初めて振袖を着た日。
遡る事何年前だろう、20歳の春。
「神様がどう思うか、よく考えてちょうだい。」
そんな母の一言で、私は成人式で振袖を着る機会を失った。
母が信仰している、そして私が信仰していた宗教では、独特な地域特有のマイナールールの適用により世の式典を避ける傾向にあった。
式典自体は中学時代いじめられていたこともあり、別に参加しなくてもいいかなぁと思っていたのだが、振袖だけは着たいなぁとぽろりと布教活動中にこぼしたら、同じ宗教内の仲間が、宗教内で年に一度ある特別な式典で、振袖を着せてあげよ