【抄訳】ウクライナ・シンクタンク"防衛戦略センター(CDS)"報告書「ウクライナにおけるロシアの戦争 2024.09.23 作戦情勢」 - 総括(General Conclusion)
Russia's war on Ukraine. 23.09.24 Operational situation (CDS) ⬇️
以下は、ウクライナのシンクタンク「防衛戦略センター(CDS)」の9月23日付ウクライナ戦況報告書から、「総括(General Conclusion)」を日本語に翻訳したものです。なお、翻訳文中の[ ]内記述は、訳者による補足説明になります。
また、原文はテキストのみですので、内容理解に役立つようDEEP STATE制作地図の画像を添付しました。画像キャプション中のURLをクリック/タップすると地図ページにアクセスできます。
日本語訳:総括(General Conclusion)
ハルキウ方面において、敵軍[*注:ロシア軍のこと]は防衛態勢に移行しつつある。また、「シュトルムZ」部隊と、民間軍事会社ワグネルに以前属していた部隊のハルキウ方面への再配置を進めている。
ポクロウシク[Pokrovsk]方面とトレツィク[Toretsk]方面の情勢は、ウクライナ軍にとって、悪化の一途をたどっている。
敵軍の「中央」作戦集団は、「南部」作戦集団と合同で、ヒルニク[Hyrnyk]とクラヒウカ[Kurakhivka]という2つの村落を結ぶ線沿いのヴォウチャ[Vovcha]川橋頭堡[*注:ヒルニク~クラヒウカ線から東方向にある突出部のこと]からウクライナ軍を追い出す任務を完了しつつある。だが、[ウクライナ軍]「タウリヤ」OSG[作戦戦略部隊集団]は、ジェランネ・ドルヘ[Zhelanne Druhe]とゾリャネ[Zoryane]東部で防衛戦を続けている。しかし、ここでの防衛が長く続くことはないだろう。
クラスノホリウカ[Krasnohirivka]からホストレ[Hostre]に向かう敵軍の突破行動に、敵前衛部隊のオストリウシケ[Ostrivske]への接近、そして、ヒルニク~セリドヴェ[Selydove]間での突破が加わることで、セリドヴェから南東と南の方向に展開しているウクライナ軍の状況は、急速に悪化している。
ポクロウシク方面とトレツィク方面において、敵軍は戦力と物資の両面で、決定的なほどの優勢を達成しており、それによって、敵軍はオザリャニウカ[Ozaryanivka]~ネヴェリシケ[Nevelske]地域で当座の戦術的目標を達成できるようになっている。この地域の防衛を成功させるのに必要なマンパワーを、ウクライナ軍はもっていない。