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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 20.06.2024

UK DEFENCE INTELLIGENCE:
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 20 June 2024

日本語訳

  • 2024年6月に入って以降ずっと、ロシア空軍は戦術航空機を用いてウクライナの前線に対して圧迫を加え続けており、それと並行して、前線からかなり後方に位置するインフラや軍事関連目標に対する片道攻撃型ドローンによる攻撃も継続している。だが、6月12日から18日の間、ロシア軍長距離航空部隊は巡航ミサイルによる爆撃の重点を変更し、ウクライナ軍航空基地を攻撃目標にした。このような変更に至った原因が、ウクライナ側の航空攻撃の継続的な成功にあるのはほぼ間違いない。それと同時に、この目標変更が、F-16戦闘機の今後の配備に関するロシア側の懸念を浮き彫りにしている可能性も高い。

  • クリミアに存在するターゲットに対して調整して行ったウクライナ側の一連の攻撃は、ロシア軍のSA-20[*注:S-300]及びSA-21[*注:S-400]地対空ミサイル・システムの極めて重要な要素の破壊という結果をもたらした。ロシアが防空能力に自信をもち、これに多額の資金投入をしてきたにもかかわらず、これらの成功は、クリミアにおける防空アセットの防衛にロシアが苦戦している状況を際立たせている。ロシアがすみやかに防空兵器システムを埋め合わせられる可能性は高い。だが、継続的な消耗の結果、ロシアが範囲内の防空稠密度を維持したいと考えている場合、これまでそうしてきたように、ロシアは今後、ほかの地域にある装備を転用せざるを得なくなる可能性が高い。また、そうするかわりに、ロシアは能力低下を仕方なく受け入れる可能性がある。ただし、その場合、クリミアに展開するロシア軍戦力は、増大するリスクにさらされることになる。

  • ウクライナへの爆撃任務を行っているロシア軍航空基地に対するウクライナ軍の攻撃の成功、これはモズドクやアフトゥビンスク、もっと最近ではモロゾフスクのような航空基地への攻撃のことだが、このような攻撃の成功がさらに続けば、ロシアが前線から離れた拠点に航空機を分散配置するという方針を、これからも維持せざるを得なくなる可能性は極めて高い。このことによって出撃時間は増加し、その結果、機体と搭乗員の疲労が増していくのはほぼ間違いない。6月12日にロシア南部の北オセチア地方でSu-34「フルバック」戦闘爆撃機が1機、事故によって失われたが、この件が機体や搭乗員の疲労に関係している可能性がある。

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