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2回流産したので不育症検査を受けたけど何も見つからなかった話


こんにちは、パン子です。

先日、全体ビュー数が、ひそかに目標にしていた5000を突破しました。

いつも読んでくださっている皆さん、ありがとうございます。
想定していたよりも沢山の方に読んでいただき、喜びと同時に「適当なことは抜かせない!」と気の引き締まる思いです。


前回の記事から少し間が空いてしまいましたが、この間私は不育症検査を受けていました。

タイトルからもわかる通り、結果的に不育症検査では何の異常も見つかりませんでした。

今回は私が受けた不育症検査についてお伝えできたらと思います。


不育症検査の内容

既にお伝えしている通り、私は流産を2回経験しています。

2度目の流産で、胎児絨毛染色体検査(流産してしまった赤ちゃんの染色体を調べる検査)をし、正常という結果だったお話は以前書いた記事の通りです。

赤ちゃんの染色体が正常=私の身体に原因(不育のリスク因子)があることになります。

なるはずだったのです!

はじめに断っておきたいのですが、今回お伝えすることは上記の記事の内容とは少々矛盾が生じます。

なぜなら私は、不育症検査で原因が見つかる気満々だったからです。


今回私が受けた不育症の検査は以下の通りです。


◆抗リン脂質抗体の有無(血液検査)
 抗カルジオリピンIgG抗体
 抗カルジオリピンIgM抗体
 抗カルジオリピンβ2-GP1抗体
 ループスアンチコアグラント
 抗フォスファチジルエタノラミンIgG抗体
 抗フォスファチジルエタノラミンIgM抗体
◆血栓素因(血液検査)
 プロテインC
 プロテインS
◆血液凝固12因子欠乏(血液検査)


上記3つの項目は、それぞれ異なるリスク因子ではあるので、本来まとめるべきではないのですが、至極簡単に説明すると、

血が固まりやすい体質の人は流産しやすいのです。(=不育症)

これらの検査で引っかかった場合には、アスピリン、ヘパリン療法が有効です。私はこちらの検査はすべて正常値ど真ん中でした。


◆甲状腺疾患(血液検査)
 甲状腺機能低下症
 橋本病等…

甲状腺は喉仏にある、ホルモンを分泌する臓器です。
ここに異常があると流産しやすいことがわかっています。
異常があった場合には甲状腺ホルモン剤の治療法があります。
こちらの検査でも私は正常でした。


◆夫婦染色体検査(血液検査)

ヒトの遺伝子の情報は、46本の染色体で構造されています。
夫婦のどちらかに異常(転座)があると、子をもうける時に子が染色体異常を起こしやすく、結果的に流産に繋がります。(相互転座、ロバートソン転座等)

これには治療法はありませんが、体外受精&着床前診断を行うことで正常胚のみを移植することが出来、流産の対策自体は可能です。

私たち夫婦はこれも正常でした。


◆子宮の形態異常、子宮内膜炎(子宮鏡検査)

子宮鏡検査(カメラで子宮の中を見る)で、子宮内に炎症はないか、ポリープはないか、子宮の形は正常かを観察します。

生まれつき子宮の形が奇形(特に中隔子宮)だと、流産に繋がりやすいと言われています。その場合は手術で治療が可能です。ポリープがあった場合も同様に手術で除去することが可能です。

子宮内に炎症がみられる内膜炎の場合は、抗生剤により治療が可能です。
(※子宮鏡での内膜炎検査は確定診断ではありません。)

私はこちらも異常なし、自分の目でモニターに映る子宮の中を確認しましたが、つるつるピカピカで我ながら綺麗な子宮でした。形も正常でした。


◆精索静脈瘤(エコー・触診)

こちらは男性側のリスク因子になります。

精索静脈瘤は、どちらかというと男性不妊の原因として知られています。
私たち夫婦は妊娠自体は2回しており、不妊ではないので関係ないかとも思ったのですが、静脈瘤があることにより、精子のDNAが傷つき、不育のリスク因子にもなり得るのでは?という情報を見かけ、念のためわたねこ(夫)に検査を受けてもらいました。(※不育の原因になるという明確なエビデンスは確立されていないようです)

精索静脈瘤が見つかった場合には手術で治療が可能です。

こちらも異常は無しでした。


じゃあ何で2回も流産したの?

