面倒くさいと思いがちな目標設定の話・前編
会社での目標設定についてどうしたら良いのかという事を色んな所で聞かれる事が今年一年で増えたので、自分の考えをまとめてみました。各社、色んな考え方やフレームワークを使っていたりするのですが、そういった細かいことは抜きにして考え方や姿勢みたいな物をまとめてみました。(個人的な見解です)
何故目標設定をするのか?
一定期間のゴールの要件定義のためだと思っています。期待値をしっかりとすり合わせるために目標設定はしっかりと行った方が良いです。評価する側、評価される側という立場の違いはあれど、どちらも事業の成果に繋げる目的があります。マネジメントのスタイルはそれこそ百人百様ですが、マネジメントに携わる人間にはメンバーがやれる事を増やしていく事で個人の成長、組織の成長を促し、事業の成果を出す事が求められています。
一方でメンバーの立場からすると、普段一緒に仕事をしているんだからそれを見てくれればいいと思うかもしれません。実際に僕も目標設定が苦手だったので、半期毎に面倒だなあと思っていました。
ただ、目標設定はその設定のプロセス自体にも価値はあると思っていて、自身で目標を考える事で、ゴールから逆算してそのプロセスを考える力が身に付きます。ダイエットでも貯金でもそうなんですが、目標を立てない事って大体途中で挫折しがちなんですよね。加えて、目標の設定が曖昧な時に何が起こるかと言えば、シンプルに評価の納得感が薄れます。「これだけやったのに!」と思う事が僕も何度もありました。その度、イライラや不信感が募っていく。そして次の目標設定が嫌になっていくという悪循環。
でも大体そういう時って目標の定義が擦りあってなかったんですよね。最初に要件定義って書きましたが、サービスや機能を作る時も必ず要件定義ってするじゃないですか。(あるいは要件定義が甘くて開発後半に火を吹いた、なんて経験がある方はイメージしやすいと思います)そう考えると目標設定ってめちゃくちゃ大事じゃないですか?
とは言え悩んだ目標設定
僕は特にこれといって壮大な目標を持っているようなタイプではなくその時々で面白そう、やってみたいと思った事を仕事にしていくタイプだったので3年後のやりたい事の実現から逆算して考えてみよう、みたいな事がめちゃくちゃ苦手でした。昔、所属していた会社では割とそういった物を強く求められたりしたのでそういうところでも目標設定に悩んだのかもしれません。
とは言え、大そうな目標がなくても目標設定は出来ます。そもそもそんな目標を持っている人の方が稀なんですから。
僕が今でも参考にしているのは前職の上司との目標設定です。半期毎にいくつかの目標を作るのですが、その中で以下の3つをすり合わせます。
1.目標
2.評価の定義
3.振り返り
「2.評価の定義」は言い換えると達成基準です。定量的に測れる物、定性的に測れる物と目標によって使い分けたりもしていましたが、これを最初にすり合わせるためゴールの定義がブレにくくなります。(当時は正直めちゃくちゃシビアに感じていましたが、結果的にその時の経験が役に立っています)
また、「3.振り返り」においては結果だけでなく、そのプロセスも期中や期末にちゃんと振り返ります。「学びを得る」という考えが根底にあります。つまり目標を達成できたのはラッキーパンチではなかったか?そこに再現性はあるのか?という事を重要視しています。
「1.目標」については後述したいと思います。
プロセスが何故重要なのか?
NLPの学習モデルを引用してきます。
新しい事を学ぶ時に学習には5段階のレベルがあると言われています。何故プロセスが重要かと言うと、何か新しいチャレンジをした時に学習のレベルが一体どう言うステータスなのかを意識した方が良いからと僕は考えています。上の図で言うとレベル3の状態なのか、レベル5の状態なのか、で目標達成の意味も変わってきます。加えてその人が組織の中で影響度をどれくらい出していけるか、という意味でプロセスを振り返る事が重要だと考えています。再現性の有無は、少し言い換えれば「再度同じ仕事をしても同様のクオリティで完遂できる」あるいは「他の人間にやり方を教える事が出来るので、結果的にチームや組織としても強くなれる」という事に関わってきます。そういう意味で偶然、たまたま、目標が達成できた、あるいは結果が全て、というのは短期的には良いのですが、中長期で考えた時には少し達成の意味が弱くなってしまうのです。
個人のやりたい事の実現と仕事との紐付け
先ほどの「1.目標」についてですが、僕の考え方として、個人のやりたい事と事業目標が紐づくのが一番パフォーマンスを発揮しやすい、というのがあります。僕自身がそうだからというだけではなく、いわゆる内発的動機付けに関係しています。
ただし、全ての人間がそうかと言えばそんな事はないですし、仕事の内容によっては当てはまらない場合もあります。あくまで一つの考え方です。
また、外発的動機付けから内発的動機付けに移行するパターンも十分にあり得ると思います。最初は仕事の指示があったのでやっていたけど、やっていく内にだんだんと楽しくなっていった。結果としてそれ自体が自分のやりたい事になっていた、みたいな感じです。僕の場合はディレクターにキャリアチェンジした時はそういう変化がありました。(こういった気持ちの変化があったのだと知ったのはディレクターになって数年経ってからの事)
もちろん目標の大前提としては「事業として」というのは忘れずに。その中でどう紐づけていくかがぴったりハマると強いです。
まとめ
概念的な話が中心になりましたが、もちろん目標は設定して終わりではなく日々の業務や1on1を通じて対話を繰り返していく事で、達成させていく事が重要です。マネージャーもそうでない人も「要件定義」と「振り返り」「プロセス」を意識する事で目標設定がこれまでよりも違ったものになるかもしれません。
また気が向いたら後編を書こうかなと思います。
デザインやサービス改善、転職ノウハウを実体験を元に書いています。サポート頂けたら嬉しいです。