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この柄、実は『愛の柄』

普段よく見かけるこちらの柄、皆さん正式名称は分かりますか?
ひし形…ダイヤ柄?なんて言われることが多いこの柄。本当の名前は

アーガイル・プレイド(Argyle)

といいます。
英国発の代表的な柄で、今日にいたるまでトラッドスタイルに取り入れられる定番の柄ですが、これは元々靴下の模様なのです。

アーガイルというのはスコットランド西部の地名に由来し、この地に住んでいた大氏族の衣装に使われたといいます。
最近ではまた見直されてきましたが、少し前は定番が故に「ダサい」なんて言われた不遇の存在…

しかし、ダサいだなんてとんでもない!
このアーガイル柄には一つの愛の逸話があるのです。
今日はそのお話をご紹介しましょう。



スコットランド西部、アーガイル郡のファイン湖のほとりに建つインヴァレリー城。
ここを居城とする大氏族、キャンベル家の王女は愛する人への贈り物に悩んでいました。

「ありふれたプレゼントは嫌だ、オリジナルな愛を届けたい」と。
まあ、オリジナル・ラヴですよね。

でも接吻だけではこの愛は伝わらない。
そこでタータンチェックの一つの柄を元に編み出されたのが、このアーガイルチェックなのです。

しかしこの柄、一見シンプルですが実際に手で編むとなるとかなりの手間がかかります。
編み方自体はさほど難しくないのですが…


このようにたくさんの小さな系玉からちまちまと編み進めるので本当に手間のかかる、それこそ愛がなければ編みあげることさえままならない『愛の柄』というわけです。

愛おしい人からの手紙、手作りの料理やケーキ、そこには少なからず送る側からのオリジナルがこもっていますが、自分の為に考え出された柄を受けとるなんてことはなかなかないですよね。

これを一心に編み上げた王女と、それを大事に履き続ける人。そこには誰も知らない大きな愛があったのです。

この物語にあやかって、是非一度アーガイル柄のアイテムを渡してみてはいかがでしょう。
手編みでなくてもいいんです。そこにはすでに愛のカタチがつめ込まれているのですから。

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