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他人の思いを知った時

自分の思いと他人の思いが違った時。悪い方に思うのか?良い方に思うのかでその時の動きが決まります。 疑って素直に「ありがとう」が言えないのは悪い方に受け取った時です。 たとえ間違っていても良い方に取る方が自分にも相手にも良い方向に向かうでしょう。 意地悪されても、「友達が欲しいけど接し方がわからないんだなぁ」と思って友達との接し方を一緒に模索しましょう。

他人の言動をどのように受け止めるかで、自分自身の行動や感情、そして人間関係の行方が大きく変わってくると思います。

疑いの心で「ありがとう」を素直に言えない時

これは、相手の発言や行動をネガティブに解釈している状態です。

  • 悪循環を生む可能性: 相手の好意を疑うことで、相手を傷つけたり、関係が悪化する可能性があります。また、自分自身も疑心暗鬼になり、ストレスを感じやすくなってしまいます。

良い方に解釈して「ありがとう」を言える時

これは、相手の発言や行動をポジティブに解釈している状態です。

  • 良い循環を生む可能性: 相手の好意を素直に受け取ることで、感謝の気持ちが生まれ、相手との関係が深まります。自分自身もポジティブな感情になり、穏やかな気持ちで過ごせます。

意地悪だと感じても、相手の気持ちを理解しようと努める

相手の意地悪な言動の裏には、もしかしたら「友達が欲しい」「仲良くなりたい」という気持ちがあるかもしれません。

  • 一緒に解決策を探す: 相手の気持ちを理解しようと努め、一緒に解決策を探ることで、相手との関係を改善する糸口が見つかるかもしれません。

まとめ

物事を良い方向に解釈する心の習慣は、自分自身を楽にし、人間関係を良好にするための鍵となります。もちろん、常にポジティブに考えることは難しいかもしれませんが、意識的に良い解釈をするように心がけることで、より豊かな人生を送れるのではないでしょうか。

これから先は物語です。

都会の喧騒を離れた、緑豊かな丘陵に囲まれた小さな町。そこには、ハナが愛情を込めて営むカフェがありました。カフェは、木の温もりを感じる内装で、窓からは四季折々の美しい景色が広がり、訪れる人々の心を癒していました。

ハナは、常連客の一人であるユウキに密かに想いを寄せていました。ユウキは、いつも穏やかな笑顔でハナの淹れるコーヒーを楽しみ、時折、優しい言葉をかけてくれるのでした。ハナは、ユウキとの他愛もない会話に幸せを感じながらも、自分の気持ちを伝える勇気が持てずにいました。

そんな中、ハナは別の常連客、ケンジの心ない言葉に悩まされていました。ケンジは、皮肉屋で、ハナのちょっとしたミスや失敗を鋭く指摘しては、彼女を傷つけるのでした。例えば、コーヒーにミルクを入れすぎてしまった時、「ハナ、今日はミルク多すぎじゃないか?牛になった気分だぜ」などと、からかうように言うのです。

ハナはケンジの言葉に傷つきながらも、彼の真意が分からず、ただ困惑していました。

ある日、ハナはカフェのテラスで一人、夕焼けを眺めながら、溜め息をついていました。「ユウキさんに、私の気持ちを伝えられたらどんなにいいだろう。でも、きっと彼は私なんて相手にしない...」

そんなハナの様子を心配そうに見ていたのは、常連客の一人である老紳士でした。老紳士は、人生経験豊富な穏やかな雰囲気で、ハナにとって心の拠り所のような存在でした。彼は、ハナがカフェをオープンした頃から見守っており、彼女の心の機微を感じ取っていたのです。

老紳士はハナに近づき、優しく声をかけました。「ハナさん、何かお困りですか?」

ハナは、ユウキへの秘めた想い、ケンジの心ない言葉、そして自分の臆病さについて、老紳士に全てを打ち明けました。老紳士は静かにハナの話を聞き終えると、温かい眼差しで語りかけました。

