ベイティン遺跡について
こんにちは
駐日パレスチナ総代表部です。
今回は、現在も発掘調査が継続中のベイティン遺跡についてご紹介します。
ベイティン遺跡はエルサレムからもほど近い、パレスチナ自治区内のベイティンという村の中にあります。ベイティンには、この他にもいくつかの遺跡が発見されており、銅石器時代〜ビザンツ時代までの遺構が発見されているテル(遺跡丘)や、渓谷の斜面に分布するローマ時代の墓域群などがあります。
ベイティンというのは、ユダヤ教の聖典「旧約聖書」に登場する「ベテル」という土地のことであると言われており、これはヘブライ語で「神の家」を意味します。
ベイティン遺跡の中でも今回は特に、「塔」が有名な「ブルジュ・ベイティン遺跡」を取り上げます。ブルジュとはアラビア語で塔という意味です。
この遺跡の発掘調査が進む中で、新たな遺構が出土しました。それはキリスト教の祭壇である「アプシス」の典型的な形をしており、さらにその付近からは十字架が彫られた石版や、祭儀の際に使用されたと思われる土器も発見されたため、この場所には教会堂があったのではないかと推定されています。
今回ご紹介したブルジュ・ベイティン遺跡には、ビザンツ時代以降さまざまな人々がこの地にやってきた証拠が残されています。
今後も遺跡の発掘調査が進む中で、あまり考古学的研究が進んでいない、エルサレム北部地域の歴史が明らかになるのではないかと期待されています。
パレスチナには多くの遺跡が残されています。
パレスチナを訪れた際には、ぜひそれらを巡ってその長い歴史に触れてみてください。
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