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【SNS投稿和訳】ロシア軍ハルキウ州攻勢が浮き彫りにしたウクライナ側の問題(ウクライナ軍元将校Tatarigami氏)

この記事は上記リンクのX連続投稿(日本時間2024年5月14日03:29投稿)の日本語訳になります。投稿者のTatarigami氏(ハンドル名)はウクライナ軍の元将校で、ロシア・ウクライナ戦争の分析をSNS等で発表している方です。

なお、この翻訳記事中の画像は、すべてTatarigami氏のX投稿に添付されているものの転載になります。

日本語訳

5月10日に侵攻が始まったハルキウ州北部地域の情勢に関して、意見対立が存在している。論点の主なポイントの一つに、強化防御陣地が無かったという主張がある。それは事実なのか?

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ハルキウ州北部のこれら地域の多くが現在、ロシア支配化にあることを考えると、衛星画像を公開することに問題はない。衛星画像から、防御用と連絡用の塹壕がクラスネ[Krasne]周辺地区に存在していることが確認できる。これらの塹壕の一部はロシア軍が以前構築したもので、それ以外は2023年につくられたものだ。

これらの塹壕の配置が、ぱっと見て常識とは異なってみえるかもしれないというのは事実であるが、この地域の防衛計画を知らないままでコメントをするのは差し控えたい。塹壕というものは、さまざまな目的で役立つ。たとえば、注意の転導、連絡、防護といったことだ。

私のチームが塹壕と防御陣地の位置を記した上の地図で分かるように、クラスネ~フリボケ[Krasne-Hlyboke]地区には、塹壕や強化防御拠点が存在している。反対に、ヴォウチャンシク[Vovchansk]地区は、ここと比べると防御陣地化が相当に進んでいない模様だ。

これらの陣地の一部は放棄されており、その結果、ロシア軍はそこの占領ができた。この問題は防御陣地だけに関係するものではない。フリボケ付近の防御陣地化が進んだところでも、ヴォウチャンシク付近の防御陣地化があまり進んでいないところでも、同じような問題が生じている模様だ。

今回の攻撃は予想外のことではなかった。HUR(ウクライナ国防省情報総局)を代表するアンドリー・ユソウによると、敵軍の行動は、政府当局者・指導部・司令部にすでに伝えられていた既知の予定に従って始まったとのことだ。私のチームも同様に、国境沿いに敵部隊が分散配置されている情報を公開していた。

現状、情報が少ないことを考えると、決定的な結論を導き出すのは時期尚早といえる。だが、ウクライナ側の陣地放棄とグレーゾーンを越えた地点への敵の前進から、旅団指揮官と戦略レベルの司令部が、情報を得ていたにもかかわらず、脅威に対応できなかったことが分かる。

このことは組織的な問題の帰結であって、これは旅団の戦闘能力及び即応態勢に関する理解が不足していたことに由来する。そこに兵員訓練の問題が加わり、結果的に、必要なときにリソースを効率よく配置・分配することができないことにつながった。

火砲と砲弾に関して顕著だった西側からの支援の遅れが、実際のところ、この問題を悪くさせる要素になっている。とはいえ、遅延の問題は今回の件の中心的な要因ではなく、このことで西側を非難するのは非生産的である。

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