想像もつかない!「ゾッキ」という言葉
アパレル・繊維業界には「ゾッキ」と呼ばれる言葉があります。
この言葉、どんな意味を持っているか想像つきますでしょうか?
ちなみに私は初めて聞いた時、何か特殊な製造方法のことか?と思考を巡らせていました…
アパレル・繊維業界には独特で特殊な専門用語がたくさんあります。
過去に紹介した「番手」なんかもそのうちの一つですよね。
今回は「ゾッキ」という言葉について紹介します。
パンストの製造方法
まず「ゾッキ」という言葉の前に、パンティストッキング=パンストの製造方法について紹介します。
パンストはニットの分類に区分けされますが、主に下記の方法によって生産されます。
ナイロン糸のみで編んだもの
ポリウレタンをナイロンでカバーリングした糸のみで編んだもの
ナイロン糸とカバーリング糸と2種類で編んだもの
カバーリング糸というのは、芯となる糸(ここではポリウレタン)の上から螺旋状に別の糸(ここではナイロン)を巻きつけ、一本の糸としたものになります。
靴下で使用される裏糸と呼ばれる補強糸も、このカバーリング糸が使われることが多いです。
(ポリウレタンのストレッチ性を持ったナイロン糸ができあがるイメージを持って頂いたら良いかと思います。)
また、このカバーリング糸は「ナイロン 92% / ポリウレタン 8%」のように、明確に組成を表示する必要があります。
上記3つの中で、1種類だけの糸で編んだものを「ゾッキ編み」と呼び、2種類以上の糸で編み立てたものを「交編」と呼びます。
つまり、1, 2 はゾッキ編み、3 は交編になります。
注意すべきは、「素材が1種類かどうか」ではなく、「糸が1種類かどうか」である点です。
もうお分かりかと思いますが、「ゾッキ」というのは「1種類の糸だけで構成された」ことを示すのです。
パンストでの説明を行ってきましたが、ゾッキはニットのその他の業界(セーターやカットソーなど)でも「○○の糸をゾッキで編んで…」といった形で使用されています。
さらに、織物の業界でも経糸・緯糸すべて同じ糸で仕立てた生地をゾッキと言うようです。
語源は方言?
エビデンスが無くあくまで推測になってしまいますが、どうやら「ゾッキ(ぞっき)」のルーツは北関東地方の方言である、というのが有力なようです。
平仮名とカタカナでは与える印象と雰囲気が変わるのも面白いです。
ちなみに、国語辞典で「ぞっき」を引くと、こんなのがでてきました。
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