見出し画像

勇気ある勝利 第20節 鹿児島対富山

児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは仙太郎です。連敗で迎えた、ホーム白波スタジアムで開催された2位富山とのゲームを振り返ります。

https://youtu.be/peHWCNDoPE8

直近のリーグ戦からのスタメン変更は1人中原選手が外れ、野嶽選手が先発しました。

鹿児島対富山 先発メンバー

試合は開始4分に富山が先制し、富山が勢いづきますが、鹿児島も安定したビルドアップから反撃を開始します。

前半4分の富山の先制シーン。野嶽選手が後ろからプレスを掛けられてボールを失い、そこから縦に速いパスが入り、裏のスペースに完全に抜けられてゴールされる。ただ広瀬選手と岡本選手の間は狭く、ここに正確にパスを出せるのは見事な技術です
大野選手と1対1になる松山選手。大野選手がボールに触る前に倒れてしまい、逆にシュートを打たれて失点。できればもう少し後ろでポジションして、大野選手がシュートを打つまで待っていれば、ゴールを防げたかもしれない

木村選手下がると、野嶽選手がツートップの後ろにポジションして引き付けて、ツートップの横にスペース作ります。そのため岡本選手がドリブルでボールを持ち上がるシーンが度々見られました

木村選手が下がってこないときには、野嶽選手が下がってきます。しかもCBの間に降りたり、CBのサイドに降りたりして、富山のプレスを無力化できていました。

そして前半18分に、早くも同点ゴールが生まれます。
これも富山が前プレスに来たところを、野嶽選手から薩川選手へ縦パスが通り、薩川選手へ富山のSBが素早くプレスを掛けに来たのですが、それをツータッチで降りてきた端戸仁選手にパスして、前プレスでできた裏のスペースへターンして走り出します。

このあとの藤本選手のゴールシーンは別途、説明したいと思います。
このような動きができれば、藤本選手は後半戦だけでも10点以上は取れると思います。

前半18分の鹿児島の同点ゴールの起点となるプレー。下がってボールを受けに来た薩川選手に富山のSBの選手が前プレスを掛けてくる。端戸仁選手がパスコースを作るために降りてくる。富山のサイドハーフの選手も厳しく前プレスを掛けてくる。なので端戸仁選手はワンタッチで薩川選手にパスし、富山の前プレスを無効化した
端戸仁選手のパスを受けて独走する薩川選手。富山の選手も全力で追いかけるが、薩川選手に追いつけない。中にいる藤本選手がこのあと富山のSBの裏に逃げてマークを外す(赤点線矢印)。今までなら黄色点線矢印のようにまっすぐ走ってマークが外せてなかったが、この日は動きが違った
薩川選手からのセンタリングも素晴らしく、急激に曲がりながら落ちてきたので、富山GKの田川選手が前に出ようとしたのですが、予測を誤りこのあと後ろに下がり、準備できてないとこに藤本選手がヘディングゴールを決めた
前半10分の藤本選手のシュートの場面。このときもSBとCBの間にポジションして、マークを外せている

前線の選手のポジショニングを整理されていて、ポジショニングが被ることも少なくなっていました。

野嶽選手がいかにパスを受けていたか、よくわかるグラフ。今日の試合のキーマンのひとりでした

この試合、久しぶりにボランチで先発した野嶽選手でしたが、ボール近辺に顔を出し、パスコース作り、パスを受けていました。
またドリブルで前進したり、前のスペースに飛び出していったり、今までにない鹿児島にダイナミックなプレーを追加してくれました。この調子だと次の試合も先発かなと思わせる素晴らしいプレーでした。

後半55分の端戸仁選手の決勝ゴールの場面。藤本選手がボール奪い、端戸仁選手がドリブルでボールを持ち上がる。藤本選手が右サイドの裏のスペースを狙い、相手のDFを引き付ける。普通なら左サイドに福田選手がいて、スペースがあるので、こちらへパスすることが多いが、ここでは思い切ってシュートを打って決めた。富山のDFのポジショニング自体は間違っていないので、端戸仁選手のゴラッソでした

先週、プレー強度が低い、守備の強度が低いと指摘しましたが、この日の鹿児島の守備の強度はとても高く、富山にサッカーをさせていませんでした。

正直、たった一週間でこんなに変わるとは思わなかったです。
0から100とは言わないけど、守備の強度が高くなり、富山はいい攻撃できませんでした。失点した場面以外では、単純なクロスとか攻撃が単調で脅威は少なかったです。失点の場面はファールぽかったし、奪ってからの富山の早い攻撃が素晴らしかったと思います。

後半59分の富山のチャンス。大野選手が裏のスペースに抜け出して、ヘディングシュートするも、松山選手がセーブして事なきをえる。このときも大野選手はCBとSBの位置にポジショニングしてマークを外している

鹿児島の2点目も3点目も相手陣内でボールを奪取して、そこからショートカウンターでした。こういうプレーができれば鹿児島は勝つことができます。

そして後半、運動量が落ちるかと思いましたが、落ちることなく、最後まで富山にプレッシャーを掛け続けることができていました。暑くて、コンディション的にはかなり厳しい条件でしたが、最後の最後まで高い守備強度を保てていました。

後半87分 鹿児島の三点目の場面。渡邉選手がボールを奪取してそのままセンタリング。ファーにいる鈴木選手がマークを外し、フリーになっている

正直言うと、こういうプレーが見たかった。
これだけひたむきなプレーが見られれば、結果的に勝っても、負けても満足です。この試合も後半の入りから素晴らしかったので、もう引き分けでも満足くらいの気持ちでした。

2年目を取った端戸仁選手のコメントが秀逸だったので、ご紹介します。
「昇格を目指す上で連敗をしてはいけない中でこんなにサポーターが来てくれたので、自分ももう後がない気持ちでやりました。大袈裟に言うと今シーズンがかかっているくらいの気持ちでした」

「そのプレッシャーに打ち勝てたことはチームの自信になります。
しかし終わったことなので次の試合が大事なので良い準備をしたいです」

「まだ昇格云々ではなく目の前の一試合一試合を闘った上で終盤戦にどこにいるかが大事です。とにかく目の前の試合もですし、日々の練習も全力でやって、一つの試合の勝ちに向かっていきたいです」

私も同じことを考えていて、この富山戦に緩い守備で負けるようなことがあれば、鹿児島は優勝はおろか昇格も難しいだろうと思っていました。なぜならプレー強度を上げるには、そんな簡単なことではないからです。しかし鹿児島の選手たちは、たった1週間で課題を克服し見事なプレーを見せてくれました

ただこのあとの問題はこのプレーを続けていくこと。鹿児島に強い守備強度で完勝した沼津も、いつも同じようにプレーができるわけもなく、鹿児島戦のあと負けています。
もしこのプレーが続けていければ、鹿児島は優勝できると思います
それくらい素晴らしいプレーだったし、素晴らしいゲームでした

試合を見返しましたが、戦っている選手を見ると感動に近い気持ちです。

90分出た選手の顔は疲労困憊でしたけど
この試合が続けられれば、鹿児島は優勝できると思います。

そして今週末はお隣宮崎県で2位の宮崎との試合になります
2位の富山に勝ったとは言え、まだ勝ち点差はまだ開いています。
この日のような素晴らしいプレーを見せてほしいですね。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?