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他人の目を気にしすぎて、創作の手が遅くなっている人へ捧げる対策法

イラストでも漫画でも小説でも何でもそうなんですけど、
「手が遅い」と悩んでいる人は“他人の目を気にしすぎ”な人が多いです。

以前、SNSにてこんな話を書いたことがあります。

「作品を作る手が遅い」と悩んでる人って、手が遅いんじゃなくて、「誰にもツッコまれない作品」を作ろうとしてることが多いです。
だいたい頭の中に「妄想の他人」が沢山いて、その人たちにツッコまれないような作品を創ろうとして何回も何回も修正するから、完成がどんどん遅くなるんですよね。

(2020年8月1日に投稿した発言)

そう、他人の目を気にしすぎというか、
存在しない「妄想の他人」を脳内に飼いすぎなのです。
もちろん、わたしの中にも例外なくいます。

にも関わらずわたしがどんどん
絵や漫画や文章を描(書)けるのって、
その「妄想の他人対策」をしてるからなんですよね。

その対策が知りたい、というお声をいただいたので、
記事にしようと思います。

なお、この対策はわたしがクリエイター・カウンセリング内でお伝えしているものもありますので、途中から堂々と有料記事にします。

目次を置いておきますので「何をするか」はここを読めば分かりますが、「何故それが必要なのか」が腑に落ちないまま形だけ真似しても大したことにはなりませんので、それはご了承ください。
 ↓


私は一体誰なのか

クリエイターというものは疑り深いものなので(私もそうです)、この記事を書いている人のスペックをご紹介します。

「漫画家カウンセラー」を名乗る巴と申します。
2021年でフリーランス・イラストレーター10年目になりました。
漫画家の夢を持ち、小5から雑誌投稿を始めましたが、同じく小5から34歳までとある精神疾患でした。現在は寛解(克服)して4年経っております。

無名でバズってもいないのに、学研プラス様から書籍を出版しました。
 ↓

漫画家の夢が再燃し、10年越しにやっと描くことができた創作漫画をニコニコ静画へアップした所、3ヶ月でお気に入り4000を超えました。
本当にありがたいです。

ちなみにこの創作漫画はnote内でも読めます(0話・1話は無料)。
 ↓

自分の経験と心理学の知識をもとに、心理カウンセラーもやっております。
まだ歴史が浅いのですが、総相談者数が80名を超えました。
(追記:2023年3月時点で、リピーターをカウントしないで120名を超えています)

この記事は、そういう人間の書いている記事です。

それではお待たせしました、「他人の目を気にしすぎて、創作の手が遅くなっている人へ捧げる対策」をお伝えしていきましょう。

対策0:モーニング・ページを書く

個人的には一番基本的な対策なので
「0(ゼロ)」とつけました。
これはわたしが一昨年の12月から
現在までずっとやり続けている対策の一つです。

元はわたしが愛してやまない本
「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」
の中で紹介されていたワークなのですが、
これは本当に効果が出ました。
 ↓

手順としては、

①ノートを用意する
②毎朝30分早く起き、そのノートに
思い浮かぶ言葉の羅列をザザーッと速記する
③その速記でノートを3P埋める
④それを毎日やる


これだけです。

(もっと詳細を知りたい方は
「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」
のほうでご確認ください)

脳内に妄想の他人を飼っている人は、
いつも頭の中が
「妄想の他人から言われる否定的な言葉」
で埋め尽くされています。
ずっと使っていなかったプールにヘドロが溜まるように。

モーニング・ページを実施することで、
そのヘドロを排水することができます。

でも大体の人が
「早起きできない」
「3Pも埋められない」
「毎日続けられない」
と言うので、わたしは
自分のカウンセリングの中で
以下のような救済策を出しています。

①ノートは小さくていい
「ノート」と言われるとB5の大学ノートを想像する方が多いらしいのですが、ノートのサイズに指定はありません。
(実際、本の中でもサイズ指定はされていません)

でかいノートに書こうとして続かないのであれば、小さくすればいい。
わたしが実際モーニング・ページに使っているノートはこちらです。

画像1

B6。基本はライフ株式会社のやつを
使ってますけど(めっちゃいいやつ。高い)、
左は東急ハンズでかわいいやつを見つけたので
そういうのも途中で使いました。

ページができるだけ多いやつがいいです。
なぜかって毎日書くから。
そしていちいち買いに行くのがめんどいから。
(ときどき2〜3冊まとめ買いします)

B6サイズですら書けない、という方は
正直「甘えるんじゃあねえ!」と思いますが(笑)、
まあでも、物書きに慣れていないと
そりゃそうですよね〜。
そういう方は、このくらいのメモ帳から
始めるのがオススメです。

画像2

ちなみにこのメモ帳は知り合いの作家さん・
メレさんのとこで買ったグッズです。かわいい……

②3P書けないなら1Pでいい
ノートのサイズを小さくしてもやっぱり3Pは無理、
そんなの書いてたら会社遅刻しちゃう……!
という方には「1Pでいいじゃないすか」
とお伝えしています。

「書ける日だけ3P書くようにしています」
というお話も聞くんですが、正直
「たまに3P書くくらいなら、
毎日1P書いた方が効果が出る」

と思っています。
あと、「気が向いた時だけたまに書く」人って、
のちに大体「書くのをやめる」んですよね……。
まあ、それを選ぶのもその人の人生なんで、
わたしがとやかく言うことじゃ
ございませんが……。

