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阪急うめだのコミューナルフードマーケットとサスティナブルな食のこと

3/31にオープンした“コミューナルフードマーケット”
カフェの店長だからという最もらしい理由を見つけたので、市場調査の名目の元に行ってきました。お店は早めに切り上げました!ごめんなさい!

行った感想は、すごく買い物が楽しかった!です。
え?買い物って、仕入れの業務ってこんなにワクワクするものだったけ!?と、ここ一年ネットでの仕入れで美味しい食と出会い(それも素晴らしいことなのだが)、それが当たり前になっていた私にとってこの“コミューナルフードマーケット”は驚きと楽しさが詰まった場所でした。

伝えたくなる、おいしさがある。
サスティナブルなおいしさと出会って、アイディアを伝えあって。

そんな言葉と共にデザインされた阪急うめだの地下2階の一角にコミューナルフードマーケットはオープンしてました。

【分からなかった単語メモ】
コミューナル:共同的
サスティナブル:持続可能な〜

ほう…最近色んなところで目にするSDGs、世界中の人たちが共通で目標にしている「持続可能な社会」の実現に向けた取り組みだそう。

ことこのコミューナルフードマーケットにおいてのそれは、めちゃめちゃ生産者とか作り手の存在を大きく感じるものでした。それを強く感じると、ただの消費者ではいられないというか…「生産者を考えて買う」「商品を知って買う」っていう一歩踏み込んだ消費に繋がる気がしたのです。

そんな全7つからなるブースの内、今回お話出来て商品も買うことが出来た2つのお店をピックアップしてご紹介させて頂きたい。

コンフィチュール FLAVEDO

一年を通して様々な果実のなる熊本は、コンフィチュール作りに適した場所だそう。その熊本の工場から生産者もお客さまも幸せになるコンフィチュールアイディアを発信しているのが【FLAVEDO】(フラベド)さんです。

ブースに入るとスタッフさんが声をかけてくれました。後から聞くと店長さんで!お店で最中を作っててコンフィチュールを入れたい旨を話すと、味の説明を交えつつ提案頂けて…そもそも苺やみかんの種類の多さ・組み合わせのアイディアが結構目から鱗!めっちゃ刺激されて、脳内会議が捗りました。

その中で今店では苺を使っている事もあり、お勧めしてもらった
【FRAISE +ORANGE AMER いちごと橙】を購入!

店内で作られるスコーンも買ってお家でリベイクした上に
コンフィチュールをかけて…うわあ…めっちゃ美味しい…!

まず砂糖の甘さはすごく控えめなのがわかる果実の甘み、それから食感も程よく残ってて、何より橙の甘酸っぱさがすごく気に入りました。

苺の酸味とはまた違って爽やかな橙の酸味、これならあんことも合うだろうし季節もジメジメしだすしスッキリしてて良いかも…これは良い出会いをしました!

ところでサスティナブルな食との出会いの場所だという「コミューナルフードマーケット」それ聞いてまず思ったのが、持続可能な「人手と技術の継承」は欠かせないだろうなということでした。後継者不足はどの分野でもよく聞きます。

「FLAVEDO」を立ち上げたパティシエの鶴見昇さん。熊本に工房を構えた当時、素晴らしい生産者との出会いが鶴見さんと素晴らしい素材を出会わせます。「このおいしさをコンフィチュールを通してたくさんの人に知ってほしい」という気持ちが、FLAVEDOと生産者両方のポテンシャルの向上させる事に繋がっているそう。

そしてそういう思いの詰まった、かつ素敵にデザインされたパッケージと抜群の美味しさに消費者はとっても惹かれます。美味しいだけじゃ続きません。
新しい美味しいとの出会い、そして「コミューナルフードマーケット」という場所で展開されてるという環境が、今まで知らなかった事を知り・考える機会を与えてくれました。

