見出し画像

失意の三連敗 第23節 鹿児島対松本山雅

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。またもや連敗して直近5試合で1勝4敗と苦しむ鹿児島。巻き返しを狙った松本山雅戦を振り返ります。

https://youtu.be/E8w-msmALYc

苦戦の続く鹿児島はスタメンを変えてきました。直近のリーグ戦からのスタメンから星、木村選手が外れ、野嶽、千布選手が入ります。満を持して千布選手がシーズン初先発となります。

鹿児島対松本山雅 スターティングメンバー

▽松本山雅の狙い
松本は試合開始直後からロングボール蹴ってきて鹿児島の前プレスを回避してきました。これは前半、何回も繰り返されていたので、明らかにチームとして狙いを持って攻撃していました。

前半4分の山雅の菊井選手から素晴らしいスルーパスが出る場面。薩川選手(赤点線丸)の体の向きが反対になっていて菊井選手を見られていない。このときは薩川選手がダッシュしてスライディングタックルをして難を逃れた


2CBプラスSBのどちらか一人が幅をとり低い位置をとるビルドアップ。SBを一人残すことでカウンター対策も兼ねられます。そして逆サイドのSBを上げておいて、そこにサイドチェンジのパスを出し、一気に前進。前半12分の失点もそのパターンでやられました。実はこの少し前にも同様のプレーがあったので、これは山雅のチーム戦術として組み込まれていたと思います。

前半12分の山雅の先制点の場面。プレスが掛からず大きくサイドチェンジされる。山雅の前線の選手二人は裏のスペースを狙って鹿児島のDFラインを下げようとしている。
薩川選手のサイドチェンジされたときの寄せが遅く、藤谷選手に寄せ切れていない。あと1m近ければまた違う展開もあった
最後鹿児島の選手が4人詰めるが、寄せきれずにゴールとなる。このときも松山選手のポジションがニアポストに近いように見える。シュートもサイドネットでなかったので、ポジションを修正できていれば、少なくとも触れたのではないかと思います

松本山雅は先週の富山戦も自陣のビルドアップでボールを奪取されて、そこから決勝点を許していたし、当然鹿児島も同様のプレーを再現しようとしたと思うのですが、残念ながらそこの部分は松本山雅の方が一枚上手でしたね。

山雅は最終ラインでワンタッチ、ツータッチで鹿児島のプレスをかわしていましたし、鹿児島がボールサイドに圧縮するのわかっていて、サイドチェンジを有効活用していました。

前半17分の山雅のカウンターの場面。このとき岡本選手はサイドに誘導してシュートブロック。素晴らしい判断でした。ただ気になるのは山雅の選手は4人もいるのに、鹿児島の選手がほとんど戻ってきていないことです。この試合、このような場面が多発していました。個人の問題なのか、コンディショニングの問題なのか

山雅は小松蓮選手や菊井選手などいい選手が多いのですが、この日一番目についたのは、安永選手でした。ボランチとして低い位置でビルドアップに絡み、当然鹿児島もそこにプレスを掛けてボールを奪取狙いますが、この安永選手はプレス掛けてもボールとられず、前向けるんですよね。なのでなかなか鹿児島のプレスを掛かりませんでした。

前半20分の山雅の攻撃の場面。右SBの野嶽選手のポジションが中途半端で裏のスペースを使われる。ただこれは守備の時に前からプレスを掛けに行くが、ほとんど掛からずにできてしまったスペースを利用されているので、彼の責任ではなくチームの守備戦術の問題。

また松本は全体的に寄せのスピード速く、鹿児島に自由にプレーさせていませんでした。それが最後の最後にゴール前で、鹿児島のシュートが決まらないとこにつながってきます。

カウンターの時も鹿児島の選手より松本山雅の選手が戻りが早かったし、山雅のカウンターの時も鹿児島の戻りは遅かったです。比較的に暑くない松本から来ている松本山雅の選手より、地元の鹿児島の方が走れていないというのは、個人の問題ではなく、コンディショニングの問題があるかもしれません。

鹿児島の35分の攻撃の場面。米澤選手がゴールに向かってドリブルしているので、山雅の選手が引きつけられて、パスをされたときに薩川選手への寄せが遅くなり、薩川選手がセンタリングできた
端戸仁選手がゴールまでマークを外してフリーになっている。ただ惜しくも彼のヘディングシュートは枠を外れるが、完全に崩したシーンでした

