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【一部内容紹介】戦争研究所「ロシアによる攻勢戦役評価」1635 ET 26.05.2024 《ロシア軍戦力集結に関する新情報》
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142007784/picture_pc_336ffe612416b6b39b7fd94de8828145.png?width=800)
ロシア軍が現在侵攻中のハルキウ州北部の西側に位置する国境付近で、戦力を集結させているという情報が、ウクライナ側から出ています。
ウクライナのゼレンシキー大統領は5月26日のスピーチで、ハルキウ市の北西90km地点の国境付近にロシア軍が戦力を集めており、新たな攻勢の準備を進めていることを指摘しました。
ゼレンシキーが指摘した地点ですが、ISWはそこを、ロシア領ベルゴロド州西部のGrayvoron-Borisovka-Proletarskiy地区だとみなしてます。ISWによると、衛星画像の分析から、ここ数週間で上記エリアでのロシア軍の動きが大きくなっていることが分かるとのことです。
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(DEEP STATE地図に加筆)
https://deepstatemap.live/en?#9/50.5632/35.5902
Grayvoron-Borisovka-Proletarskiy地区のロシア軍戦力規模ははっきりと分かっていません。ウクライナ国家国境庁は5月26日に、ロシア軍がここからスーミ州侵攻あるいはハルキウ州侵攻を行う可能性があることを指摘した一方で、ウクライナ軍戦力を北部国境沿いに引き伸ばして拘束することをロシア側が意図している可能性があることも指摘しています。
ロシア軍がGrayvoron-Borisovka-Proletarskiy地区から攻撃を行う場合、2つの攻撃軸が想定できるとISWは指摘します。一つはゾロチウとボホドゥヒウに向かう南進、もう一つが、ボホドゥヒウとスーミ市をつなぐP-45高速道路に向かう西進です。ISWによると、そのどちらかを、または、両方を行う可能性がロシア軍に生じるとのことです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142008170/picture_pc_a95c6a348e10d2b2cad9f26702f558dc.png?width=800)
(DEEP STATE地図に加筆)
https://deepstatemap.live/en?#9/50.5632/35.5902
また、ロシア軍の目的が、ハルキウ・スーミ両州の幅広い国境地帯に兵力と物資を投入することを、ウクライナに強要することにある可能性も、ISWは指摘しています。
ウクライナとの国境付近に展開しているロシア軍北方部隊集団[the Northern Grouping of Forces]はハルキウ州侵攻作戦を実施しつつ、戦力造成を進めているとされています。
ISWは、ロシア軍の戦力が限られたものであったとしても、ウクライナ側戦力を国境沿いに幅広く引き伸ばす効果をもつことを指摘しています。その結果、ハルキウ州北西部もしくはスーミ市方向で戦術レベルの拠点を築くことをロシア軍に許すことになる可能性も指摘しています。
ただし、ロシア軍北方部隊集団の戦力は、その計画上の上限にまで達した場合であっても、ハルキウ市あるいはスーミ市を包囲したり占領したりするのに必要な兵力には不足するだろうと、ISWは評価しています。
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