ホルモン
ホルモンって焼き加減がわからない。
ドロドロとしたそれを見つめながら、ひとりそう思った。
私はこれを、「よおし!」と思って網から取ったことは一度としてない。一度もだ。
「もういいのかな?」「焼けてんのかなこれ」
と共に皿に運ぶことが常だ。
もし私がホルモンだったら、こんなご主人の血肉にはなりたくないので、情けないことこの上ない。
この場を借りて謝罪します。ごめんなさい。
この世のどこかに存在する「ホルモン焼き加減専門家」の方に是非伺ってみたい。
私のホルモンの焼き加減は、正規のものでしょうか。
「おこのみで」と言われてしまえばそれまでだが、必ず正解は存在する筈だ。
いちばんおいしい状態のホルモンに焼き上げるタイミングは、きっとある。ないと困る。
そうだ。
ホルモンの焼き加減が絶妙な方と結婚したら幸せになれるに違いないのだ。
極論、ホルモンの焼き加減が絶妙で、職業がホストでなければ、結婚相手なんて誰でもいい。
誰でもいいから結婚してください。
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