ホルモン療法:乳がんと診断されて【18】
2020年7月1日に乳房全摘手術を受けて7月27日から仕事復帰、8月は今後の計画を立てるために時間を使った。
ホルモン療法については前回サラッと書いてしまったが大きな副作用があるものだった。治療期間は5年〜10年。その間、数ヶ月間隔のホルモン注射と毎日の薬の服用が必須。
この薬の副作用として月経は止まりそのまま閉経を迎える可能性もある。その間妊娠もできない。
女性ホルモンが少なくなることから更年期障害みたいな症状が出ることもあるという。
こんな大きな副作用がある治療法にも関わらず、私はこの治療を受けることを即決した。この時私は38歳・未婚・子なし。本来であれば今後の人生を左右する「決断」を迫られる場面で思い悩むところだ。
でも私は既に同じような決断を迫られる場面を経験していた。
7年前、31歳の時心臓の手術をした。その時「機械弁」を心臓に留置したため血液をサラサラにする薬を一生飲むことになった。血液がサラサラになるため妊娠は難しい(無理)と言われた。この時「機械弁」でなく「人工弁」ならまだ可能性はあったのだけど、私の心臓の中にある弁は石灰化が激しく、手術中に人工弁の適用外と判断された。
その時から私の未来に「子ども」の姿は無い。
有難いことに?当時から「結婚願望」や「子どもがほしい」という気持ちも無かった。ただ両親には申し訳ないな…と思ったけど幼い頃から病気ばかりの私にとって「遺伝子を残す」ということが罪のように思ってもいた。自分が病気に苦しむのは我慢すれば良いのだけど、同じ思いを子どもにさせる事は嫌だと思っていたのだ。
生きるための選択を人は生きてる間に何度かするのかもしれない。その機会が私は人より多いだけ。そう思い、私はホルモン療法を受け入れた。
ホルモン注射は「1ヶ月用」「3ヶ月用」「6ヶ月用」とあり、どれでも良いと言われたので取り敢えず「1ヶ月用」にした。どんな副作用が出るのか分からないし少しでも量が少ない方がいいな…と気の弱さが出てしまう。笑
処置はヘソの横にチクッとするだけで簡単なものだった。
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