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【VIPRPG】見るゲのセーブ画面・シナリオ選択画面の演出

ゲームにおいてセーブは、プレイを中断した箇所から再開できるようにする機能として使われています。VIPRPGの見るゲでも、プレイ時間が長い場合は途中でプレイを中断できるよう、適宜セーブ画面やシナリオ選択画面が挟まれていることが多いです。

また、セーブ画面やシナリオ選択画面を演出として効果的に使っている見るゲもあります。それらの見るゲでは、どのような演出がなされているのか、いくつか事例を見てみましょう。


物語や世界観の表現

マップ画面でシナリオを選択する見るゲでは、ゲームの物語や世界観の一部として、組み込まれていることがあります。

【VIPRPG】 ホットケーキ作りたい

物語に関わるオブジェクトがマップ上に配置されていたり、ゲーム内のキャラからプレイヤーに向けたメッセージが送られるなどの工夫により、プレイヤーはゲームから離れることなく、その世界に浸り続けることができます。したがって、プレイヤーの没入感を維持する効果が期待できます。

進行状況に応じて変化する

セーブ画面自体がゲームの進行に応じて変化することがあります。

【VIPRPG】 恋々とする涙と夜に吹く風

よくあるのが、顔グラフィックの変化です。物語の進行に合わせてキャラの顔グラフィックを変化させることで、物語の中で起こっている出来事やキャラの感情の変化がよりリアルに感じられるようになり、没入感が増しています。また、キャラの感情を顔グラフィックで表現することで、プレイヤーがキャラの感情をより深く理解し、共感しやすくなる効果もあります。

一方でシナリオ選択を行うマップ画面に変化が表れることもあります。

【VIPRPG】 ホットケーキ作りたい

よくあるのが、オブジェクトの増加です。物語の進行に合わせてマップ上のオブジェクトを増やしていくことで、どの程度まで物語を進めたか直感的に把握できるようになります。このような演出は、ゲームをプレイする達成感やモチベーションの向上にも繋がっています。

期待感を抱かせるシナリオ選択画面

【VIPRPG】ksg8in1 2nd

ほとんどの見るゲでは、シナリオ選択画面は簡素に作られています。なので、力を入れてシナリオ選択画面が作られているとプレイヤーが感じた場合、プレイヤーはそのゲームに対して期待感を抱く可能性が高いです。

期待感はゲームを進めるモチベーションや没入感の向上に繋がります。また、プレイヤーが期待していた出来事が実際に起こったときの満足感や予想外の展開に対する驚きは、記憶に残る体験になりやすいです。

オマージュ

【VIPRPG】ksg8in1 2nd

オマージュされた作品を知っているプレイヤーは、親近感や懐かしさ、喜びなどを感じることがあります。これは特にその作品に対して、ポジティブな思い出や感情を持っている場合に強く表れます。このような感情は、プレイヤーがゲームを継続するモチベーションの向上に繋がります。

「間」を使った演出

見るゲの制作者の中には、物語が途中で中断されることを嫌ってか、短編以外でもセーブ画面を途中に挟んでいない作品を見かけます。しかし、作品によっては、あえてセーブ画面を物語の途中に挟んでいることがあります。

【VIPRPG】恋々とする涙と夜に吹く風

上記の作品では、プレイ開始からわずか2分弱の場面でセーブ画面が挟まれています。プレイを中断しやすいよう細かくセーブ画面を設けるにしても、いささか早すぎるように思えます。果たして、このセーブ画面はどのような意図で挿入されたのでしょうか。

序盤の物語を整理してみると、

  1. 起:ライチとわてりが雑談する

  2. 承:ライチとわてりが喧嘩する

  3. 転:ライチがやみっちに、わてりがウィンディに告白する

  4. 結:ライチとわてりが告白に失敗、失恋する

の流れで進んでおり、物語が一つの区切りを迎えています。その後はギャグ調の物語から一転して、少しシリアスな展開になります。そこで、スムーズに話を繋いでいくために、ある工夫が取り入れられています。それは「間」の挿入です。

「間」には色々効果があるのですが、今回はリセットや浄化といった、1つ前の印象を1回打ち消す効果について見ていきます。ライチとわてりが告白に失敗した後の流れを確認してみましょう。

わてりのメッセージウィンドウ「死~ん」(再生時間0:20)を閉じてから、

  1. 海マップがフェードアウト

  2. VIPRPG紅白2020のバナーがフェードイン/アウト

  3. タイトル画像がフェードイン/アウト

  4. お知らせ画面がフェードイン/アウト

  5. セーブ画面に遷移

の流れでセーブ画面が表示されています。セーブ画面が表示されるまでは、

  • 波音を流してプレイヤーを落ち着かせる

  • 画面の変化をゆっくりにする

などの対応が行われていて、プレイヤーを出来るだけ刺激しないようにしています。最後に止めとして、セーブ画面を表示し、無音の時間(間)を挟むことで、1つ前の印象を打ち消しています。

セーブ画面を閉じた後は、BGMを再生せず、時計の秒針音のみ再生することで、プレイヤーの注意を惹くような形で物語を再開しています。このような流れで、物語の間が繋がれています。

感想

セーブ画面やシナリオ選択画面は、ゲームのプレイを一時中断するため、見るゲにおいては負の側面として捉えられていることがあります。しかし、それは場合によりけりだと思います。

プレイヤーにどのような体験を与えたいのか、その点を考慮した上でセーブ画面・シナリオ選択画面が実装できれば、より良いゲームにすることもできると僕は思っています。

おまけ

【VIPRPG】セーブ画面で魔王把握

中にはセーブ画面内で物語が展開される一風変わったゲームもあります。

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