本記事は、戦争研究所(ISW)の2023年11月16日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。
ISWインタラクティブ・マップ等の地図で地名検索する際の便を考え、都市・集落名は初出時に限りカタカナ表記後にラテン文字表記も記載した。
アウジーウカ方面でのロシア軍の動き
報告原文抜粋(英文)
日本語訳
ロシア軍は11月16日にアウジーウカ[Avdiivka]周辺での攻勢作戦を続けた。また、具体的な日時は不明だが、最近、同軍が進撃できたことが確認されている。撮影地点が特定されている11月16日投稿の動画によって、アウジーウカ北西に位置するアウジーウカ・コークス工場の北で、ロシア軍がわずかながら前進したことが分かる。11月15日と16日、複数のロシア軍事ブロガーは、アウジーウカ・コークス工場とボタ山[石炭屑集積場]付近で、ロシア軍が陣地をいくつか占領したと主張した。また、ステポヴェ[Stepove](アウジーウカ北西8km)は現在、両軍が相争う「グレーゾーン」であるとも主張している。11月16日、複数のロシア軍事ブロガーが、ロシア軍はクラスノホリウカ[Krasnohorivka](アウジーウカ北方5km)の北西で、ベルディチ[Berdychi]方向に前進したと主張した。ロシア軍事ブロガー・アカウントの一つは、ロシア軍がクラスノホリウカ付近での攻撃の間、兵員損失を避けようと試みていると主張した。ロシア側情報筋はまた、ロシア軍がヤシヌヴァタ道路に沿ってアウジーウカ南東部の工業地区内へと前進している最中だと主張し、アウジーウカ工業地区の少なくとも半分をすでに占領したと主張した。ウクライナ軍参謀本部の報告によると、ノヴォカリノヴェ[Novokalynove](アウジーウカ北方7km)付近、アウジーウカ付近、ステポヴェ東方とペルヴォマイシケ[Pervomaiske](アウジーウカ南西11km)付近でロシア軍は攻撃を仕掛けてきたが、不成功に終わったとのことだ。ロシアの有名軍事ブロガー・アカウントの一つは、ロシア軍がシェヴェルネ[Sieverne](アウジーウカ西方6km)付近でも攻撃を行ったと主張した。