今回私たちが受けた検査では、何の原因も見つかりませんでした。

ではなぜ私は1年の内に2回も流産してしまったのでしょうか。
考えられる仮説はいくつかあります。


①2回とも偶発的な胎児の染色体異常による流産だった

1度目の流産のときは、絨毛染色体検査を受けていないため不明ですが、2度目の流産では46XXで正常という結果でした。

本来のセオリーであれば、胎児の染色体が正常=母体に原因がある、ということになるのですが、絨毛染色体検査というのは残念ながら精度が100%ではありません。

特に、46XXという結果の場合には母体組織の混入の可能性があるのです。

つまり、46XXは私の染色体の型であり、赤ちゃんは本当は染色体異常だったのではないか?ということです。

胎児の染色体異常は夫婦の年齢が上がるほど確率が高くなります。

夫婦ともに20代の私たちが2回も連続で染色体異常が起こる確率は本来低いはずなのですが、ありえない話ではないということです。

現在私がかかっているクリニックの先生は、不育症検査で何も見つからなかったということは、偶発的な染色体異常がたまたま続いてしまったのではないか、という見解でした。

私個人的にも、もしかしたらこの説が濃厚なのでは?と考えています。


②その他の不育リスク因子を持っている

今回私が受けた不育症検査は、実は完璧なものではありません。

なぜなら他の不育専門医でしか受けられないような特別な検査がいくつか残っているからです。

しかし、今のクリニックの先生はそれらの検査はエビデンスが十分でないと考えています。

不育症のリスク因子というのは、専門医のなかでも見解の割れているものが多数あります。

万全を期すのであれば、転院して残っている不育のリスク因子を検査するべきなのでしょう。

しかし私にはもう、その気力もお金もないのです。

私の住んでいる自治体では、不育症検査に2万円の助成金が出ます。

これ、全然足りない。

今回の絨毛染色体検査、不育症検査でこの2万円は優に超えています。

そして某有名不育専門医でもう一度検査を受けるとなると、10万円前後かかるそうです。

10万円かけて検査しても、何も見つからない可能性が濃厚なのです…。

そんなん心折れる…。


③未知の不育リスク因子を持っている

不育症という病気は、未だ解明されていないことが多く、研究が進んでいない分野です。

つまり、現代の医学では分からない何かが私の身体に潜んでいる可能性があるのです。

これの場合はもう詰みです。詰みゲーです。

研究者の方達を応援するしか方法はありません。



原因不明って辛すぎん?

今回、私たちは不育症検査で何も原因が見つかりませんでした。

実はこれ、特別なことではありません。

不育症検査を受けたカップルの内、実に60%以上が「原因不明」となるのです。(※1)


何も異常がないということは、健康であるということなので、本来は喜ばしいことですが、不育症に限っては、原因が見つからない=流産の対策が出来ないということにもなり、絶望を意味します。

しかし、原因が見つからずに無治療で次の妊娠をし、無事に出産できる確率は80%以上と言われています。(※2)

一般的な感覚で見れば高い確率だと思います、が、20代で2回連続流産する確率は1%です。(※3)

99%にも入れなかった私が、今さら80%の確率に入れるのでしょうか?


何の対策も無しに次の妊娠をすることは正直とても怖いです。

でも子どもを産むためには妊娠しなくてはお話になりません。

原因不明不育の夫婦は、この恐怖と戦わなくてはいけないのです…。


やいやい言いましたが、今回の検査ですべて正常だったということは、一つの安心材料になっていることは間違いありません。

やはり検査を受けておいてよかったなと思いますし、検査を受けていなければ次の妊娠時の不安や恐怖は今以上に大きかったことでしょう。


でも原因不明ってやっぱりツライ!!!(どっち)

不育症の研究、早く進んでくれーーーーー!!!


参考文献
(※1)不育症学級 改訂3版 p29, 金原出版
(※2)不育症学級 改訂3版 p31, 金原出版
(※3)不育症学級 改訂3版 p25, 金原出版

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