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オトナリ珈琲実店舗オープン

2021年10月1日、オトナリ珈琲が実店舗でオープンします。
目指すのは名前のとおり「おとなりのカフェ」です。
おとなりにいつもいるよ、そんな気持ちで場所を作っていきたいと思います。

「オトナリ珈琲」がインターネットでやりたいこと

オトナリ珈琲は2020年、webサイトから始まりました。

iPhoneが普及して長くなり、今はいつでもインターネットがわたしたちの手の中にあります。
それは狭い世界が窮屈な人にとっては大きな救いだったのではないでしょうか。
この社会には、少し人と違うと目立ってしまうことがあります。
「出る杭は打たれる」ということわざが示す通り、
人と違うことをする人は疎ましがられ、
「社会人のマナー」のような本が書店から消えることはありません。

さて、インターネットがなくなることはないから、それならできるだけ”良く”使っていきたいと考えた時に、
その良さとは「たくさんの人に知らせることができる」ということです。

40人のクラスでは1人にしかわかってもらえなくても、
400人に知られれば10人が、
4000人に知られれは100人が、わかってくれます。
そんなインターネットの奇跡を私は期待して、文章を書いています。
インターネットで見かけて共鳴する誰かと誰かは、きっともうとなりにいるんだと思います。

話を翻すようですが、
インターネットには違和感を覚える部分ももちろんあります。
「#有名になりたい」をつけたSNSの投稿を近年よく見かけるようになりました。
それは私がインターネットに期待する機能にはありません。
大きな数の人に伝えたいのではなく、そこにいるとなりのあなたに伝えたいと思っています。
このふたつは、似ているようで、とても遠いことなのです。

1000人の人に一方的に知って覚えて欲しいわけではなくて、
1000人の人がとなりにいると思い合いたい。


webサイトのこと

Webサイトのコンテンツは、「珈琲豆の販売」のほか、
「インタビュー」と「コラム」があります。

このインタビューでは「珈琲をつくる人」「珈琲をいれる人」をインタビューしています。
「珈琲をつくる人」は珈琲豆の焙煎をしている人です。
「スペシャルティコーヒー」が流行して長らく経ちますが、
珈琲業界にいてここ10年感じる違和感は、「産地の努力を伝える」店が増えたということです。

私にとっては産地の方々はもちろんですが、珈琲を焙煎する人も同様に創作者です。
良い豆も焙煎で良くも悪くもなります。
私たちのとなりには尊敬すべきクリエイターがいるのに、どうしてその人のことよりも、産地の人のことを伝えるのでしょうか。
(それはスペシャルティコーヒーだからであり、私も当然勉強しているのですが、話が複雑になるので割愛します)
私はそれよりも、となりの人の努力や創作を見て欲しいと思います。

また、珈琲豆の販売では「あなたに合った珈琲」をおすすめする形をとっています。
これは自動ではなく、私が目で読んで、その人の生活を想像して判定しています。
それは、お客様が「となりにいる」と感じるために必要だからです。
せっかくインターネットを使って、遠くの誰かと知り合えるのならば、大切な部分は機械に任せるのではなく、人がやっていて欲しい。
この方法は、可能な限り続けていきます。

まだおためしでない方はぜひこちらのアンケートをお送りください。

お店のこと

そして、今回実店舗を構えることになりました。
場所は東京都千代田区神保町、本の町です。

お店でも、「となりの人」のことを考えていきます。
お店でしかできないことは、直接会うことです。
ここでは直接そこで会う人を、おとなりの人と呼んでいます。

私はここで、尊敬する焙煎屋さんが焙煎した豆を、出来る限り美味しく抽出します。
時間になったら開け、時間になったら閉じます。
美味しい珈琲を出す、普通の店です。
だからそこはあなた次第でどんな場所にもなります。

ここでは特別分かりあったりする必要はありません。
珈琲が媒介してくれます。
そこで珈琲を飲み、場所や時間を誰とも知らない人たちと共有する。
そこには人が集まり、なにかが生まれます。

フランス革命はカフェから始まった、とよく言われます。
人が集まることは、「なにか」を生み出します。
それが文化になり、育っていくことを期待して。
私はそこになにも想定していません。
となりに来た人たちと、一緒に場所や空間を育てていきたいと思っています。
そこから時代が生み出されると思います。

Webとお店は少し違うものです。
両方の成長を一緒に見ていってください。

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