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人間は脳の10%しか使っていない?

 どこかで聞いたことがあるのかもしれないが、「人間は普段は脳の10パーセントしか使っていない」というくだりを聞いたことがあるかと思います。

 実際のところ、どうなのでしょうか?

 もともと、どこからそんな話が来たのかというと、1920年代のネズミを使った脳科学の実験で、ネズミの大脳のほとんどを取り除いても普通に動くことができたという実験結果が出てきたことから始まりました。

 つまり、脳みそのほとんどを取り除いてもネズミは動く⇒「脳みそのほとんどを使っていない」という極めて乱暴な仮説が成り立つのです。

 脳みそのほとんどをとったらおかしくなると思ったら、普通の行動したというのが大発見かもしれませんが、脳みそのほとんどを使っていないは、荒っぽい仮説といわざるを得ません

 しかし、この荒っぽい仮説が「脳みその10パーセントしか使っていない」という迷信を生んでしまったのです。

 たちが悪いことに、「脳みそ10パーセント」の設定はSFやファンタジーではとても便利なんですね。

 例えば、とあるヒーローが様々困難を迎えるときに様々な能力が解放されて困難を乗り越える場面があります。

 ドラゴンボールだったら、悟空はスーパースーパーサイヤ人となることでフリーザを倒しましたよね。

 古くて申し訳ないが、聖闘士聖矢だったらセブンセンシズ(第7感)に目覚めて強敵を倒す。ハーデス編になったらエイトセンシズなんて言葉も出てきました。

 このように限界を超えることで、困難を乗り越えることができたのです。

 そうなると、普段脳みそを10パーセントしか使っていない主人公がクリリンが倒されるなどの強いきっかけがトリガーになって、脳みそが100パーセントまで目覚めたという設定にしてしまえば、強敵に勝ったりします。

 2014年にLUCY(ルーシー)という映画もありました。(私は知りませんでしたが)普段は10パーセントの脳しか使えていないけど、100パーセントまで覚醒してしまったルーシーが復讐のためにマフィアと戦うようになる話である。何しろマフィアの持つドラッグによって100パーセントまで引き出すことができるので、ものすごいたちの悪い覚せい剤ということだろう。

(当たり前だが覚せい剤はやったことがないのでどうなるか知る由もない)

 とまあいろいろと書きましたが、脳みそが10パーセントしか使っていないなんて嘘であり、脳みそがダメージを受ければ何かしらの能力に影響がでます。

 そもそも人間の脳みそは大量のエネルギーを消費するので、体重の2%程度しかない脳みそが10%しか動いていないなんてあり得ない

 とはいえ、お前は脳のことをどれだけ知っているのか?

 はい、これっぽっちもわかりません

 結局のところ、脳みその機能を100パーセント使ってようが10パーセントしか使えてなかろうが、できる限り考え抜き、行動するしかないのです。

 そもそも、私が100パーセント使いきったとして、このポテンシャルだったら悲しいし、普段から10パーセントしか使えていないなら、「頭の使い方が悪い」と言われてしまう。そして、ドラッグに頼るなんて人生なんてまっぴら御免です。

 わたしがやれることは、そんな迷信に振り回されずに常に全力で生きるしかないのです

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