野嶽選手がだめという意味ではありません)。

北九州が5−3−2の場合、サイドにスペースができる。しかし鹿児島のSBが中にポジションするので、そのスペースが使えず、相手の守備を崩せない時間帯が長く続いた

前半終了間際に北九州のGK田中選手がボールを奪取した藤本選手をペナルティエリアの外で倒してしまい、一発レッドカードとなり、鹿児島が有利な状況になりました。正直このプレーはレッドカードでなくてもというのが感想です。藤本選手がボールを持ちだしたのはゴール方向に向かってはいませんでした。もしGKがファウルしなくても、決定的な場面になったかどうかは不明です。かなりゴールからは遠い距離でしたし、角度的にも狙うのは厳しい場所でした。

前半44分の藤本選手が倒されてレッドカードが出た場面。ゴールからは離れているし、藤本選手のタッチもゴール方向には向かっていません。また決めるのは難しい角度でした。CBも戻ろうとしていますしDOGSOだったかどうかは微妙だと思います

ただ一人多い状況にも関わらず、鹿児島は後半3分に先制されてしまいます。
相手がひとり少ない場合、やってはいけないことがあります。
それが自陣ゴール近くでFK(やCK)を与えないです。

前半20分の鹿児島のビルドアップ。端戸仁選手が木村選手にパスするも少しパスがずれて、ボールを奪われシュートされるが、コースが甘くこのシュートは松山選手がキャッチ。この時、端戸仁選手の裏には大きなスペースがあったので、ターンできればボールは前進できた

FKだと、北九州は数的不利が関係ありませんし、鹿児島が数的有利な状況を活かすこともできません。
だから自陣ゴール近くでファウルするのは、極力避けなければなりません。
しかしこの試合でも不用意なファールを何回もして、自陣ゴール近くでFKを与えてしまいピンチを招いてしまいます。

前半42分の北九州の攻撃。米澤選手がボールホルダーに寄せていたので、五領選手は青点線丸の位置で抜かれた際のカバーをする必要があった。しかし米澤選手と同じように動いたので、逆を突かれて突破されてシュートされる。このシュートも枠を外れるが決定的な場面だった

一人多い鹿児島は、とにかくボールを素早く動かし、相手を動かしてボールを運びたいところです。
そして相手DFライン裏(特にWB裏)を取りたいですし、PA内に侵入したい。ペナルティエリア内に入れば相手はハードに当たってくるのが難しくなります。裏をとればマークとボールを同時に見ることが難しくなります。

ただ鹿児島はボールは持てるのですが、相手ペナルティエリアになかなか侵入できないですし、裏のスペースをつく回数も多くはなかったです。

後半48分、北九州が先制する場面。ニアの北九州の選手が前に移動するので、鹿児島の選手がマークするために前に移動する。するとその後ろに小さなスペースができる。
その空いた小さなスペースに乾選手が端戸仁選手の後ろから走り込み先に触ってゴール。北九州のセットプレーはよく考えられており、鹿児島のゴールを何回も脅かしていた
その先制点の場面。ネットで見づらいのだが、乾選手がヘディングした瞬間、松山選手の両足が浮いているのがわかる。当然だが足が浮いていると左右に動くことはできない。このシーンでも左に動くことができず、手は出すもわずかに届かず失点してしまう

ミドルシュートをもっと打てという意見もあるようですが、実際何回かミドルシュートを打ちましたが、ほとんど跳ね返されています。北九州は引き分けでいいと割り切り、ゴール前に人を多く配置し、守ることを考えていました。こうなると攻撃する方もなかなか厳しくなります。

また単純なクロスも数的有利を活かせないですし、北九州はゴール前を人数掛けていましたから、決まる可能性は低かったです。

ただ最初から横を向いてパスしていたら怖くないですし、サイドでフリーでボールを持てません。何回か両サイドで1対1になる局面があり、圓道と武選手が前を持ってボールを持つと、北九州には脅威になっていたと思います。

後半54分のシーン。山口選手がこぼれ球を拾いスペースにドリブルで進入している。そのため北九州の選手が4人がボールに向けて動いている。そのため中央に大きなスペースができて端戸仁選手がフリーになっている。残念ながら端戸仁選手へパスを出そうとするが、相手に当たり最後は藤本選手が振り向きざまシュートする。スペースにドリブルで侵入できる山口選手の素晴らしいプレー

試合を振り返って
プレー内容が変わらなければ、当たり前ですが結果は変わりません
結果変えたいなら、プレーの内容を変える必要があります。
今までのサッカーで勝てていないのだから、サッカーを変える必要があります。

