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映画やドラマ 少し音楽

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素敵な作品たちと出会ってきた。そんな作品たちとの問わず語り。
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#映画の感想

YEN-TOWN

1996年の公開だから、もう軽く四半世紀も前の映画になる。いわずもがなの岩井ワールド。岩井俊二監督の「スワロウテイル」。 バブルはとっくにはじけていて「空白の90年代」のまっただ中(その後、「空白の30年」になると思っていた人はいなかったろうけれど)、すでに「円」という通貨にかつてほどの迫力がなかった時代。だから「円」の強さに、内外から人々が引き寄せられてくるという設定に、ちょっと違和感があったんだけれど、岩井監督が言いたかったことは、そんなことじゃなかったんだと思っている

梁英姫 監督の

以下は2015年に、当時運営していたブログに書いたもの。 梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督の「ディア・ピョンヤン」はドキュメンタリー映画。2006年の8月に公開された作品で、DVDが発売されたのは、翌年のことだった。 この映画は、梁監督のお父様、お母様、そしてご家族の日常を追った物語。ただ、お父様もお母様も朝鮮総連の幹部、梁監督のお兄様3人は、すべて帰国事業で帰国。今はピョンヤンで暮らしている。 お父様とお母様は敬愛する将軍様に忠誠を誓いつつ、ご本人たちはつましい生活を送りなが

Map of The Human Heart 「心の地図」

あまりにも美しくて だからこそ哀しい哀しい戦争映画だ。 1931年、結核に冒されたイヌイットの少年アヴィックは探検家に助けられカナダの療養所へ入る。そこでアヴィックはアメリカ先住民族と白人の混血少女アルベルティンと出会う。似た者同士だった二人は友情を超え深い信頼関係で結ばれるけれど、やがて離れ離れに。それから10年、UK空軍のパイロットとなったアヴィックと美しく成長したアルベルティンはロンドンで再会。でも、戦争が、北極圏、モントリオール、ロンドンと二人に数奇な運命をしいてい