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no.27 義母、空へ還る(その2)義母とわたし

8/21(月)
義母の体温は高めを推移。
37.8℃ →37.5℃ →37.7℃

朝:経口補水液ゼリー 50cc弱 
昼:ハイカロリーゼリー 1個

夕方巡回のヘルパーさんによると、義母に声掛けをしたけれど、目をこちらに向けるだけで、返答がなかったとのこと。
義母は、いつもの「ありがとうございます」が言えなかった。

夜、経口補水液ゼリーをスプーンにのせ、口元へ持っていくも、拒まれる。
「せめてひと匙でも」とスプーンを押し込む。が、よほど嫌だったのだろう。
スプーンをくわえて離してくれない(*_*)!
どうにか、スプーンを引っ張り出し、ひと匙、ふた匙、口に含ませた。
だ、大丈夫だったかな…

8/22(火)
義母の体温は相変わらず高めを推移。
38.3℃→ 37.6℃→ 37.5℃
浮腫が増えた。一度は持ち直した義母だったが、三日のうちに状態が急降下している。

夫から、医師の往診があったと聞く。
「訪問看護」の要請をしてくださるとのこと。
訪問看護では、看護師さんなどが、主治医と連携しながら、在宅の療養者を看護してくれる(看取りを含む)。利用するサービスの内容や回数、看護師の滞在時間などは、状況に応じてということになるようだ。心強い。
訪問看護ステーションが決まったら、連絡をいただけることになった。

参考URL   https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group4.html


夜中、義母の部屋の前を通ると、痰が絡んでゴロゴロする音、
ハア…ハア…という辛そうな呼吸が聞こえてくる。
横には義父が寝ている(…というか、爆睡している)
特養に入所していた頃、義母が
「主人はどこにいますか?」と、介護士さんに聞くことがあったそう。少し心が痛む。

8/23(水)
経口補水液ゼリーのストックが少なくなったので、夕食後、近所のドラッグストアへ。
ところが、棚を見ると、ほかに買う人がいないのか、補充されてない…(汗)
数日前に商品を取り出したあとのまんまの形に見える。デジャヴか(汗)
こんなことなら、はじめから、Amazonでまとめ買いしておけばよかった(泣)

とりあえず、残っていた数個を買い、ほかの店舗も回ってみる。
やはり、同じものはない(汗)
ドラッグストアを巡るうち、その昔、幼子を連れて、義母の求めるものを探し回った記憶が甦る。
(義母は外出ができなかった。今なら不安障害のせいと分かるのだけど)

それは、義母の服や下着、義母が使う家電、家具、日用品、医師や看護師へのお礼…など。
ところが、苦労して買って帰っても、義母が気に入ることは稀で、

「悪いけど、好きではない」←義母の言葉
「返品(もしくは交換)してきてほしい」←これも義母
「良かったら、あなたが使って」←これも!

「まったく、人を何だと思っているのかな」←私の心の声
「もう二度と行かん!」←これもw
ついには、心の声が本当の声になって、晴れて、私はお役御免となったのだったw

以後、義母は百貨店のカタログ通販を利用。電話でオペレーターに質問しながら注文をし、代金引換で購入していた。
認知症が進んで、自分で電話がかけられなくなるまでは。

義母と意思の疎通ができなくなってからは、当然のことながら、義母のことで腹が立つことはなくなった。
ただ、意思の疎通ができなくなった義母は、義母というより、むしろ、命そのものであって、何というか、より存在が重く感じられるようになった。不思議だけど。

これは、義母の看取りに立ち会ったことで気づかせてもらった、とても大事なことだった。

在宅介護*観察日記『義母帰る』

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