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3度目の妊娠で初めて出産までたどり着けた話

お久しぶりです、パン子です。

長い間更新していなかったにも関わらず、ちょこちょこ読んでくださっている方がいるようで、ビュー数もじわじわと伸びておりました。

いつもこのnoteを読んでくださっている皆さん、ありがとうございます。

先日、無事に男の子を出産しました。
2度の流産を経て、3度目の妊娠でようやく無事に産むことが出来ました。

初めての妊娠時から2つ歳をとり、ここまで長かったような、あっという間だったような不思議な気持ちで、自分達の子がこの世に生きて存在しているという現実が未だに信じられません。


既にこれまでの記事をご覧いただいている方はご存知だと思うのですが、私は反復流産(2回連続流産)を経験し不育症検査を受けましたが、検査では全て正常値で、原因不明でした。
(不育症検査の記事はこちら↓)

原因不明で染色体正常児を流産してしまった私が、なぜ今回は無事に産むことが出来たのか?自分なりに可能性を整理して考察してみました。

いつものお願いですが、私は医療従事者でも何でもないイチ患者です。

あくまでも素人の体験談の一つとして受け取っていただければと思います。



①ビタミンDが効いた説

2度目の流産手術後、2回の生理を見送って妊活再開する予定でした。

妊活再開までに少し時間もあるし、ついでにビタミンDの検査(血液検査)も受けておくか〜と軽い気持ちで検査を受けたところ…

なんとビタミンD不足が発覚。
23.9ng/mlだったのです。

ちなみに基準値はこちら。
30ng/ml以上 充足
20〜30ng/ml   不足
20以下ng/ml 欠乏

ギリ欠乏とまではいかないものの、かなりの不足状態。

しかもこれ、ビタミンDサプリの服用を始めてから既に2ヶ月程経過してる時点での数値です。

つまりサプリ服用前は欠乏状態(20以下ng/ml)だった可能性もあるわけです。

ビタミンD不足or欠乏を不育のリスク因子とするかについては、不育専門医の間でも意見が分かれています。私の主治医は、このビタミンD不足が流産の原因とは考えていなかったようです。が、葉酸に次いで妊娠中に大事な栄養素であることは間違いないのです。


今回の妊娠前〜出産までは、毎日欠かさずビタミンDのサプリを服用しました。

カルシウムを摂取する際にはビタミンDを一緒に摂ると効率よく吸収できるため、朝ビタミンDサプリを飲んでからヨーグルトを食べたりしていました。

妊娠中はカルシウムが不足しがちですから、不育患者でなくとも、ビタミンDはやはり妊婦さんにとって大事な栄養素だと思います。



②漢方が効いた説

不育症検査で何も異常が見つからなかった私は、主治医に「気休めでもいいからアスピリンを服用したい」とお願いしました。

不育症検査の血液凝固系の項目で引っかかった不育症患者には、通常アスピリン又はバイアスピリン(血液をサラサラにする薬)が処方されます。

検査では原因が分からなかった原因不明不育患者でも、お守り代わりにアスピリンを処方されることも多々あるのです。

しかし私の主治医は原因不明不育患者へのアスピリン投与には否定的でした。どこも悪いところがないのに、薬を飲む必要はない、というのが先生の意見でした。

いま考えれば、先生のこの判断は医師として当然だし、ある意味誠実な対応だったと思います。

「こいつめんどくせーから、とりあえずアスピリン出しとくか」という対応も多分出来たと思うのに、先生はなぜ私にはアスピリンが不要であるか、データを見せながら丁寧に説明してくれました。

しかし当時の私は、「西洋医学に匙を投げられた」「プラシーボ効果でも何でもいいから”流産しない薬”を飲みたい!」という気持ちになってしまったのです。


そこで藁にも縋る思いで駆け込んだのが漢方薬局でした。

子宝に実績のある、界隈ではそこそこ有名な漢方薬局を友人に紹介してもらい、そこで妊娠前〜出産まで、漢方の処方をしてもらいました。

ちょうどこの頃、「不育症に漢方が効果ありなのでは?」という情報を見つけたことも、漢方を始めるきっかけになりました。

ソースはこちら。
https://t.co/COWDKZRBZP?ssr=true

まだまだ限定的なデータではありますが、研究者の方がきちんとデータを取り分析した、それなりに信頼できる情報です。

実際に今回の妊娠で、本当に漢方が流産予防に繋がったのか?については、検証のしようがないので分かりませんが、漢方を飲むことでの安心感は間違いなくありました。

漢方はなかなかの高額で痛い出費でしたが、安心をお金で買うという意味では漢方も一つの手段かなと思います。

しかし基本の不育症検査を受けて原因を潰すというのは大前提です!やみくもに漢方を飲めば良いとも思いませんし、漢方を盲信している訳でもありません。

漢方はあくまでもサポート的なものだと考えています。(ほんとに高いですしね…)



