【SNS英文投稿和訳】エミール・カステヘルミ氏:ウクライナ・ドネツィク州ヴフレダル情勢(日本時間2024.09.24 04:48投稿)
上記リンクから始めるX連続投稿は、ウクライナ領ドネツィク州ヴフレダル(Vuhledar)方面の戦況を簡潔に分析したものです。
投稿者のエミール・カステヘルミ氏はフィンランドの軍事史家・OSINTアナリストで、同国の戦況分析チーム「ブラック・バード・グループ」のメンバーでもあります。
カステヘルミ氏のこの連続投稿を日本語に翻訳したものが、以下に続く文章です。なお、翻訳記事中の画像は、カステヘルミ氏のX投稿に添付されているものを使用しています。また、[ ]内の記述は、訳者による補足になります。
日本語訳
9月の1カ月間で、ロシア軍はヴフレダル地区において大きな戦果をあげている。
以前は落ち着いた戦線だったここの情勢は急速に悪化しており、ロシア軍は主要補給道路から5km未満の位置にいる。
これまでの間、ヴフレダルは多くの攻撃をはねのけてきた。
ヴフレダルでの出来事のなかで最も有名なものの一つが、2023年初めのロシア軍冬季攻勢に対する防衛戦である。ロシア軍は大量の装甲車両の支援を付けて攻撃を仕掛けたが、極めて甚大な損害を被ったうえに、達成できたものはほとんどなかった。
そのような状況であったにもかかわらず、ヴフレダルの戦いはまもなく終わりを迎えることになるかもしれない。というのも、直近の進捗状況はウクライナ軍にとって、極めて懸念すべきものであるからだ。この町からの撤退をウクライナ軍に強いるためにロシア軍が占領しておく必要のある土地は多くない。
この地域の地形は平坦なもので、防御側の一助になりうる障害物として決定的な意味をもつ自然物は存在しない。そして、主要補給道路はFPV[一人称視点ドローン]の航続距離内にある。
反撃を行うことができれば、状況は救われるかもしれないが、それが行われる可能性は極めて低い。なぜなら、ウクライナ軍はすでに薄く引き伸ばされた状態で展開しているからだ。
ウクライナ軍が主要補給道路のすぐ近くにある陣地を、長期間にわたって保持してきたケースが以前にあった。しかし、私は現時点において、この種のシナリオが生じることに関して、あまり楽観的に考えていない。
私たち「ブラック・バード・グループ」は、今後も引き続き状況を追跡していきます。
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