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【SNS投稿和訳】長距離兵器がロシア軍に及ぼす影響(@Tatarigami_UA氏)

以下は、ウクライナ軍予備役将校@Tatarigami_UA氏のX(Twitter)への投稿(日本時間2023年8月13日04:43)を日本語に翻訳したものになります。


我々の部隊[=ウクライナ軍]がヘルソンを解放し、ドニプロ川へと前進した際、ロシア軍は装備、ヘリコプター、指揮統制施設をHIMARSの射程範囲外に分散移転した。なぜこのことが重要なのか? この状況から何が学べるのか?

それを示す例として、以下の編集した衛星画像が、ヘニチェシクの南に新基地が構築されたことを明らかにしている。ここの建設は11月頃に始まったのだが、それは我々の軍によるヘルソン解放とロシア軍のチャプリンカからの離脱の時期と一致している。

ロシア軍の決定は正しかった。なぜなら、我々の軍がヘルソンを確保した直後、チャプリンカは数回、攻撃されたからだ。そして、数回だけの攻撃にも関わらず、装備、指揮統制センター、ヘリコプターの大部分は再配置された。チャプリンカに残ったのは、兵站任務に関する最低限のものだけだった。

この新基地の役割を突き止めることは厄介なことではあるが、重要な認識点として、約80km射程の兵器の存在だけで、南部におけるロシア軍兵站・指揮統制任務のまったくの再構築を強いることができたということがある。

ATACMS、タウルス、ストームシャドーといった長射程弾頭はかなりの能力をもたらしてくれるが、数が乏しく、生産は捗らず、コストも高いため、もっと入手しやすいが同等の効果を有する選択肢が必要とされる。例えば、長距離徘徊ドローンやGLSDBのようなものだ。

疑問の余地なくロシアは、それへの対応として、装備と分散化した指揮・兵站を、もっと小さな結節点にして再配置するだろう。だが、このような反応は、既存の兵站上の問題を悪化させ、大規模に集結させた戦力を効率よく管理するロシア側の能力を低下させる。

それゆえ、私見ではあるが、ウクライナが様々な種類の長射程兵器を得るのと並行して、ロシア国内及び海へのドローン投入の成功が示したような、ウクライナ自身のリソースの発展と活用を続けていくことは、今後も極めて重要であり続ける。

Buy Me A Coffee”からの皆さんの寄付によって、今回の衛星画像等々を利用できるようになりました。次の週、ロシアの戦車修理施設を評価する重要な分析を行う予定ですが、皆さんのとても貴重なサポートによって、その分析の見込みが立ちました。“いいね”とリツイートでのサポートをお忘れなく。

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