見出し画像

3つ目の起立性調節障害の病院へ

とうとう不登校になった長男 の続きです

夫のがんが発覚する1週間ほど前、中2の12月に長男の病院をまた変えました。2つ目の中核病院の診察が、意味がないように思えてしまったのが理由です。小児科の先生が、月に1度、調子はどうですか?と少し話を聞くだけで、特に治療は何もない。

親の会で聞いた起立性調節障害の指定医をネットで探してみると、意外にも車で15分ほどの距離の病院にいることがわかりました。もっと早くちゃんと検索して、ここにたどり着ければよかったのですが、指定医と言う言葉を知らなくて、遠回りしてしまいました。

中核病院の先生に「指定医に転院したい」というと、あっさりと検査結果などまとめて渡してくれました。指定医の病院に電話すると、なんと予約は来年の2月までとれないと言われ、それでもなんとか、と食い下がると、3週間後の夕方を指定されました。

その日は仕事だったのですが、母に頼んで先に息子2人を病院に連れて行ってもらい、私があとから駆け付ける形でなんとか受診。指定医だから、もっと積極的に治療するのかなーと思ったのですが、こちらから「漢方とかあるって聞いたんですが」と言うと、やっと薬を出してくれる感じ。

個人で効き方に差があると言われたけれど、親としてはたとえ可能性が低くても、少しでも症状に改善がみられるなら、なんでもやってみたいというのが本音。

ただ、1日3回の食後の服薬というのが、これまた曲者で・・・毎日起きる時間も寝る時間もまちまちで、睡眠時間も毎日違うと、起きている時間というのがバラバラなんですよね。ご飯も起きた時に食べる、1日1食の時もある、という状況で、きちんと薬を飲むのは至難の業。

何か月か飲んでみたけど、結局ちゃんと3回飲むことができる日は少なくて、あまり効果も感じられませんでした。

ただ、この指定医にしてよかったな、と思うことは、長男のことをすごく認めてくれたことです。「そんな学校なら行かなくていいんじゃない」「でも、あなたはすごく能力が高いと思うし、これからなんでもできるんだよ」って。

親から言っても伝わらないことでも、他の人から言われると伝わることってありますよね。治療としてはあまり進まなかったし、昼夜逆転や過睡眠も改善しなかったけど、起立性調節障害というのはそういう病気なんだな、という、ある意味あきらめもついた時期でした。

朝、日光を浴びるといい、と聞いて、朝ちゃんとカーテンを開けて長男のベッドに朝日が当たるようにしたり、塩分を取るといいと聞いて味噌汁を飲ませたり、それなりにやれることはやってみたけど、効果なかったな。

朝、カーテンを開けるのはやめてほしい、と長男に言われたので、それもやめました。眠いのに朝日を浴びても起きられないよね、そりゃ。それよりも、暗い中でゆっくり寝たほうが、早く起きられそうだな、と気づきました。ほんと、親ってアホですよね。自分が病気の時に、無理やり朝日を浴びて起こされたら、いやなのに、ね。

で、結局この3つめの病院も、半年ほどで行かなくなりました。それは指定医に「長男くんが困っていないのなら、病院に来る必要はないですよ」って言われたから。

その時長男は、確かに困っていなくて、学校に行ってないから、いつ寝て起きてもいいし、ゲームもいっぱいできるし、たまに頭やお腹が痛くなるけど、休んでればいいし、行けるときに塾に行ってるし、という状況。

病気だから通院しなくては、と思っていたけれど、治療法もなくて、悪化もしていなくて、本人も必要ないなら、通う必要はないんだな、と。

でも正直なところ、母親としては、指定医に見放された気分でした。このまま長男は、いつになるか分からないけれど、成長とともに改善するのを待つしかないんだ、と。後から考えると、月に1度の通院をやめて、ちょっと楽になったんですけどね。夕方5時からの予約に、長男が起きられなくて私だけ受診なんてこともあったし。日時が決まった予定っていうのは、本当にストレスでした。

中3になって、受験のための模試も、申し込んだけど起きられず、なんてことも何度もあったし、そのたびに5000円近く無駄になっちゃったな・・・とがっかり。病気のせいだってわかっていても、やっぱり、ね。

で、この間、夫のがん治療もあり、「長男はまぁ生きてるし、悪化してないし、本人楽しそうだから、ま、いっか」という気持ちになって、長男のことは割と手放すことができた、というのが正直なところ。

家族にもう一人、命に係わる病気の人がいると、とりあえず生きてればOKみたいな感覚になってきてしまう・・・のは仕方ないのかな。

今思えば、母親が長男を心配して、あれこれ口を出したり、あれはどう?これはどうだ?とやるよりも、見守りつつ放っておくという、この状況が、ある意味よかったのかなー、と。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?