▽鹿児島の課題
鹿児島は相変わらず守備面に課題あります。
過去6試合でも12失点。一試合平均2失点していたらサッカーでは勝つのはかなり難しいです。

この試合もDFは裏のスペースをつかれていたのでラインを下げているのに、前線の選手は前からプレスに行っている。でも山雅はそのプレスをかわしてボールを前進させます。

前半アディショナルタイム48分の場面。五領選手と端戸仁選手のコンビネーションからポケットを使いセンタリングする端戸仁選手。鈴木選手がうまくマークを外していて、後ろから米澤選手が走り込んでいる。鈴木選手にはわずかに合わず、米澤選手もボレーシュート決めきれなかった

そうなると前線とDFライン間の距離が広がるので、中盤に広大なスペースがあり、そこを菊井選手やボランチの選手にうまく使われていました。これは監督が前から行くか、ミドルブロック作るか指示する必要があると思います。そしてこの日は明らかにミドルブロックを作った方がよかったと思います。

鹿児島も後半の入りは守備強度高くできていたのですが、後半10分に五領選手がPA内で山雅の選手を倒してしまいPKを与え、それを小松蓮選手が決めて2点リードとなります。

後半53分の五領選手がファールをしてPKを与えるシーン。このとき、股抜きされたので慌てて追いかけたのだと思うが、角度もあまりないこと、PA内だったことを考えるとここまで激しく行く必要はなかったと思います。ただ松山選手が角度のないところから、何回もシュートを決められているのも事実ですけどね

鹿児島も左サイドへのサイドチェンジから何回もチャンスを作りましたが、松本の寄せや戻りが早く、最後のところで決めることができませんでした。鹿児島はサイドチェンジを有効に使っていたので、これはチームとして狙っていた形だったと思います。

バックパスが批判されることもありますが、何でもかんでも前にパスすれば、ボールロストする機会も増えるので、無条件にパスすればいいわけではありません。実際、松本も前へのプレス早かったのでバックパスが必要な場面もありました。

後半72分、鹿児島が前プレスからボールを奪取した場面。このときも山雅の選手が猛烈にダッシュして戻ってきてシュートブロックしている。鹿児島にはあまり見られないシーン。

バックパスは目立つので批判されやすいですが、先ほども述べたように鹿児島の問題点は守備にあります。

先制点の場面だけでないのですが、サイドチェンジされた時の寄せが遅く、フリーでプレーさせていました。これは寄せきれない個人の問題だけでなく、それを練習中に求めない監督の責任でもあります。練習中に求めないことは、試合では現象として出てくないですからね。

後半の途中から有田、藤本選手を投入しますが、鈴木選手も残したのでFWが三人プラス高さのあるロメロ・フランク選手もいたので、鹿児島の中央は人が多くて交通渋滞を起こしていました。

また交代選手を入れてから、鈴木選手を右サイドに押し出しましたが、鈴木選手は中央にいて活きる選手なので、ここじゃないよね感が半端なくありました。これなら鈴木選手を代えて、圓道選手を右に薩川選手をを左の高い位置に置いておいた方がよかったと思います。

またゴール前に高い選手を置いても、単純なクロスだと簡単に跳ね返されるので、左右にドリブルで突破できる選手がいれば、山雅の脅威になったと思います。

後半81分の山雅の攻撃の場面。山雅の選手がシュートモーションに入っているが、鹿児島の選手の寄せがあまくフリーでシュートを打たせている。ただこのとき戸根選手は自分のマークを捨てて、向かっているので悪くはない。

満を持して登場した千布選手でした。強度の高いハードなタックルをする場面や相手DFライン裏へのパスを狙うなど、いいプレーを沢山見せてくれました。ただ何回かボールロストする場面もあったので、そこは改善点ですね。これまでの途中交代では見られなかった、彼らしいプレーが見られたので、今後に期待したいです。

この試合も最終的には2−0でしたが勝敗に関していえば、紙一重だったと思います。だからこそ、あと一歩をどうして縮めるかを考えなければなりませんと書いていたら、なんと大嶽監督の辞任が発表されました。大嶽監督のことを書いているとまた長くなるので、それはまたの機会にしましょう。

そして今週末はアウェイで北九州と戦います。
最下位に落ちた北九州は死に物狂いで鹿児島に向かってくると思います。
鹿児島も4連敗だけは避けなければなりません。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

ヘッダー画像提供:@yuki_ringo_blue


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?