お菓子を食べる、おやつを探す②

日常の一部が楽しくなれば、コスパがいいなと思う(不純)。例えばお風呂に浸かる時間とか間食の時間とか。その両者をものは試し、同時にやってみようと午前2時にひらめいた。熱々のお湯の中で食べると美味しいもの……冷凍庫からチョコレートのアイスクリームを取り出す。個包装を捨ててお気に入りのグラスに入れれば、準備万端だ。合わせておもちゃ屋で買ったシャボン玉が作れる入浴剤と、クレヨン状せっけんを片手に掴む。両手に娯楽、尻で風呂の扉を開けたらいざ入浴である。

風呂蓋の上にそれぞれ適当に並べてから、桶で軽く身体を流す。湯船へ足から順に沈めていくと、じわりと体内の温度も上がってきた。焦るな、まずはシャボン玉とクレヨン遊びが先。アイスクリームの様子を横目で確認しながら、浴室の壁に落書きをしていく。何年ぶりだろう、こんなくだらないお絵かきは。水で流せば消えるから合法的な悪事(?)ぽくていい。シャボン玉は面倒だったので砕いて泡風呂にした、水面にきらきらした玉がたくさんできてこれもまたアガる。そうしていくうちに、こめかみが汗ばむほど部屋全体が暑くなってきた。今じゃない?食べたらぜったい最高なんじゃない?少しゆるくなったアイスクリームをかじると、ふわっとした食感とチョコレートのミルキーな甘味が口に広がった。ひんやりと舌に残る冷たさが、溶けた余韻をぐっと盛り上げている。これは、麻薬かもしれない。

深夜にお風呂で長く遊んで、あげくにお菓子まで食べるなんて、実家の母が見たら悲鳴ものだ。お行儀が悪いというのもいいスパイスである。
お風呂遊びはおやつになりそう。

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