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【ツイート内容紹介】ウクライナ軍反転攻勢の現在(@shashj氏の投稿から)

エコノミスト誌国防担当編集者のシャシャンク・ジョシ氏が、マイケル・コフマン氏とロブ・リー氏のWOTRポッドキャストでの両氏の発言を一部紹介しています。コフマン&リー氏はウクライナでの調査旅行で得た知見をもとに話しており、その内容は興味深いものがあります。

以下に、ジョシ氏がTwitterのスレッドで取り上げたコフマン氏とリー氏の発言内容をまとめてみました。なお、WORTポッドキャストは下のリンク先で聴くことができます。

ロブ・リー氏の指摘

  • 6月上旬のウクライナ軍の攻撃は偵察目的ではなく、本格的な反攻を企図していた。ウクライナ軍は迅速な突破と、できるだけ素早い戦果拡張を行おうとした。

  • 反攻緒戦期、ウクライナは新たに手に入れた新型装備を多く投入し、NATOが訓練した旅団が重要な役割を担った。だが、結局のところ、この初期作戦は成功しなかったというのが、多くの人々と話したうえで至った結論だ。

  • ロシア軍は昨年のハルキウ戦の敗北から学んで、現在、ウクライナ軍に対応している。ロシア軍は当時と同じような目にあわないようにしている。ロシア軍は教訓から学び、適切な方法で、また、ドクトリンに沿って戦っている。

  • ロシアの地雷が問題なのは、地雷原が監視下にあって、火力の射程範囲内にあるという点だ。ウクライナ軍が地雷原を切り開こうとすると、野砲・対戦車ミサイル・攻撃ヘリに襲われる。それらが問題を引き起こす。

  • ウクライナが新編した旅団は、期待以下のパフォーマンスしか示せていない。急拵えのため、これらの旅団は今後も困難に直面するだろう。

  • 夜間に方向が分からなくなったウクライナ軍部隊の事例がある。その旅団の前進は遅れ、進撃は夜明けスタートになり、支援砲兵との調整もされず、準備射撃は実際の攻撃よりも数時間早く始まった。結果、ロシア軍の対戦車ミサイルは制圧されなかった。

マイケル・コフマン氏の指摘

  • バフムート戦は流動的だ。ロシア軍は大隊レベルで塹壕を構築しているが、同市南方の塹壕は師団レベル、諸兵科連合軍レベルで構築されている。ロシア軍は機動防御を遂行しようとしており、第一線の樹木帯でウクライナが戦果をあげると、それに対して反撃する能力をもっている。また、偽の塹壕もある。

  • ロシアの地雷戦術にはイノベーションがみられる。例えば、地雷除去車両を破壊するために、複数の対戦車地雷を重ねて設置するということを行っている。

  • 基本的に樹木帯を巡る戦いになっている。樹木帯を奪取しようとウクライナ軍が近づくと、ロシア軍装甲車両が動き出し、数kmの範囲で樹木帯全体での交戦を開始する。ウクライナ軍は対戦車ミサイル無しではロシア軍装甲車両を射程に収められない。また、ロシア軍装甲車両の背後には地雷が埋設されている。

  • 今回のウクライナ軍攻勢は、旅団がその作戦を遂行しているけれども、実際は増強中隊による逐次的な攻撃になっている。大隊は1〜2個中隊を前に置き、3番目の中隊を後置している模様だ。攻勢開始時の攻撃を威力偵察だと多くの人が勘違いした理由の一つがここにある。

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