ひきこもり
今の時代、家族がひきこもりで困っている方は多いと思います。理由は様々だと思いますが、特に学校が苦手で不登校になる子は集団生活が苦手な可能性が高いです。引きこもりでなかった人からすると理解しがたいかもしれませんが、嫌な場所に毎日行かなければならないという状況は相当なストレスになります。
私自身は幼稚園がダメでした。常に廊下にいて教室に入ることができませんでした。先生もずっとは構ってはいられないわけで、放置されていることも多かったです。その間は多少安堵できていたのですが、最悪なのは休み時間。私サイズの人間(園児)がたくさん教室から出てくるのです。なので、私はすぐさま幼稚園の建物の裏に逃げ込んで隠れていました。建物と塀の距離は1mもなく、それ故に陽も当たらず、そこに生えたコケを棒で突いて休み時間が終わるのをじっと待っていました。
そんな性格の私は小学校に入っても変わらず、中学も高校でも辛い日々でした。中学の卒業式は皆が皆と記念撮影などをしている中、一目散に家に帰ったのを今でも覚えています。そして高校のときに何かの糸がプツンと切れて登校拒否に…。不良高校に入ってしまったためイジメや恐喝などもあり、それを母に告げたのですが、「行け」の一点張りでした。高校くらい出ないと生きていけないとか、高校で買った制服代などが無駄になるとか色々言われましたが、不良の中に我が子を追いやった行動は今でも理解できていません。挙句には歯を食いしばってヒステリーを起して泣きながら「行け!」と言われたこともあり、その当時はどうしていいか本当にわかりませんでした。恐らくは母は引きこもりの経験がなかったのでしょう。経験がないのだから知らなくても仕方ないと大人になってからそう思うようにしました。
本題ですが、家族がひきこもりで困っている人は、つらい経験をしてきたことを認めてあげてください。甘えているとか、好き勝手やっているとか負の感情もあるかもしれませんが、逃げたのは目の前に辛いことがあったからにほかなりません。学校すらままならないなら社会でも生きていけないと思うかもしれませんが、ずばりそれが答えなので、一人でも生きていけるようなスキル(技術)を身につけさせてあげればいいだけです。つまりは個人事業主です。
私の世界で言うならデザイナーなどです。会社勤めではなく、フリーランスになるなどです。無理矢理辛い世界に追いやるより、魂の性質に沿った生き方をサポートしてあげるほうが何よりも生産的です。私は中年になるまでずっと我慢して社会で生きてきましたが、心臓はもうボロボロです。職場では緊張状態が解けることはほとんどなかったです。そこまで無理して働いてきても、しゃべれないので役職はムリですし、賃金も安いです。賃金の安さは私の努力不足でもありますが、長年無理して働いてきて得られたものが何なのかいまいちわかりません。性格も大して変わりませんし、人とは相変わらず関わりたくないし、三つ子の魂百までということなのかなと思っています。
暴れたり暴言を吐かれたりすると、理解しがたい気持ちになるかもしれませんが、求めているのは家族の理解なのかなと想像します。家族が焦っていたりイライラしていたり不満を抱いていると当人にもそれは伝わりますし、それが逆効果になります。「私も我慢して働いている」などという感情もあるかもしれませんが、心が強くなる前に挫折する人もいます。我慢して働けている人は苦難に立ち向かって強い心を育んでこれたわけでそれは凄いことだと思います。でも、くどいですが心の度合いは人それぞれです。「そんなことで…」と思ってしまうところを踏みとどまって、まずは理解する意識を持っていただきたいです。
私の家庭は片親で貧乏だったため、ほとんどひきこもることができませんでしたが、上記は私が当時抱いていた感情です。母からは暴言、出してくれるご飯は度々異様な味がする、ほとんど縁のない別居の父からは脅しの言葉なども多数言われましたが、親戚のおばちゃんだけは「いつか出てこれるように信じてるからね」と泣きながら手を握ってくれました。扉ごしで少し開けて手だけ出してと言われ、強く握られた感触は今思い出しても泣いてしまいます。
どのみち、すぐに人が変わったように外に出て働くようにはできません。だから徐々に時間をかけて、少しでも理解できる部分をさがしてあげてください。でも、まだ、その理解が及ばない場合は、下手に言葉をかけないほうが良いかと思います。心と言葉はリンクしていますので。
皆が皆、同じ環境で同じものを欲しているわけではないと思いますが、あくまで一つの参考にして頂ければと思います。
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