推しからの好きを確信したオタク

こんなタイトルだと「自惚れるな!盲目オタク!」という声が聞こえてきそうだし、前の自分だったら鼻で笑っていたと思う。

前回の記事で、推しくんがオタクのSNSを監視していると話をしたが、本当にすごい監視力だった。

どれぐらいすごいかと言うと、推しくんへの空リプのいいねはもちろんのこと、推しくんの名前を出していないオタク友達へのリプもいいねする。なんなら他の演者のことをかっこいいと言うと牽制のいいねが秒で飛んでくるような、こいつライブ以外ずっとSNSを見てるのか?とオタク側が心配になってしまうほど。

そんな推しくんは、特典会で前日に呟いたことや、ストーリーにあげた内容について触れてくる。オタクという生き物は単純なので、それだけで好きが増す。普通にメン地下としては話のネタが尽きない点は強みだったと思う。顔もかっこよかったので。(?)

そんなある日、推しくんが炎上した。オタクの母数が少ないのでそこまでの炎上ではないが、リアコが多い推しくんには大打撃だったと思う。前世(前のグループ)の際のオタクへの濃厚接触チェキが掲示板に貼られしまったのだ。キスをしてるような素振りのチェキにかなりショックを受けるオタクたち。こんなチェキ、そのグループでは撮っていなかったので余計に炎上したのだろう。とくて

流出した次の日はライブがあった。推し被りたちは泣きながら推しくんに抗議している。困り果てた推しくんを眺めながら、私は列に並んでいた。この時、自分がリアコだなんて思ってもいなかったので、私はネタにしてやろうぐらいの気持ちでいた。(最低なオタクの図)

私の番になり、からかってやろうと思った瞬間、推しくんは謝ってきた。何も言っていないし、ニヤニヤしながら推しくんの隣に移動した私は、豆鉄砲を食らったような顔をしてしまった。それでも推しくんは、経緯を説明する。聞いてもいないことをつらつらと悲しい顔をしながら説明する推しくんは、なんだか浮気がバレてしまった彼氏のように見えた。(聞いてもいないのに)わざわざ説明をさせてしまって申し訳ない気持ちになり、推しくんを止めると、私にだけは勘違いされたくないからと真剣な顔で言ってきた。『これがリアコ営業か!!』そんな風におちょけた私を殴りに行きたいが、その時はそんな気持ちで受け入れた。

その日から、彼はストーリーで私の投稿に返事をするようになった。推しくんが投稿したストーリー反応すれば、リアクションだけが返ってくる。(偉い、できるアイドル)ただ、ストーリーは誰に向けたか分からないように、私に返してくる。例えば、推しくんが「アイスを食べたい」という投稿に対し、私が『○○というアイスが美味しい!』と反応すると「○○買ってみた、美味しい」と数時間後にストーリーを投稿する。最初は偶然だと思っていたが、だんだん偶然では無いんだなと調子に乗ってしまった。

ただ、周りのオタク友達にもオキニ(地下アイドル界隈では推しくんのお気に入りのことをオキニと呼ぶ)と言われるようになってから、怖くなってインスタもTwitterも鍵をかけた。気づいたら掲示板であることないこと叩かれてしまったからだ。

推しくんのことをすきになる気持ちとオタクをする苦痛がどんどん比例していって、オタクに疲れてしまった。

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