③早起きできないなら午前11:59までに書けばいい
どうしても早起きが苦手です、という方には
「午前中のうちに書ければOK、
でいいじゃないですか?」
とお伝えしています。

わたしも一時期起きる時間がめちゃくちゃ
不規則だったことがありまして、
そういう時は
「11:59までに書ければOK!」
と思っていました。

会社の出勤時間ギリギリまで寝てしまう、
どうしても起きられない、という方は
べつに会社到着してから
5〜10分くらいでサササッとやってもいいですし。

とにかく「続けられる自分ルールを作る」のが大事です。
それもまた「アイデアを生む力をつける」ってことなので。

④書くことが何も思い浮かばないなら、そのまま書く

自分を抑圧するのが当たり前になっている人は、
「もう何の言葉も出てこない」ことがあります。
そういう人はそのまま「何も思い浮かばない」を
1P〜3P分、毎日書き続けてみてください。

「そんなことして何の意味があるんだ!」
と思われるかもしれませんが、そのうち言葉が出てくるはずです。
「毎日毎日何も思い浮かばなくて情けない」とかね。
それは“あなたの言葉”です。

* * *

さて、モーニング・ページをやるだけでも
「妄想の他人」をスルーできるようには
なると思うのですが、
おそらくかなり時間がかかります。

(そして「モーニング・ページが基本だ」
というのはわたし個人の主観なので、
これがどうしてもできない方でも
他の対策をやることで
効果が出る場合もあるでしょう)

なので、できるだけ早く
創作の手を速められるよう、
これから「妄想の他人」の正体と、
他14個の対策もお伝えしていきます。

14個全て必ずやらなければいけない訳ではなく、
気が向いたもの・合いそうなものを
やってみられるといいと思います。

対策については「なぜそれをやるのか」を
実体験を絡めて詳しく解説しています。
「なぜそれが必要なのか」
がわかった上でやった方が効果が出やすかったり、
身が入りやすかったりする方が多いようなので。

理由がわからなくても「とりあえずやる」ができる方は、
目次だけ読んでチャレンジしていただいてOKです。

※この記事は、対策を思いついた時に
追記していきます。
購入してくださった方には、
更新時にお知らせが届きます。
追加料金を払うことなく、
追加更新分を読むことができます。

★2020.09.21追記
・対策15を追記しました。
・紹介しているリンクが一部英語版サイトに繋がっていたので、日本語版に修正しました。

★2021.04.19追記
・クイックドローイングで紹介したサイトが利用できなくなったので、新しいサイトへのリンクを追加しました。

★2021.12.18追記
・無料部分に「私は一体誰なのか」を、有料部分に「対策16」を追記しました。

そもそも「妄想の他人」って何なのか

画像3

これまた
「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」
に書かれていることなのですが、
わたし達は誰しも心の中に
自分の創作にいちいちイチャモンをつける
“検閲官”を飼っています。
(上の図は本を元にわたしが作った図解です)

鬼軍曹とか鬼コーチと呼ばれる場合もありますね。
これはクリエイター以外の方も
けっこう飼ってまして、
重箱の隅をつつくようにいつも
自分で自分を責めて苦しんでいる人は、
コイツが原因です。

そしてクリエイターは誰しも、心の中に
「創作を自由に楽しみたい」
アーティスト・チャイルドが存在します。
よく「インナーチャイルドのことですか?」
と聞かれるんですけど、まあそんなもんだと思ってください。

この子を自由に遊ばせてやれるようになると、
創作の手が早くなります。

遊ばせてやれるかどうかは、
親の役割である「今の自分」に
かかってるんですけど、
検閲官は“クリエイティブなこと”が嫌いなので、
「お前の作品はあそこがダメだ」
「専門家が見たら何て思うかな?」
「そんなデッサンでプロになれるつもり?」
「誤字脱字が多いのに小説家なんて正気か?」
「背景も描けないのにイラストレーターを名乗るな」
「その程度の作品にそんな金額をつけるの? 高すぎない?」

などなど色んなことを言ってきます。

その言葉を鵜呑みにして、わたし達は
「子どもの自分」が自由に遊べないよう、
叱りつけたり責めたり縛り付けたりするのです。
まるで多くの親が
「そんな夢みたいなこと言ってないで、
安定した会社に勤めてほしい」
というように。

その結果、
「何回も何回も同じ線を描き直すイラストレーター(の卵)」
「文章表現に自信が持てず一文字も書き出せない小説家(の卵)」
「設定ばかりにこだわり原稿を描き始められない漫画家(の卵)」

「ハマり役ばかりやって他の演技ができない役者(の卵)」
「ウケのいい曲しか歌えなくなり新境地へ進めない歌手(の卵)」

などが爆誕するわけですね。

モーニング・ページはこの原因となる
「検閲官(妄想の他人)の否定的な声」を
スルーできるようになるための訓練です。

最初の数ヶ月間は「自分を否定する声」が
ガンガン頭に鳴り響くと思うので、
それをモーニング・ページに書き出すのがいいでしょう。
その後、必ず
「その否定的な声に反抗する意見」を書きます。

「そんな下手な絵で漫画家目指せるの?」
 ↓
「絵が下手でも漫画家になれている人は山程いる。
なんならプロになってから上手くなっている人もいる。
つまりわたしもなれる」
みたいな感じですね。

否定的な意見に反抗する意見が何も思い浮かばない人は、
そもそも書かないことです。
それはそれで「スルーする訓練」になります。

ではここから、わたしが実際にやっている
「妄想の他人の声をスルーする」ための
16個の対策をご紹介します。

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