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【連載小説】「恋するスピリチュアル」㉒~お姫様抱っこ、からの、ぐるぐる
出版業界の仕組みがよく分かっていなかった私は、平謝りして、なんとか、自分の作品を出させてもらう事になった。
しかし、次に返ってきたメールには、私の作品へのダメ出しが、ズラズラと何枚にも渡って細かく書き綴られてあった。
私はびっくりした。
そこまでひどいとは思っていなかったからだ。
私を担当してくれた編集者の方は、まだ若くて熱意があったのだと思う。
しかし、微に入り細に入り、チェックが入り、「あそこもダメ」「ここもダメ」と文章の手直しを求められて、私の頭は完全にフリーズしてしまった!
指摘されている意味は分かるのだが、それに代わる表現が思いつかない。
言葉が…出てこない。
なんと書けばいいのか分からなかった。
いつの間にか、私の額からは冷や汗が出てきた。
あの頃、仕事場にしていたマンガ喫茶の真っ暗な小部屋で、
そこだけ光るパソコンを前に、
何時間座わろうと何も浮かんでこなかった。
私は、絶望した。
「ああ、やっぱり、私には才能がないんだ…!」
「私には無理なんだ…!」
そうしているうちに、ただ時間だけが過ぎてゆき、やがて、この話は立ち消えになった。
私が落ち込んだのは言うまでもない。
つづく
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