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武庫川ありす詩集

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自然、孤独、愛、慈悲などの 詩を書いてます。
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記事一覧

いつも通っている道を

いつも通っている道を いつもより意識的に ゆっくりと歩いてみる すると新しい何かが見える …

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信仰

時には ささやかな楽しみさえ 奪われることもあるでしょう 他の人は 普通に楽しんでいるのに …

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夕焼け空が赤い

夕焼け空が赤い 小さな町を染めて 家の前で少女が 地面に絵を描いている いつまでも飽きずに…

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楽と薬

楽という字は 薬という字から 草かんむりを取ったもの 楽な道を選ぶべきか 苦労してでも 自分…

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思惑どおりには

思惑どおりにはならない 自分の思惑どおりには だからこそ面白いのだろう 戦い続ける道は …

伝説のボクサー

彼は伝説のボクサー 今だかつて負けたことはなかった 特にその動体視力は優れ 相手のパンチ…

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夏の落ち葉

夏の風に吹かれて からからと 落ち葉が足音を響かせる 灼熱の太陽 せっかく逃れたアスファルトは 鍋のように熱せられ のたうち回るしか術がない 死して尚 苦しむ 地獄にも似た 真夏の街の中で 人もまた同じように からからと歩いてゆく。

乳母車

ある昼下がりのこと 彼が交差点で信号待ちしていると 乳母車を押す若い女性が 彼の隣に来た…

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悪い人間

悪い人間ではない ただ、どうしようもないほど 馬鹿なだけ 無知 不注意 思慮不足 判断力…

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貧しさ

貧しさはいいことです お金がたくさんあれば 道に迷うでしょう 進める道が枝分かれして い…

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この心は何模様

この心は何模様 とらえがたい自分の心は 頭では理解している 許せなかったことも ひとつひ…

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思い出の場所

思い出の場所に 久しぶりに行った 昔から好きな場所だ 心が苦しい時 いつもここへ来た 青…

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異国の歌姫

必死で覚えた言葉だから 大切に思い 心を込められる 異国の歌姫よ その美しい歌声で いつ…

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私という人間は

私という人間は 偉大な人間でも ちっぽけな人間でもない ましてや 普通でもない 特別な訳でもない 一本の木の枝についた 無数の葉 やがて一枚一枚は落ちて 大地へと帰ってゆく 私は何者か? そんなつまらぬことなど考えず 今を生きている喜びに包まれて。