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夏でも食欲が湧く「きゅうりのフルーツサンド」(自家製クリームチーズで)

暑い日でも食欲が湧く4つの法則

このコラムは単行本『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)を参照しつつ進めていきます! 本を持ってない方でも楽しめますし、本を持っていればなお役立つようになっています。
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まだまだ暑いですよね。
特に夏の終わりは、暑さに加え、冷たいものの飲み過ぎで胃の働きまで悪くなり、なにも食べたくない、なんて日もあります。
そこまでいかなくても、なんとなく食べ物が喉を通らない感じだったり。
特にパンは、飲み込むのに、ごはんより多くの唾液を必要とするので、ますます食べたい気持ちが起こらず、今日も明日もそうめん、という事態に陥ってしまいます。
そんなときでもパンが食べたくなるいくつかの法則があります。

①パンを薄く切る
薄いパンのほうが口溶けがよくなり、喉の通りがいいです。

②ハード系、山食より角食
ハード系、山食より、角食のほうが舌触りがなめらかで、型に入っているのでしっとりしており、乳製品なども入っていて、食べやすいものが多いです。

③クリームチーズを塗る(酸味を活用する)
冷たくて酸味があるクリームチーズが唾液の分泌も活発にし、食欲が出ます。レモンもきゅーんとした酸味があって、柑橘の香りも涼しげで、食欲が出ますよね。

④夏野菜を合わせる
よく知られるように、夏が旬の野菜は体温を下げる効果があります。トマトやレタス、スイカ、ナスなどです。特にキュウリはカリウムが豊富で利尿作用があります。

この法則をすべてクリアした、最強のサンドイッチを作りたいと思います。自家製クリームチーズのきゅうりサンドです。別名きゅうりのフルーツサンド。きゅうりの中のメロンやすいかをほうふつとさせる甘さを引出したいと思います。

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まずクリームチーズを作ってみよう

材料
クリームチーズ
低温殺菌牛乳 500ml
生クリーム  100ml
ヨーグルト  50g
レモン汁   50ml

サンドイッチ
サンドイッチ用角食パン(12枚切り) 4枚
きゅうり 1本
クリームチーズ 適量
塩 適量

クリームチーズは、小さいサイズの牛乳と生クリームに合わせ、作りやすい量にしています。1週間は余裕で保存できますし、ジャムといっしょにパンに塗ったりベーグルやライ麦パンに塗ったりと、単行本『パンのトリセツ』を参考にしていただければ、いろいろ楽しめますよ。

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① クリームチーズって家で作れるんですか!? って僕も最初は驚いたのですが、超簡単に作れます。レモン以外の材料を鍋に入れて火にかけ、ゆっくり混ぜながら40℃になるまで加熱してください。

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② 40℃になったら火から下ろし、レモン汁を加えて、約20分おいて固めます。(前回のシェントゥジャンにかなり似てます)

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20分後、固まってきました。

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③ ボウルにざるをのせ、その上にキッチンペーパーを敷いて、②を入れます。水分(ホエー)を切ります。冷蔵庫に入れて2時間ぐらいでできあがり。そのあとは熱湯消毒した保存容器などに移し替えて冷蔵庫の中で保存してください。

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不思議ですが、こんなに簡単にクリームチーズができます。ヨーグルトの乳酸菌が元種となり、40℃という温度帯で乳酸菌の活動が活発になり、軽く発酵するようです。レモン汁を入れるのはpHを下げるためですが、香りがさわやかで、特に夏はいいのです。お好みで、あるいは食材に合わせて、米酢やワインビネガーに変えてもいいと思います。

僕は元来、スーパーなどで出回っているクリームチーズに違和感を持っていました。ジャムなど食べ合わせるものがうまくマスキングをしてくれればいいのですが、雑味や尖った酸味があり、積極的に食べたいとまで思いませんでした(銘柄によってはすごくおいしいものもあります)。

自家製クリームチーズはその違和感がまったくなかったのです! 新鮮な乳を思わせる、みずみずしい香りがあります。クリームチーズが味の決め手となる、ベーグル屋さんなどで、自家製クリームチーズをやってくれるといいのになーなんて思います。

「クリームチーズを自分で作るのは面倒だ」と思われる方は、市販のクリームチーズにレモン汁をかけて混ぜ込むのでもいいかと思います。レモンには、都合の悪い味をマスキングする作用がありますので。

きゅうりサンドをおいしく作るには?

