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STYLEBREADの『人』Vol.2 取締役COO川島諒一の今までとこれから

大正時代、田中パンという愛称で親しまれた町の製パン所が、株式会社スタイルブレッドとして焼成冷凍パンの事業を立ち上げて18年。
そのマーケットの第一人者として飛躍を続けてきたスタイルブレッドは今大きな変革期を迎えています。
事業規模も年々拡大し続け、生産キャパシティを大幅に向上させるための新工場建設も開始。
さらに上場という次のステップに進むべく、会社全体が高い目標を掲げ一丸となって走り続けています。
その変化の源泉はどこにあるのかを探るべく、スタイルブレッドのイノベーターとも呼べる取締役COO川島諒一にインタビューをしました。

非生産的な学生時代

―どんなご経験が今の川島さんを創りあげているのか気になるのですが、今までどんなキャリアを歩んできましたか?

自分はもともと凄く自堕落な生活を送っていました(笑)
ただ大学受験するときに、弁護士だったら将来食うに困らないかなという考えから法学部を専攻していました。
そんな大学生活の中で、一般教養で受講していたファイナンスや会計の授業が楽しくて、これって世の中をより良いものにするために必要不可欠なものなんじゃないかって思って、ファイナンスや会計の仕事に興味がわき、新卒で新生銀行に入社しました。

新生銀行への入社の決め手は、比較的少数精鋭でバリバリ働けると思ったからです。
非生産的な学生生活を送っていたからこそ、なんだか人生つまらなくなって、反対に仕事を頑張りたいという思いが醸成されていました。

初めての挫折

―自堕落な学生生活を送っていたなんて、想像つかないです!実際に入社されていかがでしたか?

それが入社してみると自分が全然仕事が出来ないということを思い知らされて。
めちゃくちゃ壁にぶち当たって、入社1、2年目は会社に行くのが辛くて仕方なかったです。
それまで取得していた有給を全て使って、2週間ほど家に引きこもったこともありました。
ただもうどん底まで落ちたら逆に怖いものがなくなって、また頑張ろうと開き直れました。
そこから必死に仕事をしてある程度自信もついてきましたが、それゆえに強い焦燥感を抱くようになりました。
同年代で世の中に大きなインパクトを与えている人がいるのに、自分は追いつけるのだろうかと思うようになり、銀行を辞めて起業することを決めました。

―2社目で起業ですか!どんな事業だったんですか?

企業のM&AをWEB上でマッチングさせるという事業でした。当時出会った、これから起業を考えている仲間数名で始めたんです。
この事業は、結果としては思うような成功には至らなかったですが、非常に良い経験になりました。会社や事業に手触り感を感じることができましたし、生きてる実感が湧きました。
ただ同時に個としての能力をもっと身に着けるべきだと感じたので、コンサルティング会社に転職をしました。

―3・4社目への転職ですね。

デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーとアクセンチュアでM&Aの実行支援などをしていました。シンガポールに常駐しながら企業の統合作業に携わったりしていました。
いきなりプロジェクトに参加させられたりするんですけど、その中で何かしらの価値を出さなくてはならないので、マインド面も含めてかなり鍛えられました。
この頃にはもう『自分には出来ないんじゃないか』といった考えはなくなっていて、ある程度経験をして自分に足りない部分のスキルを磨けたと感じたので、また0→1で何か事業をやってみようと思いました。

タイミーとの出会い

改めて事業を生み出したいと思って世の中の課題ってなんだろうと思った時に、周りの経営者の方々から人手不足の話をよく聞いていて、隙間時間でマッチングするサービスがあったらいいのにとスポットワーク事業を思いつきました。そこでWEBでリサーチしてみたら、同じ事業をやろうとしている人たちがいたんです。

―タイミーですね!

そうなんです。少しでもヒントになることはないかなと思い、Wantedly経由で直接連絡して会いに行きました。この時は自分一人で事業をやる気満々だったので、敵地視察の気持ちでしたね。

―大胆ですね(笑)実際にどんなお話をされたんですか?

競合サービスをつくろうとしていることも正直に伝えたんですが、それでも構わないので手伝ってくださいと言われました。
なので、半分の時間で自分のサービスをつくり、残り半分は業務委託としてタイミーを手伝うことになりました。

―何がきっかけでタイミーへの正式な参画を決められたんですか?

タイミーの経営合宿に参加したのがきっかけです。タイミーの人たちと話している中で自分が思っていたよりも熱量の高いメンバーばかりだということを知りました。
自分たちはまだまだ未熟だと認識していて、もっともっと高みを目指したいと思っている人たちしかいなくて、純粋に良いチームだなと思いました。
当時自分でもチームをつくりつつあったのですが、タイミーでやった方が純粋に楽しそうだと思い3カ月後には入社していました。

―最初から副社長というポジションで参画されたんですか?

