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【Twitterスレッド和訳】ロシア軍の地雷について その2(@Tatarigami_UA氏)

以下は、上記のTwitter投稿(スレッド)の和訳になります。

今も続く反転攻勢を取り巻く議論をみると、地雷に関する話題を再び取り上げる必要がある。なぜなら、これは極めて重要なことだからだ。以前、私が強調したように、ロシア軍が広範囲に地雷を埋設したことは、我が部隊[*注: ウクライナ軍]にとって、依然として相当深刻な脅威なのだ。

この反転攻勢で直面している地雷の問題は、NATOや西側諸国の軍隊が仮に同じリソースで地雷に対処するのならば、それらの国々の軍にとってさえ、かなり大きな課題になるだろう。数千平方kmの重厚な地雷原が存在するため、これは複雑かつ長く続く問題で、容易には解決されない。

もっと多くの地雷処理手段が供与されていたならば、この状況はましになるのかもしれないが、そうであっても、すべての問題が解決するわけではない。ロシア軍は地雷設置に様々な手法を用いており、それには人力、機械によるもの、遠隔散布という方法が含まれる。そこに加わるのが、複数の種類の地雷に対して、それに応じた除去方法が必要とされることに起因する複雑さだ。

地雷原を砲爆撃することで安全な通り道をつくりだすのは、理論的には可能であるけれども、そのためには膨大な量の弾薬とリソースが必要になり、それらを今のウクライナは欠いている。また、この方法で数十kmの地雷原を除去するのに必要な量の弾薬とリソースを、ウクライナが入手するというのも、現実的にみてありえない。

地雷を掻き出すという方法はどうだろうか? この選択肢は見込みがありそうなのだが、対戦車火器もしくは自爆ドローンに対して脆弱で、移動路は効果的に遮断されており、また、擱座車両を何とかして後送したり、移動させたりしようとする際に、兵員たちが砲撃にさらされる可能性がある。

地雷除去用導爆索は効果があるだろうか? もちろん、ある。だが、考慮しておく重要な注意点が2つある。1回のM58やUR-77の処理で除去できるのは、比較的小さな地域だけだ。一方、我々が処理の対象にしているのは数kmの縦深をもつもので、メートル単位のものではない。

また、以前の戦争では、気づかれることなく敵に近接するのは、今よりも容易だった。だが、奇襲の要素はかなり失われつつある。それは常に存在するドローンのせいだ。そして、ドローンはあらゆる地雷除去車両の接近を簡単に探知する。

地雷除去に必要なのは、防空、電子戦部隊、工兵、砲兵、偵察部隊の尋常ではない水準での協同任務であり、ここ最近の大規模作戦において、多くの現代的な軍隊が遭遇したことのない規模での協同任務が要求される。

地雷がもたらす波及効果は見過ごされることが多いが、それは戦闘機動をかなり阻害する。地雷原がクリアになったと思われたあとでさえ、残存地雷の存在が疑念を長引かせ、戦闘部隊の迅速に移動し、任務遂行する意思を萎えさせる。

結論だが、この問題の重大さを認識することと、ウクライナ軍の地雷処理能力の強化に必要なリソースを与えることが極めて重要だ。地雷に打ち勝つために、我々は創意工夫に富んだ解決策を編み出すことに優先的に取り組まねばならないし、標準レベル以上の部隊間協同能力を育んでいかなければならない。

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