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針供養に行ってきました。

針供養とは

使い古した裁縫針にお疲れ様の意味をこめ、最後に柔らかい豆腐や蒟蒻に刺してから納める行事のこと。毎年12月8日か2月8日に行われます。

東京で針供養を行っているのは、
浅草寺(台東区)正受院(新宿区)そして、森巖寺(世田谷区)の三ヶ所。

12月8日、世田谷区の森巖寺へ行ってきました。森巖寺の針供養は区の指定無形民俗文化財にも制定されています。


持っていったのは、アトリエのミシン脇にある折れ針入れの中身。



使えなくなった針を、ぽいぽいと折れ針入れの缶に投げ込んできました。
かなり長いこと開けていなかったので軽く15年は超えているであろう、頑張ってくれた針たちと、スタッフの片付けたくない心の集大成です。

ブランドの種となる、縫い仕事を支えてきた針たち

森巖寺は近所なので、事前に撮影の連絡をしてお邪魔させていただきました。針を抱えて自転車をかっ飛ばすこと10分ほど。


寺院の脇に「淡島さん」と書かれた紅白提灯が風に揺れています。和装姿の方々が法要に訪れていて、とても華やかで美しい空間でした。

銀杏の黄色が最高潮。青空に映えています。

門をくぐると法要堂があり、手前に大きなお豆腐がドーン!と据えられていました。小ぶりの枕ぐらいある、普段はお目にかかれない大きさです。
通常の豆腐の7丁分で、この日のために特注しているのだとか。

豆腐は木綿か絹か

お寺に向かう道中、どっちなんだろうと???と楽しみにしていました。

答えは、木綿でした。お寺の方に理由を伺うと、絹だと崩れてしまうからとのこと。
そこにぷすぷすと針を刺していきます。

針供養
すーっと入って心地よい豆腐

納めた針は、どこへ行く

持ってきた針の一部はお豆腐に、沢山あったので残りは供養塚に入れてきました。

針の供養塚
これが供養塚。一年に一度だけお目見えします。


供養塚は石造りで、大きさはバスタブほど。屋根にある口から針を投げ込みます。

覗き込むと山盛りの針!

石棺の底が地面と繋がっており、針が錆びて風化するように造られているのだそう。なので、何もしなくても月日が流れれば針が朽ち、かさが減る設計なのだとか。錆びを促すよう、塩を入れる地域もあるそうです。

まるで堆肥をつくるコンポストのようなシステムですね。

みなさまお住まいの地域にも、針供養の伝統はありますか?手芸好きや、お裁縫をする方は節目としていかがでしょうか。

溜めに溜めた針を納めてすっきりと、
12月の小春日和に、はれやかな気持ちになれた一日でした。


取材協力:森巖寺

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