「ハナさん、心の奥底にある本当の気持ちに蓋をしてはいけません。ユウキさんへの想いは、あなたが大切に育んできたものです。たとえその想いが実らなかったとしても、それは決して無駄にはなりません。あなたの心を豊かにし、成長させてくれたはずです。」

「そして、ケンジさんの言葉に傷ついているのですね。ですが、彼の言葉の裏には、もしかしたら不器用な愛情が隠されているのかもしれません。彼は、あなたのことを気にかけているからこそ、つい厳しい言葉が出てしまうのかもしれませんよ。ケンジさんは、口下手で素直になれないだけで、本当は心優しい人なんです」
ハナは、老紳士の言葉にハッとしました。確かに、ケンジの言葉は辛辣ですが、彼の視線はいつもハナを追いかけていることに気づきました。そして、ユウキへの想いは、もう叶うことはないけれど、それは自分自身を深く知るための大切な経験だったのだと、改めて実感しました。

ハナは、老紳士の言葉に励まされ、過去の想いに区切りをつけ、ケンジとの関係に目を向けることを決意しました。ケンジと過ごす時間が増えるにつれ、ハナは彼の不器用ながらも誠実な心に触れ、次第に彼への愛情が芽生えていくのを感じました。

ある日、ハナはケンジを誘って、カフェの裏にある小さな庭でピクニックをすることにしました。色とりどりの花が咲き乱れる庭で、二人は手作りのサンドイッチやクッキーを頬張りながら、他愛もない話をしました。ケンジは、ハナの手料理を「これはレストランの味だ!」と褒め、ハナはケンジの意外な一面を知って嬉しくなりました。

ピクニックの後、二人は近くの丘に登り、沈みゆく夕日を眺めました。オレンジ色に染まる空と、遠くに見える町の灯りが、二人の心を穏やかに満たしました。

「ハナ、お前とこうして一緒にいられることが、俺にとってどれほどの幸せか、分かるか?」 ケンジは、ハナの肩に手を回しながら、優しく語りかけました。

ハナは、ケンジの温かい言葉に胸を打たれ、静かに頷きました。二人は、言葉にはせずとも、互いへの深い愛情を確かめ合っていました。

それからというもの、ハナとケンジは、カフェでの仕事だけでなく、プライベートでも一緒に過ごす時間が増えました。休みの日には、近くの湖でボートに乗ったり、映画を見に行ったり、時にはケンジの趣味である釣りにも付き合ったりしました。

ケンジは、ハナの前では相変わらず口が悪いこともありましたが、ハナは彼の言葉の裏にある優しさや愛情を理解していました。そして、ケンジも、ハナの笑顔や温かい心に触れるたびに、自分の不器用さを反省し、彼女を大切にしようと思うのでした。

ある日、カフェで二人でコーヒーを飲んでいると、ケンジがハナに語りかけました。「ハナ、お前はいつも、俺の言葉の裏にある本当の気持ちを読み取ってくれるよな。感謝してるぜ」

ハナは、ケンジの言葉に少し驚きながらも、嬉しそうに答えました。「ケンジさんも、私の不器用なところをいつも温かく見守ってくれて、ありがとう」

二人は、互いの不完全さを認め合い、支え合うことで、より深い絆で結ばれていきました。

ハナは、過去のユウキへの想いを乗り越え、ケンジとの関係を通して、本当の愛と幸せを見つけることができました。そして、老紳士の言葉が、彼女の人生を良い方向へと導いてくれたことを、深く感謝しているのでした。

カフェの窓からは、今日も美しい景色が広がっています。ハナは、ケンジと二人でカフェを切り盛りし、訪れる人々に温かいコーヒーと笑顔を届けています。ハナの心は、過去の悲しみや苦しみを乗り越え、今、穏やかな幸福感で満たされています。

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