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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 26.06.2024

UK DEFENCE INTELLIGENCE:
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 26 June 2024

日本語訳

  • ウクライナでロシア軍のためにこれまで戦ってきた元受刑者の帰国が、法と秩序にもたらす脅威に関して、ロシア連邦下院議員の一部は最近、懸念を表明している。家族の保護・父母と児童の問題に関する下院委員会の委員長ニーナ・オスタニナは、ロシアのガゼータ紙に対して、このような元受刑者が社会適応できないなか、今後、犯罪がさらに増えることになるだろうと語った。元受刑者は法執行機関によって常時監視されるべきで、社会はこのような人間たちから守られる必要があると、オスタニナは述べている。また、法制化の必要性が切迫していることも彼女は指摘した。下院議員マクシム・イワノフも、戦争から人々が戻ったのちに犯罪が増加する可能性があるという警告を発した。

  • 遅くとも2022年7月から、ロシアは受刑者から募兵して軍務に就かせることを継続的に行っているが、この募兵手法を先駆け的に行ったのが、ロシアの民間軍事会社ワグネルの元トップであったエフゲニー・プリゴジンだ。受刑者の刑期はウクライナで戦うことと引き換えに減刑される。また、受刑者兵の多くが前線で戦死している。なお、ウクライナの戦場に送られた受刑者の帰国は、ウクライナとの戦争でロシアが勝利するまで許可されるべきではないと、ロシア連邦下院国防委員会第一副委員長アレクセイ・ジュラブレフは主張した。

  • ロシア最高検察庁は、2023年1月1日以降、公式の犯罪統計の公表を中止しているが、ウクライナでの戦闘から帰還した元受刑者が関わった暴力犯罪増加の可能性が、おそらくはその理由の一端であると考えられる。ロシア独立系メディアのヴェルストカは2024年4月に、戦争から帰還した退役兵の手によって、少なくとも107人が殺害され、さらに100人が重傷を負うことになったと報じた。受刑者から募兵してロシア連邦軍に加えることと、その者たちが解放された際にロシア社会に与える影響は、ウクライナでの戦争を続けるために、ロシア政府がそうすると覚悟を決めた手段であり、リスクである。

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