持続可能な世界を目指すなら、まずは知る事から。それが果てに後継者不足の解消や、新たな継承の方法なんかに繋がると思うのです。知る事なら私でも始められます。それでもってカフェを運営してますから、お客さまにも発信出来ます。
今ある食を持続可能にできるなら、小さなことから始めたい。

クラフトミルクショップ

二つ目は【クラフトミルクショップ】さん。アニマルウェルフェアの考えに基づいて、牧草を食べて育てる自然放牧した乳牛のミルクにこだわってる牛乳屋さんです。

そもそもアニマルウェルフェアとは、1960年代に英国で提起された考え方で、要するに牛の一生を尊重した飼育方法をめざすもの。搾取したり、モノとして扱うのではなく、牛に牛乳を分けてもらうって感覚なのかなと感じました。

そんな牛を思ったミルクが並ぶ、クラフトミルクショップ。普段こんなたくさんの種類を見ることはないのでワクワクします。

取り扱ってるミルクを冷やしてるブースとそのミルクを活かした様々な乳製品がズラッと並んでてすごく目移りしましたが、今回は「クラフトミルク飲み比べセット」を注文!
同マーケット内の京らく製あん所の餡を使ったあんぱんがついてくる、2種のミルク飲み比べは外せない…

ミルクの種類はスタッフの方がめちゃめちゃ丁寧に違いを教えてくださって(こんないっぱい種類があるのにすごい…愛を感じる…)でも悩みに悩んで決定!

はわ…あんぱんかわいい…
イートスペースは10席ほどで少ないのですが、近くで所在なく待ってると気を遣ってくださる方が大半で割と早く座れました。ありがたいです。

さて私が選んだミルクは
・岩手県岩泉町 「なかほら牧場」中洞牧場牛乳
・北海道興部町 「ノースプレインファーム」オホーツクおこっぺ有機牛乳

早速飲み比べです!おお〜中洞のは甘み強い、でも口当たりはあっさりめ…おこっぺは口当たりがめっちゃ華やか〜後味あっさりめで…すごいこんな明確な味の違いがあるなんて…初体験です。

その合間にあんぱんをひとかぶり

旨ア…しっかり甘いのに小豆の味もちゃんとある、そして牛乳にものすごく合う。今度は餡のブースにも行きたい、少し混んでて断念したので…!

旨さと違いを堪能しつつ早々にご馳走様してトレイを返しにいくと、さっきまでいなかったメガネのおじさまがブースに(多分偉い人)。話しかけてくださったので美味しかったお礼とミルクの感想を伝えると、すごく嬉しそうにお店の事を教えてくださいました。

アニマルウェルフェアに基づいているため、牧草も季節によって違うそう。それを食べる牛のミルクも季節によって変わるんだと楽しそうに仰ってました。
飲んだ中洞は山の上にある牧場で育っててジャージだから甘みが強いこと、おこっぺはホルスタインでオホーツクの牧場、山と海の違い・牛の種類の違いから味も結構違うのだと教えて頂き、プロの話面白い…と内心興奮しっぱなしでした。

コミューナルフードマーケットの説明にも、食の世界は知れば知るほど愛が深まる、ぜひプロに色々尋ねて欲しい旨が記載されています。確かに言う通りで、クラフトミルクショップもFLAVEDOも、知れば知るほど聞けば聞くほど愛や興味が増していきます。

そして知りたいを受け入れてくれたり、伝えたいを伝えやすくしてくれるのがこのコミューナルフードマーケットなのかなと思います。

そして食を仕事にしている私でさえ、知らない食の世界がまだまだ広がっているようです。だからこそ伝えられるものがあると思うし、一種のトレンドを勉強する意味でもまた阪急うめだの地下二階には行かねばなりません。

なにより人と喋りながら、教えてもらいながら仕入れするのめちゃめちゃ楽しかったんですよね。あとどれもほんとに美味しい、これが一番の行く理由です。

ではまた。

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