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【SNS投稿和訳】ウクライナ戦況概要 2024.06.09(ウクライナ軍元将校Tatarigami氏)

以下は、上記リンク先から始まるX連続投稿の日本語訳である。また、投稿者のTatarigami氏[*注:ハンドル名]は、ウクライナ軍元将校で、ウクライナを拠点とする戦争分析チーム“Frontelligence Insight(フロンテリジェンス・インサイト)”の設立者でもある。

日本語訳

フロンテリジェンス・インサイトによる前線最新状況の概要。

ロシア側の主たる重点は依然としてドンバスにあり、特にポクロウシク〜チャシウ・ヤール[Pokrovsk-Chasiv Yar]軸沿いに重点が置かれている。ここは現在、最も厳しいエリアだ。ヴフレダル[Vuhledar]地区とクプヤンシク[Kupyansk]地区もまた重要な重点エリアである。

これまでロシア軍はハルキウ州侵攻をうまく活用できず、ドンバスでも作戦レベルの成功を何ら達成できていない。チャシウ・ヤールにおいてロシア軍は戦術レベルで前進できているが、この地区での部隊数と部隊の質が平均以上であることを考えると、進捗は遅いし、犠牲も多い。

私たちのチームが数カ月前に示したように、チャシウ・ヤールにおける目標は、あらゆる犠牲を払ってでもこの小都市を保持することにあるのではなく、敵に予定以上のリソースを確実に消費させることであって、その結果として、ここの占領を活用して、コスチャンティニウカ[Kostyantinivka]に向かって攻勢を展開していく敵の能力に、マイナスの影響を与えることにある。

スーミ州周辺とチェルニヒウ州周辺へのロシア軍部隊の到着と同軍の部隊ローテーションを私たちのチームは確認しているが、その部隊数は比較的少ない。ロシア軍が攻撃を始めたとしても、大きな結果を出すことはできず、同軍がハルキウ州で達成できたものよりもずっと少ない成果しか達成できない可能性が高いだろう。

ロシア軍の攻勢は失敗しているようにみえるかもしれないが、私たちのチームは、このような結論を下すのはまだ時期尚早であると考えている。戦車を含む車両、APC[*注:装甲兵員輸送車]、野砲が数百近くウクライナ領周辺に再配置されていることを、私たちは継続的に観測している。

これらの再配置の目的は不明であるけれども、明らかなことは、ロシア軍が依然として今夏に攻勢を遂行する能力を保持していることと、年内にチャンスが終わる前に、新たな大規模な一撃を行うことが可能であるということだ。

今後の展望はウクライナ側にとってますます楽観的になっているとはいうものの、忘れてはならないのは、10月攻勢の最初の一週間で数百両の車両を損失したことも含めて、ロシア軍がアウジーウカ[Avdiivka]周辺で甚大な損失を被ったにもかかわらず、アウジーウカは最終的に陥落したということだ。

ウクライナ軍前線が崩壊してしまうリスクはかなり低いとはいえ、今でもロシア軍は予備戦力を保有しており、同軍は、攻勢の勢いが無くなる前に、少なくとも一回は大規模な進撃を行う能力を有しているのだ。

完全な分析は、後日になるが、今週中にウェブサイトで発表する予定だ。ところで、この連続投稿の一番目の投稿に“いいね”をしたり、リポストをしたりしていただけると幸いだ。

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