いえ、最初はいちメンバーとして仲間入りしたんですけど、当時のタイミーの副社長から「悔しいけど川島さんが副社長をやった方がいい」と言われたんです。気づいたらCOOもCFOも兼ねるようなかたちで、創業者と一緒に経営の意思決定をする立場になっていました。

周りにいかにこの会社に入って良かったと思ってもらえるかが基本思想

―副社長という立場ではどんな心境で仕事に向き合っていたんですか?

自分がというより、メンバー一人ひとりにいかにこの会社に入って良かったと思ってもらえるかが基本思想でしたね。自分の人生を振り返ったときに、あの時タイミーに入って良かったと思ってもらいたいなって。
それを実現しようとすると、より事業を伸ばして、どんどん採用して仲間を増やして、評価制度なども整えつつ資金が尽きそうになる前に資金調達もして、とやるべきことは無限に増えるんですが、それを実現できるように領域を問わず動いていました。
タイミーで過ごした時間はそれまでに経験した仕事の10倍くらい濃いものでしたね。

―そんなに濃い時間を過ごしてきた中で、何故タイミーを離れる決断をされたのでしょうか。

当時はあくまでもファウンダーの立場で、まったくの0から事業と組織を急成長させたいと思っていたんですよ。なので、タイミーを思いっきり成長させることが出来たら、次のチャレンジをしたいということは伝えていました。
なので、自分がいなくなっても力強く成長し続けられるチームをつくることも目標にしていました。みんなのおかげでそれが無事に達成出来たなと思ったタイミングで離れる決断をしました。

―それで三井物産へいかれたのですね。

総合商社のような会社をつくりたいなという想いは漠然とあって、かつスタートアップのフェーズではない規模の会社をスタートアップのように成長させられないかと思い始めていて、そんな中でたまたまお声をかけていただいたのがきっかけです。

スタイルブレッドとの出会い

―スタイルブレッドとはどのように出会ったんですか?

三井物産では食品を扱う部署で仕事をしていたんですけど、新規取引先を開拓する中でスタイルブレッドと出会いました。
当時の営業担当との商談で、スタイルブレッドとしての経営課題だったり組織運営の悩みだったりといった話題になり、それに対して真剣にアドバイスしていたら、役員の出島に会わせてもらえることになり、次に社長の田中とも会わせてもらえることになりました。

田中と何回か食事に行ったり話をしていく中で、スタイルブレッドの事業ポテンシャルに魅力を感じたのと、「スタートアップのフェーズではない規模の会社を成長させたい」という自分のやりたいチャレンジにもマッチするなと感じ、スタイルブレッドへの参画を決意しました。

自分の答えが100%正しいとは思えないから、周りの人たちも積極的に意思決定に関わってほしい

―そんな背景があったんですね。
実際にスタイルブレッドに入社されてから、新たなITツールの導入をはじめ、制度、組織体制、拠点の立ち上げなど様々な変化と進化を起こしていますが、ご自身が一番スタイルブレッドに変化をもたらしたなと思う点はどこですか?

社員のスタンスの発揮度合いですね。
会社のバリューの一つとして「スタンスをとる」を掲げていて、前例や常識、立場にとらわれず、「自分ならどうするか?」というスタンスを常に発信してほしいということなんですが、代表の田中や役員以外のメンバーも意思決定に関わっていいんだという考えが少しづつ根付いてきているのではと思っています。
自分が完璧だとは当然思ってないし、自分の答えが100%正しいとは思えないんですよ。だから、全員同じくらいの当事者意識で経営課題をディスカッションできる人たちの集まりにしたい。そのためにまず、小さいことからで良いので自分で意思決定してみる経験を増やしてもらいたいと思っています。

まだ気づけていない面白いことをもっと掘り起こしていきたい

―川島さんが今後目指すビジョンや叶えたいことはあるんですか?

まずはスタイルブレッドにフルコミットして、掲げた目標をしっかり達成させることです。
上場はあくまでも通過点ですので、上場後も力強く成長を続け、ミッション・ビジョンの実現に向けて進み続けられる会社にしたい。

私個人が中長期的に取り組みたいこととしては、世の中に広く活用されるサービスを0から創りたいという想いはやはりまだありますが、常に未知のジャンルに挑戦し続けたいと思っていますので、これからやりたいことを増やしていきたいですね。
プライベートでも、GWや年末年始などの長期休暇には必ず海外旅行に行っていて、仕事以外でもまだ気づけていない面白いことをもっと見つけたいと思っています。

自分の人生に点数をつけるとしたら今は100点中65点

―最後に、川島さんの高い目標に立ち向かっていく原動力って何なのでしょう。

目標ってゲームと一緒でクリアすると少し寂しい気持ちにもなるんですよね。だから目標は次々に見つけていきたいし、難易度は高ければ高い方が良いと思っています。
自分の人生に点数をつけるとしたら、今は100点中65点ですかね。
自分で必死に考えた計画や戦略が実現され、大きな目標をみんなで達成したときに喜びを感じるので、スタイルブレッドのみんなとも同じ喜びを分かち合っていきたいです。


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