ここから、きゅうりサンドを作っていきます。

サンドイッチ用として売られる食パンは10枚切りもありますが、ここは法則①にのっとって、角食の12枚切りを用意しましょう。特にパン屋さんで買ってきたばかりの食パンで作ると、まだしっとりしてやわらかくて、夏でも喉の通りのいいおいしいサンドイッチになります。

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④ きゅうりは皮をぜんぶむきます。皮にはえぐみがあり、きゅうりの香りを損なうように思います。これがきゅうりのフルーツサンドと呼ぶ理由のひとつです。

僕はきゅうりの皮をピーラーでむくときの「つー」という感触が大好きで、それでぜんぶむいてしまうのかもしれません。

ちなみに、縞模様に剥く方がいますが、それも理解できます。適度に皮がついていると、それがコクになり、きゅうりの印象を高めるのでしょう。単行本『パンのトリセツ』142ページにもこうあります。「皮をどれぐらい残すかはお好みで」。

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⑤ ④を半分に切り、きゅうりを薄くスライスします。単行本『パンのトリセツ』の142ページにまたまたいいことが書いてあります。「薄切りにする場合は、できればスライサーを使って均等な厚さになるように切ります」。均等な厚さが、しゃきしゃきした気持ちのいい食感を作り出してくれるのです。

⑥ 塩をふってきゅうりにまんべんなくいきわたるよう混ぜて、5分ぐらいおいて水分を出します。クリームチーズに塩分を入れてないので、塩はわりと強めにふってください(夏は塩分も不足しがちですので)。

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⑦ きゅうりをキッチンペーパーの上におきます。このとき食パン1枚の形にきれいに並べてしまいます。そうすると、あとでいろいろ速いですし、断面萌え〜になります。フルーツサンドは断面命でしょ、ってことで。

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⑧ 上からもう2枚キッチンペーパーをかぶせ、丁寧にふいてください。ここで水分をきちんとふきとれるかどうかで味が左右されます。お気に入りのシャツにコーラがこぼれたときぐらいの必死さを出しましょう。

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⑨ ⑧でかぶせたキッチンペーパーをはがしたら、今度は食パンをかぶせてひっくりがえします。そうすると、きれいに食パンの上にのっかります。静かにキッチンペーパーをはがしましょう。

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⑩ 別に2枚の食パンを取り出し、クリームチーズを塗りましょう。水分が溜まっている底のほうがなめらかで塗りやすくなっています。

⑪ ⑩を⑨にかぶせます。

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断面はサンドイッチの命

⑫ さあ、サンドイッチ最大の難関である、カットです。今回は3等分しました。断面がきれいに出るのは具材と垂直に、点線のように切ったときです(本当は食パンがかぶさっている状態ですが、わかりやすさのため、食パンを取った状態の写真にしました)。おうちの包丁でいちばん切れるものを選び、できれば砥石で研いで。切れる包丁がない人は(僕がこの口なのですが)、お湯であたためながら切ることをおすすめします(熱があるほうがパンの中のグルテンが切れやすくなります)。

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⑬ 皿にのせたら完成です。これでも、不器用な僕としては、かなりきれいにできたほうです。山本ゆりこさんのように、きれいにサンドイッチを作れるよう、これから精進してまいりますm(__)m

精進するといえば、単行本『パンのトリセツ』。これを読むときれいさもおいしさも大幅アップまちがいなし! かと。 www.amazon.co.jp/dp/4416519265

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