もちろん今までのベースの部分は変えようがありません。
夏の移籍期間で新しい選手が入ってきていないですし、監督が変わってわずか数日ですから、変える時間もないですし、内部昇格だから大きく変えようがないという身も蓋もない話なんですが。

でも守備の部分は変更して強化する必要があります。この試合は1失点でしたが、(一人多いにも関わらず)ピンチも多く2失点していてもおかしくはありませんでした。この試合では鹿児島がボールを持つ時間が長かったので、顕在化しなかっただけです。

この試合でも決定的な場面は北九州の方が多かったと思います。引き分けたのは相手が一人少ないのと、決定的なシュートを外してくれたからです。

後半59分の鹿児島が同点にする場面。ミケル・アグ選手がヘディングでゴール正面にクリア。この時、星と野嶽選手がペナルティエリア中央にポジションとっている。このポジションだとこぼれ球をシュートできるし(野嶽選手の見事な同点ゴール)、相手ボールになってもすぐに寄せてカウンターを防げる。ただ正直、ミケル・アグ選手は余裕もあったので、サイドにクリアすべきだった。鹿児島には幸運な得点だった

鹿児島も試合開始直後は、相手DFラインの裏にパスを出していて変わったの感じたのですが、時間が過ぎるにつれ、それもなくなり先週までとあまり変わらないサッカーでした。

変わったのはGKからショートパスをつないでビルドアップ。大嶽監督でもトライしていましたが、1年半の間で形にはならず、それをいきなり復活させてもうまくはいきません。

逆にビルドアップからのボールロストから北九州にカウンターを許す始末で、そこから決定的なピンチを招いてしまいます。
今回、引き分けだったのは鹿児島がよくなったというより北九州がシュートを外してくれたからで、決してポジティブになれない引き分けでした。

確かに試合後に大島監督のいうとおり、サッカーは複雑なスポーツです
簡単に修正できないのも事実です。
でもそれを言ったところでサッカーは簡単にならないですよね。

サッカーを簡単にはできないけど、シンプルにすることはできると思うんです。それをするのが指導者。
悩める選手がサッカーをシンプルに理解することを助けるのが指導者の仕事ですよね。

後半90分の圓道選手の素晴らしいシュートの場面。だが北九州のGK加藤選手が見事なステップからセーブする。こういうビッグセーブがでるかでないかで試合の結果は大きく左右されるので、GKの価値はもっと認められるべきだと思う

時間が足りないのであれば、優先順位を決めて、優先順位の高いものからトレーニングするしかないわけです。この試合で一番変化があったと思われるのは、ビルドアップの部分です。GKから始める場合、ロングボールを蹴らずにショートパスをつないでボールを前進させようとしていました。

ということは火曜日から木曜日の3日間(金曜日は試合前日なので強度の高い練習はできないので)でなんの練習をしたかというと、想像ですがビルドアップの練習を中心でやったのではないでしょうか。それでそのビルドアップの出来はどうだったかというと、お世辞にもよかったとはいえないと思います。

それどころかビルドアップから北九州にボールを奪われて決定的な場面を作られていました。この1ヶ月間平均失点2のチームで最初に練習するのが、ビルドアップなのでしょうか。素人が考えても優先順位が一番高いのは守備の部分だと思います。

中盤のサイドにスペースがあるのでサイドにSBを置き、WGの選手と数的有利な状況を作り、空いた相手WB裏のスペースに走り込み、相手DFラインとGK間か、相手DFラインが下がっていれば、その後ろに走り込む山口選手や野嶽選手にマイナスのパスを出したい

この試合は北九州が5バックだったのと、後半は10人でプレーしたので、鹿児島がボールを持つ時間が長く守備面の問題は表面化しませんでした。ただ10人の相手に対してチャンスを作られており、決して万全な状況ではありませんでした。

こういう状況でサッカーは難しい、時間が足りないと言われても、完全に同意はできません。

そして今週末はホームで岐阜と戦います。
引き分けたものの1か月勝利から遠ざかっている鹿児島。
岐阜は攻撃的で、しかもひとりで局面を変えることのできるクオリティの高い選手もいます。
鹿児島の守備を試すには願ってもない対戦相手となります。

試合結果に関わらず、翌週には次の試合が迫ってきます。
修正するポイントを絞って、短期間なので完璧を目指さず、しかし少しでも成長したプレーを見せて欲しいと思います。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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