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日々よしなしごと~喫茶店のこと~

先日、何年振りかでローカルラジオの出演依頼があった。
なんでも、10月1日は国際コーヒーの日だとかで、コーヒーなら喫茶店、喫茶店なら私・・と連想ゲームで思い出してくれたみたい。
いやはや、どういう連想でも私の店なぞ思い出してくれてありがたし。

数年前ミニシアターにいた時、月に一度映画のことをある番組でお話していて、ミニシアター勤務がなくなって喫茶店を始めてからは、そういうメディアとはほとんどご縁がなくなっていたからね。

なので、一介の喫茶店店主としてこんな機会をいただいて、本当にうれしかったし、楽しかった。
話の中身はコーヒーのことは少しだけで、ほとんどがお店を始めたきっかけとか当店のイベントのことだったけどね。


元々喫茶店は好きで、小洒落た今どきのカフェとかよりも、昭和の香りしそうな、マスターやママがいる喫茶店の方が好きだった。このお店も名前こそCaféになっているが、私としては喫茶店だと思っている。
まあ、喫茶店とカフェの違いもよく分からないけどね。

この店は一階のブティックオーナーが2階に自分好みの空間のカフェとして作り、最初はオーナー自らマスターとして運営されていたのだが、ブティックと2足の草鞋は難しかったようで、途中から開店休業の状態だった。
私の好きな喫茶店でよく通ったのだが、漠然といつか喫茶店やりたいと思ってはいたが、まさか自分がこのお店の店主になるとは、まったく人生は何が起こるかわからない・・・

ということで、元からあった什器や家具などもほぼそのまま使えるし、むしろ私が借りることでオーナーが新たに一部改装してくれたりと、かなり恵まれたスタートだった。今年で丸6年か。

飲食店など経験のないド素人、ワンオペ、設備的な制限もありで、メニューも絞り込んだものだけ。ただ、コーヒーはこの空間にふさわしい美味しいもの、いつ飲んでも飽きない味にしたいと思ってた。豆は知り合いの自家焙煎珈琲本舗にお願いして、2種類オリジナルブレンドを頼むことにした。

ひとつは、少し酸味が入った軽やかでもうま味のあるもの。
もうひとつは、深煎りで苦みとうま味のある、某外資系チェーンの深煎りコーヒーとは違うブレンドを・・・というざっくりの希望だけ伝えて作ってもらった。
以来当店のコーヒーはこの2種類をペーパードリップで、オープン前にレクチャーしてもらった方法をずっと愚直に変えずにやっている。

このコーヒーも、ご常連さんたちそれぞれの好みのものと、友人が作ってくれているコーヒーのお供のケーキもセットで召し上がってくださる方が多くなった。

喫茶店が多い街は、そこに住む人々の民度が高い!と勝手に思っている。
京都は、その意味で観光地ということは関係なく、喫茶店が多い街だなあといつも感心する。そして、名店が多いことも。
一方当地では、街中の喫茶店はファストフードのチェーン店含めてどんどんなくなっていく中、老舗のお店は何店か残って頑張っているが、郊外のチェーンの珈琲店の方がにぎわっているかな・・・

以前にも書いたが、私が好きな京都の喫茶店のイノダコーヒーの三条店のように、あの丸いカウンターに陣取る人たちにとっては、心地よい居間のようなもので、暮らしの延長上に喫茶店があるような、そんな喫茶店が好きだ。やっぱり喫茶店は

「いつも、いつものように、そこにあること」

と思っている。
しかし、これが昨今では結構難しいことなのだというのも事実。私のように、年金生活者が半分道楽のように喫茶店やるのとは違う(真剣に商売されている方には大変失礼なことだが)、生活がかかるとなると正直オススメはできない商売には違いない。
だからこそ、絶滅危惧種に近い「喫茶店」をやっていくことにも、それなりに?意義があることかもしれない(どんな?)

まあ、そんな大それた使命感はほんの2%くらいで、やっぱり自分が楽しいからやっているというのが正解かな。

今日もひっそりとコーヒーを淹れておりますよ。



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