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【報告抄訳】ISW ロシアによる攻勢戦役評価 1930 ET 27.07.2023 “ウクライナ軍反攻作戦の状況”

以下は、ISW(戦争研究所)2023年7月27日付ウクライナ情勢報告の一部を、抜粋して日本語に訳したものになります。

https://www.understandingwar.org/sites/default/files/Russian%20Offensive%20Campaign%20Assessment%2C%20July%2027%2C%202023%20PDF.pdf

ウクライナ軍は7月27日、戦線上の少なくとも3箇所で攻勢作戦を続けた。また、幾つかの地区で戦果をあげた。だが、ウクライナ軍はザポリージャ州西部のオリヒウ南方において、大規模な機械化部隊による攻撃を継続しなかった模様だ。ウクライナのウォロディミル・ゼレンシキー大統領は7月27日に動画を投稿したが、その動画には、ウクライナ軍がドネツィク州西部のスタロマヨルシケ(ヴェリカ・ノヴォシルカ南方9km)を、この地域での激戦に続いて解放した様子が映っていた。

ヴェリカ・ノヴォシルカ方面

また、7月26日公開の撮影場所が特定できる動画に、ウクライナ軍がクリシチーウカ(バフムート南西7km)北方でもわずかに前進したことが示されている。

バフムート方面

7月26日公開の撮影場所が特定できる動画によって、ウクライナ軍が7月26日の攻勢作戦のなかで、ロボチネ(オリヒウ南方7km)東方でさらに前進したことが分かる。ウクライナ国家警備隊指揮総局応用計画局長ミコラ・ウルシャロヴィッチは7月27日、ウクライナ軍がメリトポリ方向(ザポリージャ州西部)で戦術的勝利を収めたと述べた。ロシア側情報筋の主張によると、ウクライナ軍は7月26日に機械化部隊による激しい正面攻撃を遂行し、ロボチネの北東方向にあるロシア軍防御陣地を突破したのち、7月27日もロボチネ付近での攻撃を続けたが、その進捗ペースは落ち、その兵力もかなり少なくなっているという。7月27日公開の撮影地点が特定できる動画から、ウクライナ軍が、ISW判断による進出地点よりももっと前方で作戦行動している可能性が考えられる。これは、領土支配状況に関してISWが、意図的に控えめな評価分析を行っていることに起因している(より詳細は「南部方面[Southern Axis]」の章に記載)。

オリヒウ方面

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