③これまでの流産は胎児側の問題だった説

2度目の流産の時、私は胎児絨毛染色体検査を受けました。

流産してしまった赤ちゃんの染色体を調べる検査です。


初期流産の7〜8割は偶発的な胎児の染色体異常によって起こります。この流産は防ぎようがなく、お母さんがどんなに安静に努めていても起こってしまいます。


反対に、胎児の染色体が正常であるにも関わらず流産してしまった時には、母体側に原因があることを疑います。

私が受けた胎児絨毛染色体検査では、
46XX(正常の女性型)という結果でした。

が、不育症検査では全て正常値でした。

ここで下記2つの可能性が考えられます。

1. 46XXは母体細胞混入の結果で、胎児染色体は異常であった

2. 胎児の染色体は正常だったが、胎児に何らかの問題があった


1については、絨毛染色体検査で46XXという結果の内、59%で母体細胞の混入があった、というデータが実際にあります。

ソースはこちら。
https://ameblo.jp/matsubooon/entry-11797049232.html

2の情報については私も最近知りました。
例え染色体の見た目が正常であっても、胎児側の問題で流産になってしまうことはあるそうです。(ツイッターの生殖医の先生情報)

あまり知られていないことですが、男性側の要因で流産になってしまうことも多々あります。
(=胎児の染色体異常や、胎児起因の流産に繋がる)


夫は通常の精液検査では問題なく、精索静脈瘤もありませんでしたが、DFI検査(精子のDNA損傷率を調べる検査)は受けていません。


精子のDNA損傷率が高いと、妊娠できても流産になってしまう確率が上がります。

今回の妊娠前には、念のため夫には亜鉛とコエンザイムQ10のサプリを服用してもらっていました。



④全部関係ないけどたまたま運良く産めた説

不育症検査の記事でも書いたとおり、不育症検査の項目はクリニックごとに異なり、私が受けた検査はその全てを網羅しているものではありません。つまり、検査できていない不育のリスク因子、又は現在の医学では分からない原因が私か夫の身体に潜んでいる可能性も捨てきれません。

不育症専門医の杉先生は、著書で下記のように述べられています。

不育症の原因はいろいろですが、この原因があれば100%流産する、というようなパワフルな原因は、実は存在しません。したがって、不育症の原因があっても、うまくすり抜けて生まれてくることはある訳なので、1人産んだ実績があっても不育症は否定できないのです。

(杉俊隆『不育症学級 改訂3版』、金原出版、2019、23頁)


何も対策はしていないけれど、不育のリスク因子があるのにたまたま運良く産めた可能性も無きにしも非ず…、という訳です。


不育症検査はやっぱり受けて良かった

なぜ私たち夫婦は20代で2回連続流産してしまったのか、結局真相は闇の中、ということになり多少のモヤモヤは残ります。

それでも私は不育症検査と絨毛染色体検査を受けることをお勧めしたいのです。

今回で3度目の妊娠で、過去2回の流産という経験からもちろん不安はありました。ましてや、今回の妊娠の前の月には初めての化学流産を経験し、やはり私は産めない身体なのでは…と思ったりもしました。

それでも不思議と、2度目の妊娠の時よりは不安が少なかったのです。

なぜなら、不育症検査で私の体は健康であることが医学的に証明されている、という自信があったからです。

2度目の妊娠時には、不育症検査も絨毛染色体検査も受けていない状態でしたから、「もしかしたら子宮奇形なのでは?」「夫か私に染色体異常があるのでは?」と不安に思いながら過ごしていました。

更には、今回の妊娠ではビタミンDサプリや漢方薬を服用し、
「やれることはやっている」
「最善は尽くしている」
という自負もあって、2度目の妊娠時よりは不思議と心に余裕がありました。

不妊不育治療において、検査で一つ一つの可能性を潰し、その都度最適と思われる方法を取るというのは、身体にとってはもちろん、精神的にも大事なことと思います。

だから1度目の流産から不育症検査の案内をして欲しいし、検査を受けるという選択肢を我々患者に与えて欲しいのです。

残念ながら、2度目の流産でも不育症検査や絨毛染色体検査の案内をしない産婦人科医がいるのが現状です。



これからの不育症


不育を取り巻く環境も少しずつではありますが変わってきています。

私のような反復流産患者への着床前診断の保険適用が検討されたり、

厚労省が流死産経験者へのグリーフケアを実施するよう自治体に通知したり、日産婦に流産手術の方法を搔爬ではなく吸引で行うよう周知依頼をしたり等…

これらが全て実現すれば、不育患者にとってはとても喜ばしいことです。

私の不育物語はここで一旦終わりとなりますが、今後もnoteを始めSNSでの情報収集&発信や、政府の意見フォームからの意見送信等の活動は細々と続けていきたいと思っています。

繰り返す流産や死産で悲しい思いをする方が少しでも減りますように。祈っています。


最後に、私にたくさんの知識を授けてくださったASCAさん、おみそさん、Twitterの仲間たちに感謝とエールを…!!!!

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