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退職するので現在の思考を残しておきたい

ということで2024年の6月を持って現職を退職します。
現在は有給休暇という名の大人の夏休みを満喫しています。そろそろ社会に心を戻しつつ、夏休みの終焉を感じている今日この頃です。

入社のきっかけ

4年ほど前に現在の会社に移ったのですが、最初は正直入社するつもりはありませんでした。というのも、求められている事がこれまでのケーパビリティに則してはいるものの、本当にこれがやりたい事なのだろうか?と思ったのが理由だったのですが。(具体的な内容は割愛する)
しかし、選考の中でたくさんの人と話をさせてもらう事で事業や組織の解像度が高くなった事や、自分が貢献できることとやりたいと思っている事が実は実現できるのではないか?という気づきや何よりもネガティブな側面も含めてオープンに話してくれた事など、一緒に働いてみたいと感じた事などもあり入社を決めました。
これまでの転職の中で初めてと言っても良いぐらいに納得度が高かった事を覚えています。
選考は正直一番時間がかかったし、一度の選考で3時間くらい使ったりと中々タフな場面もありましたが、結果として非常に良い体験だったと思います。過去のnoteにも書きましたが、入社前だけでなく入社後のオンボーディングもとても良かったし、ちゃんとメンバーに向き合っているなと感じています。

改めて思うけど、カルチャーマッチをどう推し量るのかという事を属する人間がしっかりと理解をし、良いも悪いも洗いざらい話してくれるって事は組織の中での互いの信頼感が醸成されていることの表れだと思います。
あと入社時のオファーレターがとても嬉しかった事もあり、私も採用に関わる時はこのオファーレターを丁寧に書くことにしています。(どれだけ忙しくて吐きそうでもこれはこの先も続けていきたい事の一つ)

人への向き合い方

前職や前々職も人への投資という事を積極的にやってきた組織でしたが、現職もそこはとても力を入れていると思います。個人的にはアプローチに違いはあって現職はそれがよりマイルドになった感じで自分のキャラクターに合っているように思います(生ぬるいという意味ではない)

少し話は変わりますが、私は非常に人に恵まれていると思っています。これはもはやユニークスキルなのではないかと思うほどに。

現職の1年目の上司の事が私はとても好きなんですが、彼は期待値のすり合わせを丁寧にやった上で権限を委譲するのが非常に上手でした。最初の数ヶ月で立ち上がりがうまくいったのは彼のマネージャーとしてのムーブやメンタリングを丁寧にやってくれた事がかなり大きいと思っています。
彼の考え方や動き方はその後の私のロールモデルとなり、今でも参考にさせてもらっています。

何をやってきたのか

あまり詳細な事は書かないのですが、在籍中の四年間で大きくは二つのフェーズがありました。最初のフェーズではチームビルドやプロセスマネジメントから入り、大規模なサービスリニューアルから組織作り、マネジメント、採用という所がメインだったと思います。
手探りで進めてきた事もあり、100点満点だとは言い難いですが、結果的にはしっかりと形に出来た事も多かったように思います。ある程度目に見える形になったタイミングで自身のプレイングで足りない部分や拡張したいと思ったことにチャレンジするために異動願いを出して、今度は新規事業のチームへ。

次のフェーズでは、自分の経験だけではどうにもならない所でちょっとしんどい思いをしたいなと感じた所です。社内でローンチしたサービスがある意味ではとてもクレイジーな事をやっていたのが異動のきっかけでした。
(ちなみに偶然ではあるのですが、異動したチームではメンバーのほとんどがリクルート出身という事もあり、ある意味では非常に分かりやすい環境でした)
このチーム、例えるなら非常に男子校感が強くて、年次とか関係なしにみんなが思い思いに動いているようなチームで何というか最初のフェーズとはまた違った大変さと楽しさがあったチームだったんですよね。

開発チームがベトナムのチームだったので、言語の大変さはあったし、(何より自分以外の人たちが普通に英語喋るし、私は英語得意ではない)不確実性は高いし、泥臭くアクションしない事には何も分からないし、色々な所でハードな所はあったにせよ何というか全体的にはとてもポジティブな空気だったことに勇気づけられたように思います。

男子校感と書きましたが、まあ本当に男子校なんですよ。男子っていうか私も含めておじさんばっかなんだけど。
おじさん達がワイワイやっていると、ある程度みんな老獪な所もあるので、押さえる所は押さえつつ、勢いで進める所もあってそういう所がまた面白いというか。
そんなおじさんズと一緒に一つ新しいサービスをローンチするために、パートナー企業との連携から全く新しいドメイン知識の取得や様々なユーザーのヒアリングを重ねつつ、走ってきた感じがあります。一緒にやっていたデザイナーには「あなたの仕事はしゃべることだからがんばって」と言われる事もありました。実際かなりしゃべってました。仕事終わると無口になるくらいには。情報交換のためにサウナでミーティングした事もありましたね何故。

自分の中の関心事

ここまでで、中々濃密な四年間を過ごしたわけですが、段々と自分の中での関心事がシャープになっていく感覚がありました。
それは「正しい努力をするには何が必要なのか」というテーマ。
非常に抽象的な書き方をしていますが、もう少し噛み砕くと「働くという事」という事でもあります。つまりそこにフォーカスしたいと考えています。

事業やプロダクトの成長において最も大事な事は実行力であり、その実行を実現するための原資は間違いなく「人」です。
私自身のキャリアとして複数回転職をしてきて色んな組織に属していますが、しかし、その「人」がうまく機能する為に必要な仕組みや構造は存外出来ていない事もあります。
我々は生きている以上、大なり小なり努力をしなくてはならないものです。しかしその努力の方向が間違っているとしたら?努力の方法が見当違いだったとしたら?
それは事業の継続性に関わるだけでなく働く人の不幸にも繋がるのではないかと感じます。

また、マクロで見れば日本の労働人口は少子高齢化、地方から都市部への流出などを要因とした長期的な減少傾向にあります。もちろん就業する業界の偏りなどもありますが、いずれにせよこの人口推移は不可逆であり「働く」ということは個人の見解のみならず構造的にも非常に課題を抱えています。

私は「働く」という事はお金を稼ぐという事と同じくらいに自分の成長に関わる営みと捉えています。これは別にキラキラしている感じだとか、圧倒的成長!みたいな強い言葉として表現したいわけではなく、昨日よりも今日やれる事が増えた方がシンプルに世界の捉え方が広がるよねと思っているからです。

この数年間、仕事をする中で漠然としたモヤモヤの輪郭がハッキリしてきたため、次のチャレンジをする事にしました。もちろん労働に纏わる全ての課題を一気に解決出来るわけではないでしょうが、少しずつでも明確に感じる課題を解くという事に自分の人生や時間をBETしたいと考えている次第です。そして行動から新たに見えてくるものがあるという確信もあります。

そろそろ、夏休みが、終わります。

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