見出し画像

【SNS英文投稿和訳】エミール・カステヘルミ氏:ウクライナ戦況:ヴフレダル陥落(日本時間2024.10.02 05:27投稿)

上記リンクから始めるX連続投稿は、ウクライナ領ドネツィク州ヴフレダル(Vuhledar)方面の戦況を簡潔に分析したものです。

投稿者のエミール・カステヘルミ氏はフィンランドの軍事史家・OSINTアナリストで、同国の戦況分析チーム「ブラック・バード・グループ」のメンバーでもあります。

カステヘルミ氏のこの連続投稿を日本語に翻訳したものが、以下に続く文章です。なお、翻訳記事中の画像は、カステヘルミ氏のX投稿に添付されているものを使用しています。また、[  ]内の記述は、訳者による補足になります。

日本語訳

ヴフレダル[Vuhledar]は現在、ほぼ間違いなくロシア軍の手に落ちているものと思われる。

ウクライナ側情報筋の一部は、この町のなかで抵抗が続いていることを今でも伝えているが、直近の位置確認済み情報から、ロシア軍は現在、ヴフレダルを事実上、制圧しているものと、私は判断している。戦闘は、ここの周囲の野外地で続いている。

当然のことながら、この町のなかにウクライナ軍守備隊の小さな孤立した拠点がいくつか存在する可能性はあるし、ウクライナ軍がヴフレダルの北東端で足場となる拠点を保持していることさえありうる。だが、ヴフレダルをウクライナ軍が今でも支配しているとは言えない。

ヴフレダルの占領が、ロシア軍にとっての何かしらのメリットにすぐさま結びつくことはないし、クラホヴェ[Kurakhove]への接近路をロシア軍に与えることにもならない。

これからすぐに戦闘が、ノヴォウクラインカ[Novoukrainka]とボホヤウレンカ[Bohoiavlenka]のほうにシフトしていく可能性は高い。また、ヴフレダルとクラホヴェの間は20kmを超える距離があり、そこには多くの陣地が存在する。

クラホヴェから南にすぐの地点に、強力な陣地群が存在する。だが、ヴフレダル~クラホヴェ地域全般における野戦陣地の質は、はっきりと分かっていない。戦闘で有用かどうかは、準備の程度に左右される。少なくとも、これら陣地群を適切に構築する時間は十分にあったものと考えられる。

ヴフレダルの戦いはロシア軍にとって、極めて時間がかかり、極めて損害の大きな戦闘だった。一方でウクライナ軍は2年半を超える期間、何とかこの町を保持することができた。

この町の両側面の状況が厳しすぎるものになった時点で、ウクライナ軍は撤退行動を遂行した。そして、どうやら撤退に成功したように思われる。


私たち「ブラック・バード・グループ」のチームは、これからも前線の進展を追っていきます。私たち制作の地図は、以下リンク先で閲覧できます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?