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Webデザイナーからエンジニアに転向した感想

WebデザイナーからWebエンジニアに転向して既に8年が経過していました。キャリアチェンジという言葉で表すと一気に精神的な敷居が高くなるものでも、転向当時の僕は若く、イケイケで愚かだったので、こっちもイケるっしょぐらいのノリで転向しました。年齢を重ねて知見を積むと何かと慎重になるので、何かを始める際に行き当たりバッタリ的な思い切りの良さというのは大切だなと思うし、そーいう意味では良いタイミングだった。

Webデザイナー5年、エンジニア8年と、そろそろ語るに足るぐらいにはなったと思うので、今回はWebデザイナーからエンジニアになって良かった点と、これは今までより悪くなったな~と思う点を書き殴ります。

Webデザイナーからエンジニアというのは、元々昔から担当領域も曖昧(JavaScriptとか)で親和性も高いので、キャリアパスとしてはあり得る話だと思っています。職場のデザイナーさんからも「エンジニア領域に手を出したいんだけどな~」という話はしょっちゅう耳にします。ですが、実際に転向したキャリアパスをお持ちの方には会った事がないのも事実です。

僕の場合は25歳の時にエンジニアに転向しました(してました)。その時は、ある日突然思い立って転向したわけではなく、元々の開発ベンダーとの折衝を僕がメインで担当していて、システムとの繋ぎ混みや改修を行っている内に、相互の領域で会社から求められるウエイトが逆転しただけなので、特に大きな苦労もなく、知らない間にWebエンジニアになっていました。

今回の記事では、どちらという二者択一の視点だけでなく、キャリアチェンジをして両方の視点を得た事で、良くなったこと・悪くなったことも併せて書いております。

今回はそんな一歩踏み出すのに躊躇している方のご参考になれば嬉しいです。それではいきます

エンジニアになって良くなったこと

1.解がハッキリした仕事になった
僕がWebデザイナー領域の仕事をキッパリ辞めた理由の一番がこれです。解が明確でないので、成果物をどこで切り上げるかのタイミングを逃して迷走してしまう事が多々ありました。デザイナーさんしかり、ライターさんしかり、解の曖昧な仕事に向き合っておられる方は本当にすごいなと思います。僕は逃げてしまいました。5年もやっていても、この落としどころの頃合を見つけるスキルは醸成されませんでした。

そして次のステップで、デザイン承認をされるステークホルダーの方に振り回される事もあるあるです。「なんか違うんだよね」という鶴の一声で全部引っ繰り返されます。良好な関係を築けてればそれはこーいう理由でこうしています、とプッシュできますが、立場上そうもいかない場合もある。ターゲットとなるユーザーへの訴求ではなく、ステークホルダーへの訴求を目指さなければいけないところも曖昧だなと感じる部分です。

一転、エンジニアは仕様通りに動くか動かないかの二択しかありませんので解が明確です。

2.年収が増えた
日本っていうのは嘘みたいなデザイナー軽視大国です。僕自身はデザイナーが果たす役割は極めて大きいと考えていますが、その効果を数値化して見せるのが中々難しいのも事実。職種別の平均年収でも、日本ではだいたいどのデータでもエンジニアとの開きがあります。

ガラケー時代、iPhoneよりも断然多機能で、数字プッシュで文字だけが並んだメニューを遷移する事も出来て、マニュアルは数百ページもあるガラケーはデザインパワーで一瞬で駆逐されてしまいました笑

3.ワンストップ開発で開発スピードが高速化した
※これは両方の視点を得た事で発生した副産物です

Web業界におられる方なら理解できると思いますが、通常一般的には縦割り分業で、それぞれ何度も何度も職能別の担当者とキャッチボールを繰り返しながら開発を進めていきます。

ですがその場合、全ての工程でキャッチボール間のアイドルタイム、習熟度の統一コスト、ミスコミュニケーション、システム背景を知らないデザイン実装、それに係る差し戻しが発生します。外部に開発を依頼していて各担当者間に物理的距離がある場合は、特にそれが顕著になります。

Webデザイナー→エンジニアのキャリアでは、上記工程を一人の人物が行うことでデメリットを吸収できるようになりました。じゃあ一切デザイナーがいらないんかいというとそうではなく、抑えるポイントはこっちで抑えておいて、システムの要所に絡まない部分を切り出してお願いしたりしています。現役本業でやられている方のスキルレベルを、僕が持ち合わせているわけもないので、あってもせいぜい50%ぐらいでしょうか。

Webデザイナーのタスク状況に左右されない、機能開発背景の習熟度を同一レベルに合わせる為に説明の場を設ける必要がない、開発する際にエンジニアに都合の良いマークアップが書ける、実現可能性が担保されている、差し戻しをする必要がない、など時短項目が多々あり、これが開発スピードの要員になっています。

4.プロジェクトでの見積もり精度が増した
※これは両方の視点を得た事で発生した副産物です

これはどちらかというとPMのスキルセットかもしれませんが、要件定義から運用まで含めた開発スケジュール見積もりをした際に、丁度その見積もり通りに進み、バッファだけが残るという事が多くなりました。

