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【SNS投稿和訳】ロシア軍歩兵の防御戦術(@Tatarigami_UA氏)

上記のTwitter(X)投稿で、ウクライナ軍予備役将校の@Tatarigami_UA氏がロシア軍歩兵の防御戦術マニュアルの解説をしています。以下は、その投稿の日本語訳になります。


私が今日、示そうと思っているのは、占領下のドネツィク・ルハンシク州にいる[ロシア軍]将兵のなかで出回っているマニュアルだ。このマニュアルは実戦経験を重視したもので、兵員訓練に必要な基本事項の大部分が含まれている。今回は、防御網に関する章に注目していく。

このマニュアルは幅広いテーマを扱っており、そこに含まれる内容は、地雷原、歩兵向け火器訓練、火器のカスタマイズ、待ち伏せ攻撃、強襲戦術、啓開地及び建築物への攻撃、防御陣地の構築配置になる。

小隊規模の強化防御拠点に関する一般的な推奨:

強化防御拠点は、迫撃砲、対戦車ミサイル、重機関銃、擲弾銃のチームもしくは砲兵のような随伴部隊からの必要不可欠な火力支援に依存する。このような軍事リソースを防衛拠点領域内に直接配置するべきではない。

単一の塹壕と複数の掩蔽壕からなる従来からの火点配置は、敵の砲爆撃に継続的にさらされ、その結果、被害が生じる。敵側のドローン使用が多くなったことで、弾薬保管場所の分散が必要になっている。

弾薬保管にとって重要な点は、広範な防護を施し、第一線陣地から離しておくことにあり、主として、すでに述べた火力支援随伴部隊の拠点に置いておく。

強化防御拠点の種類:

  • “櫛”型(Grebyonka)。国防省推奨の古典的塹壕整備法と似ているが、個々の掩蔽壕は主塹壕線からかなり前方に配置され、一方で主塹壕線は敵に視認されないエリアに設置される点で異なる。この場合、各配置点に置かれた兵員は敵火力から迅速に逃れることができる。それは個々に設けられた主塹壕への連絡通路が存在するからだ。

強化防御拠点の派生型の一つ「扇型陣形」:

「扇型陣形」では、前方配置の歩兵用掩蔽壕に、弾薬保管場所や前線治療地点へ迅速に移動できる連絡通路が割り当てられており、すばやい弾薬供給と負傷者後送を確かなものにしている。

市街地での防衛に関する、このマニュアルが示す防御構築の推奨は以下:

  • 防御点は少数でより広い正面をカバーできる袋小路になった箇所に構築する。防御のために、高台にある建築物を選ぶ。

  • 地下連絡通路網は、欺瞞目的の小規模襲撃や高威力即席爆発装置の設置場所として用いられる可能性があることが分かっている。

  • 機関銃チームは建物内の奥に配置し、2〜4階を超える建物には配置しない。

  • 迫撃砲チームは屋上に配置するか、屋根を取り払った高い建築物の内部に配置する。

  • 防御システムは重層的に構築するべきだ。なぜなら、敵は攻撃開始前に、おそらく一層ずつ防御システムを破壊することになるからだ。

要点として、敵軍はこの戦争で生じ続ける難題に巧みな適応を示しているということに、注意しなければならない。その難題には、ドローンによる脅威、継続する砲爆撃といったものが含まれる。

さて、この章を取りあげてほしいという場合は、その扱ってほしいトピック名を自由に書いておいてください。最もリクエストの多いものを優先していくつもりでいます。また、“いいね”やシェア、フォローによるサポートもお忘れなく。

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