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【SNS投稿和訳】後退戦で守備側が抱える戦術上のリスク(@DefMon3氏)

以下のX投稿(日本時間2023.08.22, 05:21)は、多層構造化された防御網内で守備側が後退する際のリスクを@DefMon3氏が解説したものです。このスレッド投稿を日本語に訳していきます。なお、訳文中の[  ]内の記述は、訳者による補足説明になります。

日本語訳:

ロシア軍はスロヴィキン・ライン[*注:ロシア軍の主防衛線群のこと]へと押し戻されていく際に損害を被ることになるだろう。

防衛線が自軍に与える利点を生む要因が、悪い状況に置かれると、今度は自軍を苦しめることになる。

敵軍、守備軍等々の言葉を用いるが、この言葉はこのスレッド内でウクライナやロシアを特定する形で使っているのではない。

さて、防衛線の目的は敵軍の遅滞にあり、特定の地域に敵軍が進入しないように仕向ける、または、そこに入ってくるように仕向けることにある。その結果、敵軍への攻撃は容易になり、上手くいけば敵軍を食い止められる。

防衛線の前方で任務遂行中の自軍部隊への補給を行うために、[地雷等の障害のない]間隙を残しておく必要がある。そして、自軍防衛線内へと後退する際、守備側はこの間隙を地雷で埋めていこうとするだろう。

敵軍防衛線を突破した際に、どのような形で誘引されるのかを示した図が以下だ。赤色で示した場所は地雷原を表している。以下の図は当然ながら簡略化した図例だが、私の考えを理解してもらうには十分だろう。

進入部隊の誘引(青線)と守備側の対応(赤線)

守備側が自軍防衛陣地へと押し戻されていき、予備部隊を絞り出して投入せねばならない際に、問題が生じる。[地雷原の存在によって]守備側の機動能力は制約され、その移動経路は予測可能なものになる。そして、攻撃目標としてもっと容易なものになる。

守備側の動き(赤線)と予測される守備側移動経路と展開地点(緑色エリア)

守備側があらゆる面で不利な状況に置かれると指摘したいのではない。守備側は防衛線内に退くまでの間、防御線の存在からあまり利益を得ることができないということを、私はただ強調しておきたかったのだ。

そのことは、昨日の衛星画像で間違いなく確認できる。

ロボチネ周辺画像

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