この理由は「木を見て森を見ず」の状態から「木も見えて、森も見える」状態に近づいた為、要件定義から運用まで全てのフローを一貫して想定でき、そこに不整合や抜け漏れが起こる余地が少なくなったからと思われます。

エンジニアになって悪くなったこと

・重責のある仕事が増えた
セブンペイ問題もありましたが、一つのバグ・設計ミスでグループ企業全体の信用を失う程の損失を叩き出せますし、その爆弾がいくつも潜んでいます。

実際、それなりにキャリアのあるエンジニアに話しを聞くと、みんな何かしら怒号飛び交う修羅場を経験されております笑。バグだったり、手動操作でのケアレスミスだったり、不注意での一瞬で地獄に突き落とされるリスクがあります。バグを出せば業務過失になったり、サーバー障害で緊急対応が必要であれば休日に対応しなければならなかったり。大規模サービスであればあるほど重責があります。ストレス抱えてしまって病気になっちゃう人多いのもわかりますね

一転、WEBデザイナーの仕事絡みで大問題になった話は、僕のキャリアでは見た事も、聞いたこともありません。あるとすれば、実装したJavaScriptが動作せずLPで集客失敗して広告費無駄にする、とかでしょうか笑

納品してしまえば、バグや障害にビクビクする事なく、憂いなく美味しくお酒が飲めるのは羨ましいと思うところです。

・バグの性質が悪い
Webデザイナー領域でもバグ的なものと向き合う機会はあると思います。ブラウザ毎の挙動が一部違ったり、意図した通りにcssが適用されなかったり、JavaScriptの挙動がおかしいなど。しかしエンジニア領域のバグで考慮しなければいけない範囲と深さはその比ではないです。前者の多くは狭く、浅い範囲の為、短い時間で解決する事が出来ますが、エンジニア領域では広く、深い範囲の為、解決に日を跨ぐ事もザラで、またその原因が自分ではなく、利用するライブラリやソフトのバグだったなんて事もままあります。

持論ですが、Webデザイナー領域からエンジニア領域に来る際に、ここと向き合っていけるかどうかは大きな適性だと思います。

・技術がすぐ陳腐化する為、より学習コストが高い
5年以上前、PHPの開発フレームワークの本命はこの3つの内のどれだ!?みたいな感じで「ZendFramework」「Symfony」「CakePHP」がシェア覇権を争っていました。この内のどれが覇権を握るのかというのが、この話題の中心にありました。結局、今では圏外から来た「Laravel」がゴボウ抜きで覇権を獲得し、その他はレガシーシステムの改修・移行にしか役に立たない知識に成り果てました。上記の話に限らず、無駄になった知識、また新しく習得しなければいけない知識というのは本当に多いです。

一転、語弊を招く言い方かもしれませんが、Webデザイナー領域では使用するスキルセットの流動性が少ないです。僕が現役時代だった10年前のデファクトスタンダードはHTML,css,JavaScriptとPhotoshop,Illustratorだったので、それは今でも全て現役です(Flashは消えたな。ActionScriptの時間返せ)

もちろんHTMGタグの種類が増えてたり、cssにflexboxやグリッドレイアウトが増えたり、gulp等のsassが登場してきたりしていますが、ベースは変わっていないです。そしてブラウザ毎の差分対応なども、現在は仕様が統一されつつあるので昔程苦労する事も少ない気がします。

・コミュニケーションを取る回数が減った
※これは両方の視点を得た事で発生した副産物です

分業の良いところというのは、頼り頼られの関係が必然的にコミュニケーションが多くなりチームとしての一体感が醸成される事かもしれません。
領域を跨げるようになった事で、自己解決する事が多くなり、コミュニケーションの回数が減る事はチームで活動するうえでは必ずしも良い事とは言えず、意識的にコミュニケーションの必要性があるかと感じます。

番外編

・付き合う人種も環境も男女比率も変わる
これは人それぞれ捉え方が違うと思ったので番外編です。デザイナーとエンジニアって、人種も、働く環境も、男女比率もまったく違うんです

まずデザイナーって私服はお洒落で、デスク周りは生理整頓されてセンスある小物が並んでて、社交的で、スラっとしたカッコイイ・カワイイ人実際多いんです。それで、職場環境もモダンな内装のオフィスだったり、Mac Pro使いこなしてデザインしてるみたいな。男女比率も女性が多かったりするぐらい。

一方エンジニアは、まずTシャツジーパンサンダル文化があるし、デスク周りにはお菓子配置してボリボリ食ってるし、内向的で、すごいイケてる人も見た事ないし笑、職場環境も中小だと雑居ビルの1室にタコ詰めとかありそうだし、男女比率も圧倒的な男社会だったりします(女性に適性がないとは思えないので、選択しない人が多いのかな?)

あくまで僕の経験に基づいているものなので、ファッションも職場もお洒落で、外交的な性格で、イケてるエンジニアが存在する都市伝説的な会社も実在するのかもしれませんけどね笑

最後に


人によって捉え方は様々だと思いますが、僕の場合は両方やってみた感想としてエンジニアの方が性に合ってると今改めて思います

今回はWEBデザイナー×エンジニアでしたが、他にも武道家×僧侶でパラディンになれましたみたいなキャリアパスがありましたらご紹介いただけると嬉しいです。