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【SNS投稿和訳】ウクライナ軍元将校によるロシア軍ドネツィク州攻勢の分析
Why have Russian forces advanced in multiple directions and what are the implications? What are the future prospects? Today's analysis by Frontelligence Insight centers on Chasiv Yar, Kurakhkove, and Ocheretyne
— Tatarigami_UA (@Tatarigami_UA) April 27, 2024
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ウクライナ軍元将校で戦争・紛争分析チーム「フロンテリジェンス・インサイト」の設立者でもあるTatarigami氏(ハンドル名)が、ドネツィク州の複数個所で続くロシア軍攻撃作戦の分析を、Xに投稿しています(投稿時間2024年4月28日03:39)。この連続投稿を日本語に翻訳したものが本記事です。また、本記事中の画像は、Tatarigami氏のX投稿に添付されている画像を転載して使用しています。
日本語訳
前線分析:チャシウ・ヤール、クラホヴェ、アウジーウカ地区に関する概況
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なぜロシア軍は複数の方面で前進しつつあるのか? そして、そこから何が読み取れるのか? 今後の見通しはどのようなものになるのか? フロンテリジェンス・インサイトの本日の分析は、チャシウ・ヤール[Chasiv Yar]、クラホヴェ[Kurakhove]、オチェレティネ[Ocheretyne]に焦点を当てていく。
先に進む前に、タイムライン上で流れやすくするために、「いいね」と「リポスト」をお願いします。
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ウクライナ軍はオチェレティネとソロヴョヴェ[Solovyove]から撤退した。[ウクライナ軍]第115旅団が批判されているけれども、問題の中心は多くの旅団が敵を食い止められるような状態にないことにある。敵軍は、兵力・火砲・車両面で不釣り合いなほど大きな優位を保っており、それは前線への航空支援に関しても同様である。
私たちのチームが受け取っている報告には、情報通信・連携・指揮の不適切さが指摘されている。これらの問題は、組織的な課題の奥深くに根付いている。具体的には、兵員不足、すぐに上級の任務を引き受けることができる有能な将校を準備することに関する困難、そして、そのような将校に責任ある仕事を任せることに関する困難といったことだ。
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私たちの分析によると、ロシア軍はチャシウ・ヤールの迂回を試みつつ、同市への正面攻撃を行おうともしている模様だ。これはバフムート[Bakhmut]とアウジーウカ[Avdiivka]と同じ方法だ。この地域の増援として、ロシア軍部隊が追加投入されており、この増援部隊でチャシウ・ヤールの北側と南側の区画を奪取するつもりでいる可能性が高い。
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チャシウ・ヤールがロシア軍の手に落ちた場合、特に同市の南部区画が奪われてしまった場合、ロシア軍はコスチャンティニウカ[Kostiantynivka]に向かって進めるようになる。その結果、バフムートの南方に展開中の[ウクライナ軍]戦力の兵站が阻害されることになる。もしロシア軍がオチェレティネからこのウクライナ側補給路に向かって、同様の前進をするとしたら、状況はさらに悪化しかねない。
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ヴフレダル[Vuhledar]~ドネツィク市[Donetsk]地区におけるロシア軍の目的は、クラホヴェを孤立化させてしまうことにある。ここは兵站上の重要結節点だ。道路に対する火力制圧状況を確立することで、クラホヴェへの物流は断ち切られてしまうかもしれない。クラホヴェの喪失は、ヴフレダル地区に配置された[ウクライナ軍]部隊集団すべてを危機的状況に追い込むことになりうる。
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ロシア軍は野心的な作戦目標を達成するために、現在の[ウクライナ軍にとっての]好ましくない状況につけ込んでいこうとしている。どうしてウクライナはこのような状況下に陥ってしまったのだろうか? それには複数の要因が関係している。具体的には、人的動員努力の遅れ、西側からの支援の遅れ、不適切な防御陣地といったことである。
塹壕は良好な防御力を与えてくれるが、莫大な物量の爆薬投下と自爆型ドローンの投入があるため、待避壕や塹壕の上に適切な覆いを付けておくことが極めて重要で、それに加えてコンクリート製構造物やドローン阻止用ネットも極めて重要である。それにはリソースが必要となるが、そのリソースを兵力不足の旅団は有していない。
現実的にみて、ロシア軍は2024年中に上述の目標を達成できるだろうか? 軍事理論に従えば、防衛網に一旦、穴が開けられたら、機械化部隊はその開口部を利用して、「作戦行動地域[operational space]」のなかへと進むことができるようになる。なお、「作戦行動地域」とは、部隊が比較的自由に作戦機動できる地理上の地域のことだ。
全般的にみると、車両損失と問題の多い前線への兵站能力に足を引っ張られているため、ロシア軍が、開戦劈頭に遂行したような、ウクライナ領内奥深くへの作戦機動を遂行できる可能性は低い。このような部隊運用の代わりに、ロシア軍はウクライナ側戦力を包囲する試みに重点を置くことになる可能性が高い。
新たに砲弾や兵器が届き、新規に動員されて訓練を受けた徴集兵が到着することによって、前線の状況は安定化していくことが予想される。そうであるとはいえ、安定化がすぐさま生じることになる可能性は低い。なぜなら、新しい入隊者に武器を与え、訓練し、この者たちを戦えるようにしていくには時間がかかるからだ。
情勢を軽視すべきではない。というのも、ロシア軍は少なくとも2個軍団相当の予備戦力を、今でも有しているからだ。この予備戦力はハルキウ州やスームィ州も含む、どこかの地域に投入できるし、もし[ウクライナ側の]弱い地点が特定されたなら、その既存の攻勢軸に増援として投入することもできる。
今は、ロシアにとって最も好ましい状況である。この状況をうまく利用することに失敗するならば、それはドンバス全地域を奪取するという目標を、ロシアが見通し可能な将来のうちには達成できないことの兆候となるだろう。そうなるとロシアが自身の最終目標を再検討せざるを得なくなるという可能性が生じてくる。
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